tent-Mark DESGHINS ホーボーズネスト2.1
ソロキャンプの時のテント選びは難しい。広いテントが好きな人もいれば、狭いテントが好きな人もいる。暑がりの人もいれば、寒がりの人もいる。また、クルマ、バイク、自転車、カヤックなどの乗り物によって、積めるサイズも決まってくる。今回は、中がめちゃくちゃ広くて、長旅向け、かつ設営が圧倒的に早いホーボーズネスト2.1の偏愛っぷりを語りたい。
私は、tent-Mark DESIGNS(テンマクデザイン)のホーボーズネスト2.1を愛している。なぜこれほどまでに惚れ込んだのか?
「tent-mark DESIGNS(以下テンマクデザイン)はブランドではありません」そうホームページに書いてあるので、偏愛モノ図鑑のブランドヒストリーを語る序章が難しい。
引用をしてみると『テンマクデザインは皆様が作り上げる創造や価値を具現化するための拠りどころでありたいと思っています。テンマクデザインの商品開発は「今のニーズを具現化するもの」、「これからのニーズを生み出すもの」の二つです。この二つの開発コンセプトをバランスよく、そして皆様が想像する以上の商品を適正な価格でお届けしていきたい』とある。
以前もこれについて考察したが、はっきり言ってよく分からない。というかこの文章はそろそろ変えたほうがいいと思うので、僕に原稿の依頼をください!
テンマクデザインを扱っているショップリストを見てみると全国のWILD-1という大手アウトドアショップがズラリ。そのWILD-1は株式会社カンセキが大元となっている。
ということは、WILD-1が作っているオリジナルブランドという認識で良いのかもしれないし、そもそもブランドではないと言っているのだから、テンマクデザインという名のコンセプトなのかもしれない。
ちなみに、カンセキの社名は、創業者・服部吉雄が茨城県勝田市(現・ひたちなか市)で起業していた石油製品販売会社「関東石油販売」から(関石=カンセキ)取ったのが由来とのこと。
現在は、ホームセンターのカンセキのほうが知られている。関連会社をよく見ると、ここのところ僕の家の冷蔵庫を牛耳っている業務スーパーの文字も。業務スーパーに対する偏愛も語れるのだが、あまりにも長くなりそうなので、今回は割愛する。
話をもとに戻すと、テンマクデザインは、コラボ商品が多い。アウトドアスポーツやキャンプを趣味にしている人なら一度は聞いたこともある業界の有名人と一緒に作っている。検索でヒットするよう、余すことなく全員の名前を記しておこう。他人の褌で相撲を取るのは、僕の十八番なので。
小雀陣二さん、堀田貴之さん、長野修平さん、こいしゆうかさん、もりもと技術研究所さん、木村とーるさん、仲村忠明さん、小林夕里子さん、山田真人さん、高橋庄太郎さん、OUTDOORSHOPDECEMBERさん、櫻井伸樹さん、日々野鮎美さん、SOLUMさん、WINTERWELLさん、viblantさん、松本哲也さん、凪家さん、A-sukeさん、たけだバーベキューさん、EKALさん、佐久間亮介さん、OUTINGさん、ひらく織さん、natsu(ナツ)さん、JACOB LOGGEVEENさん、氏家エイミーさん、風森美絵さん、マイキャンさん。
雑誌、テレビ、ラジオ、WEB、You Tube、Instagramと発信の場所は異なるが、キャンパーなら見ない日はないだろうと思うくらい豪華な面子である。
そして、今回のコラボはあのホーボージュンさん。モノ・マガジン読者ならかつて「実戦主義道具学」の連載を読んだことがある人も多いはず。
プロフィールをテンマクデザインのホームページから引用させていただくと、ホーボージュンさんは、全天候型アウトドアライター。アウトドアと野宿の旅を好み、海のそばで牧羊犬と暮らす。ユーラシア大陸横断、パリ・ダカールラリー出場、シーカヤックでの外洋航海、6000m峰登山など、多彩なアウトドア経歴の持ち主。著書に「実戦主義道具学」(ワールドフォトプレス)、「四国お遍路バックパッキング」(小学館)、「山岳装備大全」(山と溪谷社)など。
僕の憧れの先輩旅人であり、冒険家であり、ライターでもある。20代の頃から一方的に雑誌で記事を読んでいたが、展示会やアウトドア関係のイベントでお会いしたときにご挨拶させていただいた。
その後、撮影でご一緒したときから「アキくん」と呼んでくれ、毎週木曜日にTwitter(現X)のスペースで「道なき道のケルン」というラジオ番組に何度か出させていただいている。勝手に仲良くさせていただいていると思っている。
このテントは、ホーボーズネスト2の後継となるホーボーズネスト2.1。ヘリテージ、MSR、ニーモ、ヒルバーグといった世界に素晴らしいテントがあるなかで、それに負けないようなテントしか世に出す意味はない、という思いがあり、ジュンさんが心から納得する形にしたかったため、なんと5年も歳月がかかってしまったらしい。
カヤックで長期遠征したときに、テントが唯一逃げ込める場所だと気づき、吹雪いていて、寒いときに1秒でも早く逃げ込める家、放浪者の巣にしたいという思いから、それらの機能をふんだんに詰め込んでいる。
