新世代インターナショナルファイター、F-35とは?
Part 3「採用国(軍)の配備状況」

新世代インターナショナルファイター、F-35とは? Part 3「採用国(軍)の配備状況」

 F-35は2021年初めの時点でアメリカ空軍、アメリカ海軍、アメリカ海兵隊、イギリス空軍、イタリア空軍、オランダ空軍、ノルウェー空軍、オーストラリア空軍、イスラエル空軍、韓国空軍、そして航空自衛隊で装備が進められ、部隊編成が行われている。そのうちアメリカの3軍、イギリス空軍、イタリア空軍、オーストラリア空軍、イスラエル空軍では、装備飛行隊を限定的ではあっても作戦戦力に組み込むこと認める、初度作戦能力(IOC)認定を出しており、イスラエル空軍とアメリカ海兵隊は実戦投入も行っている。日本にはIOCの概念はなく、航空自衛隊の戦闘機では「対領空侵犯措置」任務を開始する運用態勢(OR)認定がそれに相当する。航空自衛隊はすでに、三沢基地の第3航空団隷下に第301飛行隊と第302飛行隊にF-35Aを配備しているが、どちらもまだORにはなっていない。
 機体の配備が最も進んでいるのはアメリカ空軍で、訓練や試験の部隊を除く作戦部隊では2個航空団がF-35Aを装備している。加えて第二線部隊でも州兵航空隊への配備が行われている。

 アメリカ海兵隊は、最初の作戦部隊であるVMFA-121を2017年に日本の岩国海兵基地に配備し、これがアメリカのF-35飛行隊最初の海外への恒久配備となった。さらに2020年10月にはVMFA-242もF-35B装備部隊となって、岩国海兵基地には2個のF-35B飛行隊が配置されている。空軍のF-35A部隊での最初の海外配置は、イギリスのレイクンヒースとなることが決まっていて、2021年11月にF-35Aの第48戦闘航空団への配備が始められる計画だ。第48航空団指揮下の3個飛行隊すべてがF-35Aとなって機種更新を完了するのは、2023年末の予定。

 海軍では、VFA-147がF-35Cによる最初の実戦飛行隊となり、現在この飛行隊は空母カールビンソン配備の第2空母航空団に組み入れられている。またF-35Cは、必要に応じて海兵隊が艦上戦闘力を補佐できるようにするため、70機程度が海兵隊に引き渡されることになっていて、海兵隊最初のF-35C飛行隊であるVMFA-314が編成を終えて、2020年12月にIOC認定を得ている。この部隊の所属空母航空団は、空母エイブラハム・リンカーンに配置される、第9空母航空団になる予定である。
 F-35の製造は、大小様々なコンポーネントが、アメリカと開発パートナー各国の企業で製造され、それをロッキード・マーチンのテキサス州フォートワース工場で最終組立と完成検査(FACO)を実施して、各オペレーターに引き渡している。ただ日本とイタリアは別で、日本は三菱重工業の小牧工場で、イタリアはレオナルドのカメリ工場で、自国向けの機体のFACOを行っている。ただ日本はF-35Aのみで、F-35BについてはFACOを行わず完成機を輸入する。イタリアはF-35AとBの双方のFACOを行っていて、さらにオランダ向けの一部のF-35AもレオナルドでFACOを実施する。
 
写真/D.O.D

青木謙知(Yoshitomo Aoki)
  • 1954年12月 北海道札幌市生まれ 1977年3月に立教大学社会学部を卒業し、同年4月に航空雑誌出版社『航空ジャーナル社』編集部に編集者/記者として入社。1984年1月に月刊航空ジャーナルの編集長に就任。1988年6月にフリーの航空・軍事ジャーナリストとなる。テレビの報道および情報番組に出演して航空・軍事関係の解説を行なうほか、国内の航空専門誌、軍事専門誌を中心に執筆活動を行なっている。加えて一般メディアでは新聞、週刊誌、通信社などに航空・軍事問題に関するコメントを寄せるなどしている。