[#044] 日本・スイス国交樹立150周年記念、高級時計財団主催『時を知る 時計の歴史/日時計の誕生から最新の複雑機構への歩み』

世界の腕時計

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

main
「携帯型の日時計」。18世紀初頭のパリでピエール・ルメールが製作したもの。日時計は紀元前1450年頃にエジプトで誕生したといわれ、人類最初の時計でもある。国際時計博物館所蔵。


1864年2月6日、日本とスイスの間で修好通商条約が調印され、これは徳川幕府が締結した8番目の外国との通商条約だった。このときスイス連邦から遺日使節団長に任命された、スイス連邦上院議員エメ・ランベールは時計製造者協会の会長でもあり、彼はスイスの繊維製造と時計製造のために日本市場を開拓することを目的としていたという。今年は日本とスイスの国交が樹立され150周年目を迎えたことから“スイス年”と位置づけられ、経済、文化、科学など多方面にわたる催しが計画されている。2月6日にはディディエ・ブルクハルター スイス連邦大統領が来日し、東京の六本木ヒルズアリーナで4日間にわたって開催されるスイス・デイズの開会宣言を行い、年間を通じた祝祭行事が公式にスタートする。その第一弾のひとつが時計の歴史をテーマとした展覧会だ。スイス・ジュネーブで2005年に創設された高級時計財団(Fondation de la Haute Horlogerie)が主催するものだが、同財団は27の主要時計ブランドとパートナーシップを組み、高級時計の真の価値を高めることを目的に情報発信や教育、イベントの開催などを行っている。高級時計財団は2012年からロンドンや香港など世界5都市で時計の歴史をテーマとする「Mastery of Time」展を開催し、その6番目の都市として東京が選ばれた。スイス在住の時計史研究家のドミニク・フレションさんが監修し、人類が時の計測を始めた初期から今日までの5つのパートに分けて約100点が展示され、また日本特別展示としてセイコーミュージアムの協力を得て、日本独自の和時計も数点、出展される。展示を見ながら、人類が時をとらえることにいかに情熱を燃やしてきたかを考えてみたい。

会期は2014年2月7日(金)から2月12日(水)で、11時から18時まで。
場所は多目的スペース umu(東京都港区六本木6-9-1 テレビ朝日1F)
入場無料。
お問い合わせ:FHHtokyo2014@hautehorlogerie.org

なお時期を同じくして、会場にほど近いグランド ハイアット 東京ではスイス ガストロノミー ウィークが開催され(2月7日~18日)、スイス料理やスイス・ワインを楽しむことができることも魅力のひとつだ。

img001
「ロカイユ様式のテーブルクロック」。18世紀後半にドイツで製造。18世紀に入ると秒単位の計測が実現し、時計は精度を増し、また装飾的なものとなった。国際時計博物館所蔵。

img002
「針が1本付いた八角形のペンダントウォッチ」。17世紀前半に作られたもの。15世紀に時計の動力源として錘にかわるゼンマイが作られ、時計の小型化が進み、15世紀末には携帯時計が誕生した。国際時計博物館所蔵。

img003

「天体の動きを再現したクロック」。1830年代にラ・ショー・ド・フォン(スイス)でフランソワ・デュコミュンが製作した天文時計。時計本体の上部の回転カレンダーにはエナメルで12星座が描かれている。国際時計博物館所蔵。

img004

「二挺天府とアラームを備えた櫓時計」。江戸時代後期製造。季節によって変化する昼と夜の長さを6分割して一刻とした不定時法を採用していた日本で独自に開発された和時計。セイコーミュージアム所蔵。

img005

「ベータ21」。スイスで開発されたクオーツ腕時計で、1970年にFAR社が製造した。プロトタイプ「ベータ1」は1966年に発表されたが、製品としては1969年にセイコーがクオーツ腕時計を世界で初めて発売した。国際時計博物館所蔵。

Photo/©Dominique Cohas/高級時計財団 ジュネーブ スイス&©セイコーミュージアム