ビジュいいじゃん! 4ドアクーペのメルセデスCLA220に試乗!

メロいスタイリング 

メロいとは「推し」のビジュアルにメロメロ! という意味らしい。最近のクルマ推しの間でビジュいいじゃんなのはおそらくこのクルマだ。メルセデス・ベンツのCLA。

試乗車はCLA220。アクアミントのボディカラーが似合う一台。最近のメルセデスはホワイトやブラック、シルバーの王道カラー以外にカラフルな色も増えている。今やメルセデスもチョコミントよりもアクアミントなのだ。

「流麗」という言葉が似合いまくりなCLAはコンパクトな4ドアクーペモデルとして2013年にデビュー。そしてこれまた優美なシルエットをもつステーションワゴンのシューティングブレークもラインナップに加わっている。2019年の2代目を経て、現行モデルは3代目になる。滑らかなボディは健在でそのラインを崩さないようドアノブは格納式だ。もちろん空力効果もあるのだろうけれど。

今回のフルモデルチェンジの最大の特徴は新しいプラットフォームとパワートレイン、4世代目のMBUXの採用だ。特徴的な光るフロントグリルは「キラキラなんて飾りです、エライ人にはそれがわからんのです」といっても差し支えあるまいて。

しかしながらモデルのデザインアイデンティティとしては大アリで、フロントグリルには最近のメルセデスの流行りともいうべきブランドのスリーポインテッドスターをあしらったモノに。これが夜になると天の川もびっくりなお星様、といった風情になるのだ!

ググらずに語るべし

試乗車にはオプションで助手席ディスプレイのアドバンスドパッケージが装着されていた。助手席の14インチディスプレイは基本的にはセンターの大型ディスプレイと同じことができるが、助手席側は走行中でも動画やTVの視聴も可能。ただし運転者の熱い視線を感じると、映像が止まり運転者に注意を促すのだ。コッソリでも覗き込んではイケナイぞ、と。

助手席のディスプレイといい見た目の電脳空間さもあるけれど、やはり注目は自社開発のMB.OS(メルセデス・ベンツオペレーティングシステム)と第4世代MBUXの組み合わせだ。MBUXは音声認識、ナビなど独自のインフォテインメントシステムでCLAに搭載されるのはSクラス譲りのソレ。簡単にいうとクルマと対話できると思えば大きくは間違っていない。

これがヒジョーに賢い。例えば「軽井沢周辺で美味しいお蕎麦が食べたいのだけど」と問いかけると何軒かリストアップされてくる。さらに「その中でオススメは?」と聞けば、●●(店名)の蕎麦は二八蕎麦で山芋と布海苔を独自の割合でブレンドしたつなぎを使っていて評判ですよ、と返してくる。「そこを案内して」と言えばそのお店までの道案内もしてくれる。コチラの質問内容によっては若干時間がかかることがあるのだけれど、非常に使えるヤツなのだ。

後席はボディラインの影響で「どうもどうも」といった感じで乗り込む方が良さそうだ。つまり若干アタマを下げるか、ゆっくりと乗り込む必要がある。座ってしまえばオトナでも十分なスペースで、ガラスルーフがリアガラス直前まで広がっているため圧迫感はないどころかむしろ開放感の方が強い印象。この大きなガラスルーフでもエアコンはキチンと効くのだが、状況によっては頭上付近に太平洋高気圧が居座っているような微妙な温度の違いを感じることもあった。昨今の殺人的夏の太陽光線を考えれば致し方ないが、エアコンはきちんと効く。

コンパクトボディながらもトランクスペースは十分確保されており、日本のユーザーにアピールするその広さはゴルフバッグ2つがラクショーに収まる。シューティングブレークなら3つ可能という。

木綿のハンカチーフ的進化

新型になってびっくりしたのはエンジンスターターの位置。ステアリング右側にシフトレバーが生えているのだけれど、従来はこの先端を押すと「P」レンジに入った。新型はこの先端がなんとエンジンのスタート、ストップボタンになっているのだ!!

しかしながらシフトには「P」とある。でも押すとエンジンのオンオフになってしまう。「P」レンジはどうすればいいの? ジツは「D」レンジでも「R」レンジでもドアを開けると強制的に「P」レンジに入る。この時点で筆者の凝り固まった老人性思い込み症候群が出てしまった。気をつけよう。なおエンジン停止時にブレーキを踏んでシフトレバーを「D」ないし「R」に入れるとエンジンが始動する。慣れればなんて効率的なんだ! と感心してしまうことになるのだけれど。

もう一つ、実用的な進化が。ソレはアクティブパーキングアシスト。駐車を手伝ってくれる機能で、使わないユーザーが多いかもしれないけれど、地味に(失礼)便利。しかも新型は両脇に目印になるような壁や他車がなくても大丈夫なのだ! 

ディスプレイに表示される駐車場所を決めて、画面タッチ。あとは安全確認していればクルマが自動でステアリング操作から加減速まで行い車庫入れをしてくれる。都会に出た恋人がすっかり垢抜けてしまうことを歌った太田裕美の名曲的進化に筆者はついていくのが精一杯だが、慣れればかなり便利と思う次第。

EVとは骨からの付き合い!?