どんな過酷な環境であってもこのテントの中に入れば、命を守ることができる、といった安心感に包まれるテントを作りたかったそう。
僕も手に入れてから家で練習していたが、せっかく初張りをするので、北海道の北広島にある「かえるキャンプ場」までセロー250で走らせてみた。4泊5日で約1,360kmというロングツーリングだ。行きは八戸から苫小牧までフェリー、帰りは苫小牧から仙台までフェリー。それ以外はすべて自走。
特長的なのは、設営、撤収の時間が圧倒的に早いこと。山岳テントは、ポールを2本入れて立ち上げるクロスポールが主流だが、こちらは、メインポールを入れたら、あとは2本の短いポールを輪っかに引っ掛けるだけなので、いちいち四隅まで歩いていかなくとも、その場で設営可能。
フライシートという屋根の部分は、普通のテントならば地面から少し高くなり、大雨に強風が重なると少しだけ中に雨水が入ってきてしまうが、そうならないように地面に触れるまで長くしてあるとのこと。生地を多く使うと、価格が上がってしまうので、他のメーカーはなかなかできないところだろう。
また、中に入ってみるとその広さに驚く。2人用なので、モーターサイクルのキャンプには最適。ヘルメット、プロテクター付きのジャケット、ブーツなど大きい物が多くなってしまうので、それらを中に入れても空間が余るほど。ありがたい。
入り口が右にも左にもあるので、仮に2人で寝た時も、相方の身体を跨いで出口に行く必要がない。
雨水の侵入をシャットアウトしてくれる
インナーのボトムがバスタブといって、テントの地面の部分が絶妙に高くなっていて、雨水が入らないようになっている。さらにシームをボトムに設けていないので、縫い目から浸水することもない。
じつは、北海道に入ってから何度かゲリラ豪雨にやられて、周りに相当な水溜りが出来ていたが、こちらのテントには全く水分が入っていなかった。1度目にして、優れたフライシートとバスタブの恩恵を受けられた。
テント本体はメッシュ部分が多くなっていて、夏場はベンチレーションを立ち上げれば風が入ってくる。しかもジッパーが内側に付いているので、中から立ち上げることも可能。
北海道とはいえ、雨が止んだ後に少し蒸し暑さが出てきたが、中の室温はちょうど良かった。
北海道ツーリングに持ってきた道具たち
左上からホーボーズネスト2.1テント、雨具、スマホのチャージャーやモバイルバッテリー、ヘッドランプ、スクラバウォッシュバッグと中に下着類、左真ん中からヘリノックスチェアミニ、ナンガのミニマリスム180、救急セット、ガス缶、クッカー、シングルバーナー、カトラリーなどが入ったkotiのダイニーマケース。着替え類。
1番下は左からクライミットのスタティックVマット、SOTOのフィールドホッパーテーブル、Bluetoothスピーカー、LEDランタン、プエブコの化粧ポーチ
雨でも全く中に浸水していないのだが、そもそも既に雨が降った後に設営するとき用にグランドシートが欲しいと思って調べたところ、Youtubeでチキューギさんがご紹介していたオクトスのグランドシート2人用を購入。次のキャンプツーリングには持っていきたいと思っている。
ジュンさんも長旅や海外遠征などで使ってほしいテントだとおっしゃっていたが、設営、撤収が早くできれば、海外の治安があまり良くない地域でも安心だ。森の中に逃げ込めるので。
主にカヤックのツーリングで使えるように開発したのだと思うが、エンジン付きのバイクにも最適だと思う。僕はどちらかというと狭くて窮屈な秘密基地的なテントが好きなタイプだが、狭い空間が苦手で、広いテントが好きな人には快適そのものと言える。
ただし、自転車のキャンプツーリングに使うには少々大きいので、それなりのパニアバッグが必要になるだろう。
せっかくならば、1日や2日のような旅ではなく、1週間を越えるグレートジャーニーに使ってみてほしい。きっと過酷な環境下でも安心、安眠できる。心が休まるホーボーズネスト2.1のようなテントはなかなか珍しいのだ。
tent-Mark DESIGNS ホーボーズネスト2.1
価格: | 5万9400円 |
素材: | ◎フライシート(リップストップナイロン30D/加工:シリコン/PUコーティング) ◎インナー(メッシュ) ◎インナーボトム(リップストップナイロン40D/加工:PUコーティング/撥水加工) ◎ポール(#7001アルミニウム合金/直径 メインポール9.5mm×1・サブポール8.5mm×2) |
耐水圧: | ◎フライシート(1,500mm) ◎インナーボトム(1,500mm) |
収納サイズ: | (約)430×160×160mm |
組立サイズ: | ◎フライシート(約)2,230×2,380×1,150(高)mm ◎インナーテント(約)2,100×1,180×1,050(高)mm |
重量: | ◎総重量(約)2.15kg(ペグ、張り綱、収納ケース含む) ◎本体重量(約)1.98kg(フライ、インナー、ポール) |
付属品: | ペグ×12、張り綱×4セット、収納ケース |
原産国: | 中国 |
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