「日本ワインコンクール2026」表彰式。山梨県で行われたテイスティング会で、醸造家が丹精込めて仕上げたワインを試飲してきた。

日本ワインコンクールは「日本ワインコンクール実行委員会」が主催する公式コンクールであり、その実行委員会の構成団体の一つとして山梨県(県庁)が参画している、国内最大規模のワインコンクールだ。国産ぶどうを100%使用して国内で製造された「日本ワイン」の品質向上と認知度向上を目指し、2003年から毎年開催されている。

今年のコンクールには、35都道府県からの出品は過去最高で、全国158ワイナリーから886点が集まった。受賞ワイナリーの醸造家たちは、晴れやかな面持ちで賞状を掲げ、会場には全国から集った造り手の情熱が満ちていた。(会場:山梨県庁正庁)

日本ワインコンクール審査・選考基準

厳しい審査基準
国内外の専門家(醸造家、ソムリエ、ワインジャーナリストなど)がセミブラインド審査で官能審査。

厳格なカテゴリー分け
「甲州」「マスカット・ベーリーA」といった日本固有品種から、「メルロー」「シャルドネ」などの欧州系品種、スパークリングワインまで部門ごとに評価。

受賞評価
成績に応じて金賞・銀賞・銅賞・グランドゴールド賞・コストパフォーマンス賞が与えられ、各部門の最高得点には部門賞が贈られる。

ショップやレストランでワインを選ぶ際、ボトルにこのコンクールの受賞シール(GG賞・金賞など)が貼られているものは、クオリティの指標として非常に信頼できるワインになる。

醸造技術が魅せた真価

シャトー・メルシャン
グランドゴールド賞や複数の金賞を同時獲得するシャトー・メルシャン。甲州やメルローを中心に、一貫した最高クオリティを誇る。今回、「盛田甲州ワイナリー」が悲願のグランドゴールド賞獲得。

日本固有の代表品種である「甲州」が、ついに最高賞であるグランドゴールド賞の栄誉に輝いた。これまで海外品種に押されがちだった日本ワインの原点が、醸造技術の飛躍的進化と栽培農家の血の滲むような努力によって評価を勝ち取った。

※日本固有の白ブドウ品種で、主に山梨県を中心に栽培される、日本ワインを語るうえで欠かせない代表的な品種

テイスティング

①サントリーフロムファーム 信州富士見町産 甲州 ブリュット 2023
スパークリング/金賞/サントリー登美の丘ワイナリー/甲州100%
テイスティング:和柑橘の香りが涼やかに立ち、ライムやかぼすのニュアンスが広がる。洋梨の柔らかな果実味とシャープな酸が調和している。

②ヴィラクアイエローNV
スパークリング/金賞・部門最高賞/NV 広島三次ワイナリー/シャルドネ100%
テイスティング:白い花と青リンゴ、レモンの爽やかな香るスパークリングワイン

③シャンモリ 柑橘香・勝沼甲州 2025
甲州/グランドゴールド賞/盛田甲州ワイナリー/甲州100%
テイスティング:甲州らしいミネラルが骨格をつくり、余韻には微かなスパイス感が残る端正な辛口。

④葡萄作りの匠北島秀樹ケルナー 2021
欧州系白/グランドゴールド賞/北海道ワイン/ケルナー100%
テイスティング:ケルナー特有の涼感ある酸が輪郭を整え、ハーブの余韻が静かに続く端正なワイン。

⑤久住シャルドネCatwalk 2024
欧州系白/金賞/久住ワイナリー/シャルドネ100%
テイスティング:白桃やアプリコット、蜂蜜、ナッツの豊かな香りが重なり、樽由来のバニラが柔らかく包む。ふくよかな果実味が楽しめる

①甲州黄金色 2025
オレンジ/金賞・部門最高賞/ドメーヌQ/甲州100%
テイスティング:和柑橘と白い花の香りが立ち、甲州らしい旨味とミネラルが芯をつくる。柔らかな果実味にほのかな渋味が寄り添い、余韻は静かに長く続く端正な辛口

②井筒ワイン マスカット・ベリーA 2025
国内改良赤/金賞・部門最高賞/井筒ワイン/マスカット・ベーリーA100%
テイスティング:完熟いちごや赤い花の香りが濃密に立ち、遅摘み由来の厚い果実味が口中を満たす。しなやかな酸と穏やかなタンニンが調和するおいしさ。

③安心院ワイン極果プティ・ヴェルド 2024
欧州系赤/金賞/三和酒類 安心院葡萄酒工房/プティ・ヴェルド100%
テイスティング:黒スグリやカシスの濃密な香りに、杉や黒胡椒のニュアンスが重なる。安心院らしい端正な酸が骨格をつくり、深い果実味と細かなタンニンが調和

④シャトー メルシャン片丘 2023
欧州系赤/グランドゴールド賞/メルシャン梗ヶ原ワイナリー/メルロー90%、カベルネ・フラン10%
テイスティング:カベルネ・フラン由来の華やかさが重なる。しなやかな酸が骨格を支え、スパイスと黒果実の厚みが調和するワイン

⑤シャトー メルシャン 桔梗ヶ原メルローシグネチャー2021
欧州系赤/グランドゴールド賞/メルシャン梗ヶ原ワイナリー/メルロー100%
テイスティング:タンニンと柔らかな酸が骨格を支え、凝縮した果実味が楽しめる。

「シャンモリ 柑橘香·勝沼甲州2025」とペアリング

「シャンモリ 柑橘香·勝沼甲州2025」は、発酵由来の繊細さに、鮮やかな柑橘香と伸びのある酸が重なる端正な白。これに合わせる一皿として、和食材のスモークトラウトをイタリア風カルパッチョに仕立てた。魚の旨味と繊細な質感は甲州のミネラルとよく響き、レモンの香りと酸がワインの柑橘香と自然に調和する。さらに、オリーブオイルのまろやかさとディルの爽快な香りが、ワインに潜むハーブニュアンスと重なり、口中で広がるキレと酸味、そしてサーモンの濃厚さが、確かなペアリングとして立ち上がる。

盛田甲州ワイナリー
工場長
井上 公昭さん

価格設定を含め、最終消費者の視点を軸にしたワイン造りを進めます。「品質だけでなく、また飲みたい。日常の食卓で自然に選ばれる一杯」を目指していきます。

世界のトップレベルへ。日本のテロワールが描く未来は。
会場内で交わされた醸造家同士の言葉には、ライバルでありながら共に「日本ワイン」の未来を創造する同志としての絆が強く感じられた。世界的にも評価が急上昇している日本ワインだが、今回の表彰式は単なる受賞の場にとどまらず、日本のテロワールが世界のトップレベルへ確実に歩みを進めていることを強烈に印象付ける一日だった。2027年の「日本ワインコンクール」が楽しみだ!

日本ワインコンクール

ねこやま大吉(N.Daikichi)
  • 昭和‐平成‐令和とグルメからファッション、ペット(猫専門)まで幅広いジャンルの情報誌を手掛ける。現在は、執筆の傍ら全国地域活性化事業の一環で、観光・地方に眠るお宝(ギアもの)ご当地グルメを全国旅取材する日々。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。自宅は猫様の快適部屋を目指し、日々こつこつ猫部屋を造作中!!

関連記事一覧