なんとクローゼットが価格33万円⁉
パナソニックが「スマートクローゼット」を作ったワケ


スマートクローゼットのマーケティング担当、パナソニックの山下恵さん

パナソニックが8月1日に発売する新製品「スマートクローゼット」が話題です。なぜ作ったの? パナソニックがクローゼット作るなんて意外すぎ⁉ 編集部は体験セミナーにおもむき取材をしましたので早速ご報告します。

新製品の商品名は「スマートクローゼット(製品型番HCC-R600A)」。昭和っぽく言えば衣装掛けですね。~家電のパナソニック~というイメージからするとちょっと意外なプロダクトですが、さて、どうしたワケで誕生したのでしょうか。

「新型ウイルスによる新しい生活を背景に、清潔意識が高まってきました。また、大量生産・大量消費から、お気に入りを大切に使うといったモノに対するスタンスの変化もみられます。そこで提案型商品としてスマートクローゼットを開発・発売するにいたりました」と、本製品のマーケティングを担当する山下恵さん

新しい生活でひろまった清潔意識は、今後これがスタンダードになっていくはずです。またモノにこだわるモノマガ読者なら~お気に入りを大切に使う・着る~という気持ちはとても理解できるところでしょう。

開発のスタートは約5年前。結構な時間をかけたことがわかります。でもこのスマートクローゼット、パナソニック的には意外でも何でもないというのです。

「パナソニックでは衣類ケア商品を豊富にラインナップしており、その代表が洗濯機やスチームアイロンです。実はスマートクローゼットは、この衣類ケア商品のコア技術を応用して生み出されたものなのです」(山下さん)

なるほど! スマートクローゼットの運転コースは3ツ。「nanoeX」「シワのばし」「乾燥」ですが、シワのばしはスチームアイロンの、乾燥はドラム式洗濯乾燥機の、そしてnanoeXはエアコンや空清機でおなじみの技術ですよね!

扉を開くと電源が入り、操作用のタッチパネルが浮かび上がります
使用できる衣類は3着まで。押し込めばもっと掛けられますが、空気が均一にいきわたらないため、無理はやめておきましょう(笑)
ハンガーに掛けられないような製品はラックを活用しましょう。帽子やヌイグルミなどですね。

本体ドアはミラー仕様で部屋を写しこむことによって、その存在を消します。操作はドア部のタッチパネル式。衣類は3着まで使用でき、型崩れが気になるモノは棚に、またオプションの「パンツプレス」を使えばセンタープレスのケアもお任せできます。玄関、リビング、寝室など設置場所を選ぶことがないよう、動作音も極限まで静かにしているのも特長です。

庫内底部には着脱式フィルターを設置
庫内下部には給水タンクと排水タンクを収納。したがって水道工事はいらず、電源さえあればどこでも運転ができます
可動式ルーバー。衣類に均一に風を当て乾燥効果を向上させています

毎日着るスーツや学校の制服、デリケート素材の衣類、帽子やぬいぐるみ、ダウンジャケットなど型くずれが気になるモノなどが特におすすめ。ただちょっと残念なことに、モノマガ読者もきっと多く所有しているだろう、レザージャケットなど革製品には使用できません。

さて気になる価格ですが、オープン設定ながら33万円前後とのこと。

「価格も張りますので、まずはアーリーアダプターの方々にお使いいただき、今後はさまざまな声を反映して、より手頃なモデルなどシリーズの水平展開をしていきたいと考えています。ぜひ応援をよろしくお願いいたします!」と山下さん。

ちょっと「寿司ざんまい」のようなポーズになってしまった山下さん。このポーズの意図するところは「スマートクローゼットは右開き、左開き共にラインナップしています」ということです

かつて松下幸之助氏はアメリカ視察で目にした食洗機に感銘を受け、これは日本でも必ず普及する! と察し、事業化にまい進したと言います。

スマートクローゼットがたとえば、新築住宅、新築マンションに当然のようにビルトインされるようになれば「クローゼットとはこういう機能製品」となるでしょう。パナソニックの新しい挑戦、【スマートクローゼット】の今後に編集部も注目していきたいと思います。

インテリアのトレンドでもあるダーク基調に親和するよう、本体色はグレーフィニッシュとされました

パナソニック/スマートクローゼット
価格オープン(実勢33万円前後)

公式ホームページはこちら




  • モノ・マガジン&モノ・マガジンWEB編集長。 1970年生まれ。日本おもちゃ大賞審査員。バイク遍歴とかオーディオ遍歴とか書いてくと大変なことになるので割愛。昭和の団地好き。好きなバンドはイエローマジックオーケストラとグラスバレー。好きな映画は『1999年の夏休み』。WEB同様、モノ・マガジン編集部が日々更新しているFacebook記事も、シェア、いいね!をお願いします。@monomagazine1982 でみつけてね!

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