【モノ・マガジンTV】
靴の工場見学
第4回:シブヤ製靴を訪ねる 完成編


こんにちは。今回はシブヤ製靴第3弾にして、ついに「TOSS」が完成する「YouTube・モノマガジンTV 工場見学ツアー〜底付け・仕上げ編〜」です。WEBで解説や裏話など、読んでも楽しい「レザーソムリエ西牧のじっくり動画解説と裏話」。YouTube動画「シブヤ製靴を訪ねる 完成編」を解説していきたいと思います。

いよいよ底付けまできました。底付けの機械は空気圧で底と本体を押し付けて圧着します。ノリの効果を高めるために温めてから貼るのですが、温度調整や圧着時間などは機械の設定で均一にできます。でも最初は手で貼るわけなんで、ここでも人の手は使われています。

TOSSは靴のサイドをぐるりと一周ミシンで縫います。こうすることでさらに剥がれない仕様と、ソールがいたんだときに交換することができます。スニーカーでオールソル(底全てを交換)する靴は意外とないので、TOSSでは長くお気に入りの靴を修理して履くことが可能なのです!! 靴の中までアームが入る特殊なミシンで縫っていきます。これは見てると簡単そうですが、僕もやってみましたが難しい!!

いよいよ仕上げに突入です。その前に番外編ですが、靴には仕上げといっても、いろいろあります。画像は吹きつけです。ビジネスシューズなど光沢を出す靴に仕上げ材を吹きつけます。生産量が多い時によく使います。

大分完成に近づいてきました。紐通しです。この作業、実は結構めんどくさい(笑)んです。ベテランの職人さんでも時間がかかります。でも箱を開けた時にすぐ履けるように、おもてなしの精神ですね。

完成しました。これだけの工程を重ね合わせ、たくさんの人が作り出した一足です。こういった側面から見ると味わい深いものですよね。作りだけでなくデザインにもこだわったTOSS。かっこいい!!

番外編ですが、ラスト(木型)置き場を拝見することができました。動画内でも話していますが、ラストは靴メーカーの財産です。価格というよりは、その形自体がオリジナルなので、門外不出なラストもあります。吉田社長はラストを見ただけで、あの靴、この靴と全てわかってしまいます。それだけラストの重要さが伝わってきます。

今回は丸一日、シブヤ製靴さんにお世話になりました。最後はなんとモノ・ショップでの受注販売も決まり、吉田社長には感謝です!!


機械的につくられている訳ではないことが今回の工場見学でわかりました。価格の高い、安いもある靴ですが、どの靴も多くの人が関わって出来上がっていきます。みなさん大事に靴を履きましょう!!
いかがでしたでしょうか? シブヤ製靴さんありがとうございました。吉田社長が、自分が話してる所が少ない!!(笑)と申しておりましたので、どこかでリベンジしてほしいと思います。


このWEBマガジンでは、工場見学ツアーなど動画配信したものをレザーソムリエ西牧が記事にしてお送りしています。裏話など動画では配信できない情報も提供していきたいと思います。ではまた読んでくださいね!!

mono shopで販売中「TOSS」

西牧正晴(masaharu nishimaki)

1977年生まれのバリバリの氷河期世代。19歳から靴屋のバイトを初めて、そのまま靴、革にどっぷりハマる。靴メーカーやベルトメーカー、靴の組合など、とにかく革がある場所で革の知識だけでなく、売り方やマーケティングを学ぶ。レザークラフトの作家としても活動中。

現在はフリーランスで革、靴、バッグのライター・フォトグラファー、皮革アドバイザーなどをして、日々革について精進中。

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