CLAにはマイルドハイブリッドと完全電気自動車(BEV)の2シリーズがあり、それぞれにステーションワゴンのシューティングブレークもラインナップする。その骨格のMMAプラットフォームはBEVでの使用を主眼において開発されたモノ。

つまりは床下にバッテリーを載せるため堅牢で道路がカワイソーなくらいの高剛性ボディに作られていて、これがサスをよく動かすのだ。もちろん骨格だけではなく、安全性に直結するボディ構造もさもありなん。

画像の紫の箇所はひときわ剛性の高い超高超力鋼板が使われ、衝突時でも変化を起こさせない場所に使い、赤、銀となるにつれエネルギーを吸収させる。こういった考え方が安全神話を作っているともいわれる。

さて、しっかりしたボディが提供するCLAの乗り味は一般公道上では引き締まり傾向の中にしなやかな印象。搭載されるエンジンは190PS、300Nmのスペックを持つ1.5リッターの直4ターボ。なお、このスペックは220グレードのモノで同じエンジンの180グレードは136PS、200Nmになっている。組み合わされるのはいずれのモデルも8速DCT。ミッションと一緒に組み合わされるのはマイルドハイブリッドシステムの48Vの駆動モーター。このモーターは30PSを誇り、エンジンとは切り離されている構造だ。

パワーユニットはフロントに収まり、前輪を駆動するFF。これがBEV版だとフロントはトランクスペースになり、リアモーターの後輪駆動になる。この辺りもユニークだ。

走り出せば状況にもよるけれどゼロ発進から概ね20km/h付近まではモーターで加速してくれる。これが結構パワフルで初速が乗るとエンジンの出番。シフトアップは概ね2200rpm付近。MTモードでは状況やギアによってはその回転でもシフトアアップできない時もあった。

また速度が乗るとエンジンがオフになり燃費を稼ぐコースティング機能もあり、室内は全体的に静かな印象。しかしエンジンが切れてタコメーターの針が下がり始めた時に再加速するような時は場合によっては軽いショックがある時も。

またコースティング中にステアリングのパドルシフトを使って車間距離の調整やエンジンブレーキをかけようとすると、エンジンがかかるコンマ数秒が「待ち」を感じるので積極的にシフト操作をするなら最初からMTモードを選択した方がベターだった。

ドライブモードはコンフォート、スポーツ、エコ、インディビジュアルの4つ。走行中にドライブモードを変えようとすると、自動的に今自分が選択しているドライブモードの次のモードに変わってしまうのは慣れが必要かも。コンフォートからスポーツはいいのだけれど、エコに入れたい時は2回押すか、画面で選択する必要が。エコからスポーツは画面で操作した方が早いといった具合。

高速は8速ギアで100km/h、1400rpm。120km/hなら1700rpm。定速巡航ならば2000rpmをほぼ超えることがなかった。

直進安定性はさすが。箸を使って幕の内弁当でも食べれそうな雰囲気だ。メルセデスのポジティブなトーインは知られるところで、これはホイールが不安定にばたつく傾向を減少させるため。そこにマルチリンク式のサスが組み合わされることで安定性を高めている。「クンスト・デア・アップシュティムング(ファインチューニング技術)」という走行と居住性をバランスさせる開発のコンセプトは今も受け継がれ、メルセデスのハンドリングは中庸である、と言われる所以はここからだ。

切り始めが少し手応えのあるステアリングフィールはらしいモノで、クネった道でも気を遣うことなくコーナーをクリアしていける。試乗車にはAMGパッケージがオプションされていて、19インチタイヤとローダウンサスが装着されており、よりスポーティな印象だった。特にスポーツモードにしてMTモードで走るとエンジンのフィーリングや音もなかなかで、病みつきになりそうなほど。

今回は高速5割、街中2割、渋滞2割、山道1割で約600kmを走って満タン法で燃費は17.9km/Lだった。高速では最高25.6km/Lも記録し、全体的にはカタログ値を下回ったが、高速では上回ることができた。

アートもあるでよ

メルセデスといえば、クルマを売らないブランド体験拠点、「Mercedes-Benz Studio Tokyo」限定でグラフィックアーティストのVERDY(以下ヴェルディ)氏とコラボした「VERDY meets Mercedes-Benz STUDIO TOKYO」によるカプセルコレクションを発表した。ヴェルディ氏の初めて買ったクルマがGクラスということもあり、GクラスのオリジナルTシャツやキーリングなどを9月12日から発売中、デス!

CLA220

価格687万円から
全長 × 全幅 × 全高4730 × 1835 × 1455(mm)
エンジン1498cc直列4気筒ターボ
エンジン最高出力190PS/5500rpm
エンジン最大トルク300Nm/2000-3500rpm
モーター最高出力22kW
モーター最大トルク200Nm
WLTCモード燃費20.2km/L

メルセデス・ベンツ
CLA
問 メルセデスコール 0120-190-610

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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