大人もハマるスモールRCカー、MINI-Zの世界へ!

大人もハマるスモールRCカー、MINI-Zの世界へ!

新型コロナウイルスの影響により、昨年春から推奨されている“ステイホーム”。人々の動きが制限され、経済的にもマイナスの要因となったこの状況下でも、セールス面で健闘を見せたホビーが存在する。それが室内でも遊べる小型のRC(ラジオコントロール)カーだ。特にそのスモールRCカーの代表格ともいえる京商のMIN-Z(ミニッツ)シリーズは、本格的なクロカンモデルの登場によってさらなる展開を見せている。そんなミニッツの世界を紹介しよう!

4×4がもたらしたアクティブなインドアRC

 日本が誇る老舗RCメーカーの一つ、京商が1999年末に発売したスモールサイズのRCカーが、実車の約27分の1スケールのMINI-Z Racer(ミニッツレーサー)。それまでも同等サイズのRCカーは存在していたが、ミニッツレーサーのスゴかった点は、当時主流の10分の1スケールカーに劣らぬ走行性能を持ちながら、高クオリティのボディを搭載していたこと。当時のRCカーにおいて“走り”を重視したモデルは、空力性能優先のためにボディの造形がリアルではなく、リアル志向のモデルはそのぶん走行性能に妥協が必要という難点があったが、ミニッツレーサーではこの二つを両立。さらに完成状態での販売のため面倒な組み立てが不要で、特別な知識がなくても、単4型乾電池を装着すればすぐに本格的RCカーと同様の走行性能を体感できた。このように多数の長所を備えたミニッツレーサーは瞬く間にヒットモデルとなり、順調にバリエーションを拡大。発売から20年が経過した現代でもスモールRCカージャンルでの確固たる地位を築いている。

 そんなミニッツレーサーだが、自宅でも遊べるというサイズが2020年春からのステイホーム運動にマッチし、一躍注目を集めた。そして、偶然とはいえ、このタイミングに合わせて登場したかのようなミニッツシリーズの新バリエーション「ミニッツ 4×4(フォーバイフォー)」が、ミニッツ人気にさらなる拍車をかけたのだ。

 ストリートカーやレーシングカーからスタートしたミニッツシリーズは、やがてモンスタートラックやバギー、ドリフトなど、様々な派生モデルを生み出していった。どのモデルも高い人気を集めたが、2020年3月に、完全新設計のシャシー(フレーム)とボディを持つミニッツ4×4シリーズがラインアップに加わり、さらにその人気を加速させた。日本では四輪駆動のクロスカントリー車を表すときによく使われる「4×4」の名を与えられたミニッツ4×4もまた、クロカンモデルのスズキジムニーとトヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)、ジープ ラングラーを手のひらサイズにスケールダウンし、実車同様の四輪駆動システムとサスペンションを装備。展示用モデルに匹敵するボディのクオリティを保ちながら、高い走破性も発揮する。

 これだけの性能を持ち、折からのステイホームにも適したミニッツ4×4に注目しない理由はない。上の写真のように、室内をクロスカントリーフィールドにして走らせるもよし、精密なメカや巧みに再現されたボディをながめて楽しむもよし。もちろん、各部を分解・整備してメカニック気分を味わうことだってできる。

 いかにも“おもちゃ”然としたロープライスRCカーではもの足りない、かといって自分で必要なアイテムをそろえて、組み立てやセッティングも必要な本格RCカーはハードルが高い――そんなふうに考えている人にこそ、ミニッツ4×4をお勧めしたい。電池を入れるだけで走行可能という手軽さからは想像できないほどの奥深さがミニッツシリーズにはあり、その魅力は大人を飽きさせることはない。さあ、アナタもミニッツ4×4で少年の日にあこがれたRCカーの世界に足を踏み入れてみよう。

ミニッツ4×4シリーズ レディセット スズキ ジムニーシエラ キネティックイエロー

ミニッツ4×4シリーズ レディセット スズキ ジムニーシエラ キネティックイエロー

日本国内はもちろん、海外でも高い人気を誇るスズキジムニーを全長約19cmのスモールサイズにスケールダウン。操作用の送信機とセットで販売される。走行には車体用単4電池(アルカリ、またはニッケル水素電池)4本と、送信機用単4乾電池4本が必要。価格2万7500円

トヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)

アメリカンな雰囲気も漂わせるトヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)。こちらも送信機付属で販売される。価格2万7500円

トヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)
トヨタ4ランナー(ハイラックスサーフ)

走破性の高さを活かしてこんな遊び方も楽しめる。室内にある物をうまく利用してクロカンフィールドを作ってみよう。アイデアは自分次第だ。


4×4だけじゃない!ミニッツのバリエーション

今回はミニッツ4×4をメインに紹介したが、ミニッツシリーズには様々なカテゴリーが存在し、車種のバリエーションも豊富。自分の好みに合わせて自由に選べるのも、ミニッツが根強い人気を保ち続けている理由だ。

ニッツレーサー
ミニッツレーサー
ミニッツレーサー

初代から受け継がれるミニッツシリーズの基幹モデルがこのミニッツレーサー。様々な車種バリエーションがあり、駆動方式もリヤ(RWD)、フロント(FWD)、四輪(AWD)の3タイプがラインアップされる。

ミニッツバギー
ミニッツバギー

オフロードスタイルのミニッツバギー。シャフト式4WDとダブルウィッシュボーン式四輪独立サスペンションを装備。多少の段差やギャップをものともしない、迫力ある走り楽しめる。

ファーストミニッツ
ファーストミニッツ
ファーストミニッツ

ミニッツシリーズの入門用として最適なのがこちらのファーストミニッツ。送信機付きながら価格5478円とロープライスなのが特徴で、人気コミックの登場マシンをはじめ、パトカーや消防車もラインアップ。

岩崎航平氏

京商株式会社
R&Dグループ 開発/サブマネージャー
岩崎航平氏

「RCカーの魅力は実車を操っているかのような体験ができることだと思います。ですから、実車が好きという方にこそMINI-Zに触れてもらいたいです。今後も実車の走りをMINI-Zで作りあげるというのが開発者としてのこだわりです」と、ミニッツシリーズの開発を手がける岩崎氏は語る。単なるおもちゃではなく、本格的なホビーとしてのRCカーの楽しさは、この実車的な感覚を味わえるということにも現れている。


写真提供/京商

京商:https://rc.kyosho.com/ja/
ミニッツ特設サイト:https://rc.kyosho.com/ja/miniz_sp_whats_miniz

  • RC(ラジコン)カーの記事を中心に、模型や実車などのメディアで編集・執筆を行うフリー編集者兼ライター。余暇のほとんどを競技用RCカーの走行や整備に費やす立派な(?)ラジコン廃人。9割以上がラジコンの話題で埋め尽くされるブログ「すべては12分の1のために」は、ごく一部の読者に好評継続中。
  • http://1-12thonroad.cocolog-nifty.com/blog

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