リベット・ロージー リベットガンを手にした女性たち “We Can Do It!(私たちはやれる!)”

アメリカで女性が戦争に参加したり協力したのは第2次世界大戦が初めてだったわけではないが「ロージー・ザ・リベッター」という口なじみのいい名前のおかげで戦時における女性労働者の存在にスポットライトが向けられた。同時に製作されたポスターが時代の空気を伝えてプロパガンダとしての役目を果たした。後に、ポップアイコンの座に着いた。

文/ワールド・ムック編集部 Photo/NARA, NMAH, Library of Congress and WPP Collection

「女性が職場に出れば出るほど、勝利は近い!」

だれであっても、働く場所を得れば強くなれる。

ノーマン・ロックウェルが描いたロージーは、リベットガンを抱いて『サタデーイヴニングポスト』誌の1943年5月29日号の表紙を飾っている。ロージーのモデルになったのは、19歳のマリー・ドイル。

一方で、力こぶを見せながら「We Can Do It(私たちはやれる!)」の標語があるポスターを製作したのは、J・ハワード・ミラーである。ポスター製作を依頼したのは、総合電機メーカーのウェスティングハウスだった。目的は、無断欠勤を減らして勤労意欲を高めることにあった。というわけで、「私たちはやれる!」嬢は、最初は戦時のプロパガンダを目的にしていたわけではなかったのだ。ミラーは、一枚の写真をもとにしてポスターを製作したとされる。写っていたのは、ジェラルディーン・ホフという女性だった。

ロックウェルのロージーは、財務省へ貸し出されて戦時公債の宣伝ポスターやキャンペーンに顔を出している。そこに著作権の問題が出てきて、ロックウェルのロージーはアウトオブサイトな存在になっていく。

入れ替わるようにして穴を埋めたのが、「私たちはやれる!」嬢だ。彼女の生みの親は、長らく忘れ去られており、著作権はスルーできたようだ。なにより腕っ節が強そうな力こぶポーズは、働くイメージにもってこいだった。髪にはバンダナを巻いて、キリッと引き締まった表情は、いかにも頼りになるワーカーそのものだ。ロージー・ザ・リベッターと「私たちはやれる!」嬢が、同一人物視されていく。第2次世界大戦中に戦車、艦船、飛行機の製造に従事した女性たちは「ロージー」と呼ばれて、約500万人の女性が防衛産業や商業部門で職に就いた。

ちなみにリベットではなく溶接工の女性は、知名度で負けるがウェンディー・ザ・ウェルダーだ。

最終段階の取り付け作業をする。ヴォルティ社
自信にあふれ、引き締まった表情を見せる女性労働者。カリフォルニア州ロングビーチのダグラス社

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