
1914年にイタリア・ボローニャで、マセラティ兄弟によって創設され、モータースポーツ市場において、イタリアンデザインの叡智が生み出した、至上の傑作として知られる「Maserati(マセラティ)」。
FIA GT選手権を制覇した伝説のレースカー「MC12」を始め、レースのためにマシンとして生まれた、フラグシップモデル「MC20」が、アメリカに次いで日本で世界第2位の売り上げを誇るなど、その人気ぶりはとどまることを知らない。
また世界で唯一日本には、マセラティ本社の公認を受けたオーナーズクラブも存在し、会長を務める越湖信一氏が日本のインポーターとの協力体制を確立してクラブを運営するなど、スーパーカー世代を中心に、国内の多くのファンからこよなく愛されている。

そんな中、4月に開催された「オートモビル カウンシル 2025」にて発表されたのが、日本のオーナーに向けられたマセラティのクラシックカー公式認定プログラムである「マセラティ・クラシケ」。
「マセラティ・クラシケ」は、クラシックマセラティ車両を保存、修復、正統性を認証するためのヘリテージプログラムとして、2021年に本国イタリアで開始したプログラムだ。
今回開始したこのプログラムは、本国イタリア以外で初めて行われた取り組みで、日本での認定プロセスの向上を目指すものである。
対象車は、1947年以降1978年までを生産年とし、古典的なマセラティGTや1960年代に人気を集めた「ギブリ」、1970年代の1971年に登場した、マセラティ初のミッドシップスポーツ「マセラティ ボーラ」、「メラク」等が対象となる「クラシック」。
次いで、1978年以降に生産が開始されたモデルで、製造後20年以上を経過した「ネオクラシック」、日本で1980年代辺りから人気を集めた「ギブリⅡ」や「シャマル」、「3200GT」などが含まれる。
そして「MC12」やその派生車種「320S」といった、歴代の「スペシャルカー」と呼ばれるカテゴリーも「マセラティ・クラシケ」に含まれる。

オートモビル カウンシルで展示されたのは、イタリアの工業デザイナージョルジェット・ジウジアーロ氏がデザインを手がけた、1969~1973年式の「ギブリ スパイダー」。こうした希少な車種は、「マセラティ・クラシケ」を代表するモデルといえる。



プログラムでは、歴史的なモデルの正統性を審査・検証し、認定証を発行するとともに、スペアパーツの再生産や、車両レストアのサポート等のサービスも展開される。
イタリアから認定担当者が来日することで、これまで必須だったイタリアへの車両輸送が不要になり、日本国内での検査・認定が可能となったのだ。
「マセラティ・クラシケ」によって、最初に認定証が発行されたのは、1969年製「ミストラル3700」であり、2022年以降、日本を含め、世界各国から申請のあった80台以上の車両に対して厳正なる審査を行い、その正統性を証明する認定証を発行しているといい、年内は、最大8台を対象に審査を実施することが予定されている。
さらにプログラムの一環として、マセラティの歴史的アーカイブに基づくオーナー向けの資料提供サービスも開始。生産証明書や技術データ資料を、オーナーの申請に基づいて提供している。
※初回の審査申し込みは、6月30日に終了しました。

「マセラティ・クラシケ」の開始を記念して、マセラティ・ジャパン代表取締役の木村隆之氏は、次のように語った。

「モデナの歴史あるモーターバレーで製造される名車の数々は、唯一無二の輝きを放ちます。『マセラティ・クラシケ』の日本での展開は、長年マセラティを愛し、大切に保有されてきた日本のオーナー様への敬意と感謝の表れであり、ブランドを理解する上で、過去とのつながりを実現するものです」
「クラシカルなマセラティ車両は単なる移動手段ではなく、タイムレスな芸術作品であり、時代を超える情熱の結晶です。このプログラムを通じて、お客様に寄り添う形で、マセラティが持つ本質的な要素を発信し、世代を超えて受け継がれていく貴重な車両の正統性と価値を正式に認証していきたいと思います」
「今後も日本のマセラティオーナー様とより深い絆を築き、マセラティの豊かな歴史と文化を共有していくことを約束いたします。『マセラティ・クラシケ』の日本での展開にどうぞご期待ください」と語る、木村隆之氏。

洗練されたスタイル、先進的なテクノロジー、そして、生粋の高級感は、高い基準と審美眼を持つライダーを常に魅了し、走りの喜びを人々に提供し続けてきた。そんな世界の自動車業界の歴史において常にベンチマークであり続けてきたマセラティ。その輝かしい伝統は、これからも未来へと継承されていく。

※プログラムに関する詳しい情報は、マセラティ・ジャパンの公式ウェブサイトをチェックしよう!