あの名車が復活!? 注目のニューカマーもオートモビルカウンシル

3日間だけの「超」博物館

オートモビルカウンシルというと本場フランスのレトロモビルのような「クラシックカー蚤の市」ふうなイベントでもある。

2016年の初開催から今年で10年目。そして同イベントは3日間だけの自動車博物館的側面もある。会場に入ると希少なモデルが出迎えてくれる。

小型宇宙船かアニメに出てきそうなクルマはアバルト750レコルド エンデューロ。このデザイン、すべては機能のため。その空力性能を生かして1957年に速度記録を樹立。ボディデザインはピニンファリーナで氏自身が後のデザインの礎になったと自賛したモデルでもある。ちなみに当時の記録はOHVエンジンで72時間余り、約1万2000kmを走り切るというモノ。その平均速度は165.37km/hだった。同車は本国のピニンファリーナのギャラリーの一番奥に飾られていたいわば「ご神体」。それが春疾風のごとく日本の会場に現れた。

そう、何を隠そう(隠してないけれど)今回のオートモビルカウンシルのメーンピラーの1つは2年越しに実現したイタリアの名門カロッツェリア・ピニンファリーナが手がけたモデルの展示。ピニンファリーナといえばエレガントでダイナミックなモデルで知られる。

入り口には真紅のドレスとよく言われるフェラーリレッドの丸いライトを持つフェラーリ250GTO SWBやシルバーのフェラーリ330GTC、フロント周りの樹脂を目立たせるようにしたランチアベーターモンテカルロ、フェラーリの限定生産スペチアーレの第一作となったGTOなどどれも希少なモデルばかりが並ぶ。

いずれも希少なモデルばかりだが今回、筆者も初めて見たのがコチラ。1965年のル・マン24時間レースに出場し、クラス優勝を果たしたオーストンヒーレースプライトのプロトタイプ。

その他にもあるところにはあるのね、なモデルが多数あり、クルマ好きには博物館というよりも目の保養所になっている。

この手があった! レストモッド

このイベントのもう一つのテーマはレストモッド。これは最近流行り出したヒストリックモデルに現代のメカニズムを移植したり、最新のモデルと遜色ない装備を持たせたりするカスタマイズで、造語でもある。レストア+モディファイ、あるいはレストア+モダニズムといった解釈で間違いはないと思う。筆者にでもわかるような例えならばカレーにトンカツかハンバーグといった豪華メニューだろうか。乗りたいけれどエアコンや耐久性が云々と思った人にはピタリなクルマに仕上げられている。

深い赤が特長的なランチアデルタインテグラーレはアウトモビリア・アモスが手がけた1台。アウターパネルの大部分にカーボンファイバーを用い5ドアモデルを3ドア化。ランチアといえばマルティーニ・レーシングの同社によるレストモッドモデルが白いの伝統的なカラーを持つモノ。エンジンはグループA仕様を基本にECUなど現代化が図られている。インプレッサはスバルのWRCカーの製造とチームの運営を担ったプロドライブが手がけ、2.5リッターエンジンのEJ25を採用。歌手のロブ・ディキンソン創業の空冷ポルシェのレストアを専門とするジンガー・ヴィークル・デザインの911はオールカーボンボディでエンジンを4バブル化。9000rpmで500PSを誇る。

ニュースもあるでよ

オートモビルカウンシルはヒストリックカーばかりではない。例えば三菱ブース。同ブースでは実践投入されたラリーカー含めて2代目までのパジェロを展示。加えて元祖4WDともいえる三菱ジープBJ型の姿も。いかに鈍感な筆者でもこの展示には何かあると想像できる。すると三菱自動車は、なんと新型クロスカントリーSUVの発売を発表したのだ!! さすがにコレだけパジェロが並んでいるのだから、おそらくパジェロの復活、次期型パジェロと思って間違いはあるまいて。

そしてもう1ブースはホンダ。2025年のジャパンモビリティショーで発表されていた小型EV、スーパーワン。同車はN-ONE e:をベースにホットモデルに仕上げた小気味いい走りを売りにするモデル。そして会場には昭和のオトーサンに刺さるコンセプトモデルの姿が。それはブルドッグスタイル! ホンダアクセスがカスタマイズした同車、使ったパーツは純正用品というから、いずれは発売されるはず。隣に置かれた往年のシティターボ2の雰囲気そのままでやっぱりこうでなくては、と頷いてしまう。

なおシティターボ2は1.2リッタークラス初のインタークーラー付きターボエンジンを搭載し、当時としては110PSと、クラスを完全に超えた出力を誇る名車。派生モデルのカブリオレはピニンファリーナが手がけ、Bピラーにはそのエンブレムも入る。オートモビルカウンシルのメーンテーマに沿うあたりも奥ゆかしい。

3日間だけの自動車博物館、クルマ好きだけがテンション上げ上げにならない工夫は既知の通り。ファッション、雑貨、グルメなどなどもあり、さほどクルマに興味がなくても素敵な時間を過ごせるのだ。

オートモビルカウンシル

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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