ペトロルヘッドにして、昭和のF1メカニック、哲爺こと、津川哲夫さん。今回はクルマを剛体化し、理想の走りを実現するというスプーン社製のオリジナルパーツ「リジカラ(RIGIDCOLLAR)」を検証します。
さて、このリジカラとは、いったいどんなパーツなんでしょうか? まず、下の写真をご覧ください。

リジカラはアルミ調質材の特殊形状の小さなパーツです。さまざまな形状がありますが、これは車種ごとに専用設計されいるためで、約1,000車種以上に装着が可能なんだとか。
では、この一見単純極まりないパーツが、どのようにクルマを剛体化するんでしょうか。
実は、リジカラは「ボディとサブフレームの締結部のボルト穴にある隙間の問題」に着目したパーツです。

太い専用ボルトで強く締結していても各ボルト穴には隙間があります。強く締結してもこの隙間が面ズレを生み、低級振動の発生源となって、ボディ単体の高剛性を完全に発揮することができません。



そこで、すべての締結ボルトを緩め、ボディとサブフレームの間にリジカラをひとつづずつ挟み込みします。この状態でボルトを締め込んでいくと、
①カラーのテーパー外周部はボディやサブフレームに押され変形しながら、徐々にボルト穴にある隙間を埋めていきます。
②カラー内側に設定した0.2mmのクリアランスは狭窄現象によりゼロになります。
さらにボルトを規定トルクで締め込むと、
③フランジ部分はボディとサブフレーム間で圧延されながら面ズレの隙間を埋めていきます。
このトリプル効果でクルマは剛体化し、本来持っているクルマの剛性が引き出されます。
その効果は、
●エンジン始動時の不快なプルプル感(揺動)が減ります。
●振動が軽減されアイドリング状態での静粛性が増します。
●直進安定性が向上しステアリングの修整舵が減ります。
●路面からの突き上げがドンからトンに緩和されます。
●滑らかな走行感とロール感が自然に。ドライブの疲労が軽減されます。
このリジカラを哲爺の愛車に実際に装着してみました。哲爺はいったいどんな結論を下すのか。ぜひ動画でご確認ください!

津川哲夫(Tetsuo Tsugawa)
1949年生まれ、東京都出身。1976年に日本初開催となった富士スピードウェイでのF1を観戦。そして、F1メカニックを志し、単身渡英。
1978年にはサーティーズのメカニックとなり、以後数々のチームを渡り歩いた。ベネトン在籍時代の1990年をもってF1メカニックを引退。日本人F1メカニックのパイオニアとして道を切り開いた。

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