お酒博士・橋口孝司の酒千夜Vol.12
お酒のトリビア04:ワインの5分類、知ってますか?


★今回おすすめのお酒
簡単!ワインカクテル

今回は、本文中でワインの5分類ごとにおすすめの飲み方として、簡単にできるカクテルをご紹介しています。ぜひご自宅でもためしてみてください!

■ワインの5つの分類知ってますか?

そもそもワインとは何か?という事からおさえておきましょう。

ワインとは「ブドウを中心とした果実などを原料とした醸造酒」です。
※「醸造酒」とは何か?についてはこちらの記事をご覧ください。→「こちら

長い歴史のあるワインは世界中で愉しまれています。現在、ワインは世界中のアルコール業界では約20%を占めているといわれています。ワインが誕生したヨーロッパが生産・消費の中心ですが最大の消費国はアメリカです。

そんな「ワイン」には原料と造り方によって5つの分類があるのをご存じでしょうか?

一般的に「ワイン」というと、赤ワイン・白ワイン・ロゼワインという商品をイメージする方が多いと思います。これらのワインは「スティルワイン(非発泡性ワイン)」という分類に属し、歴史が1番古くもっとも一般的なワインです。また最近では“泡”と呼ばれる「スパークリングワイン」、その中でも「シャンパン」はよく知られています。

その他にも、今回ご紹介する「シェリー」や「ポート」「ベルモット」など、耳にすることはあるお酒だと思います。これらも実は「ワイン」に分類される事をご存じでしょうか。

お酒全体を3つに分類(醸造酒、蒸溜酒、混成酒)して考えると分かりやすいように、ワインについても体系的に分類を理解しておくと、教養が深まりワインの愉しみ方が広がると思います。
※「お酒の3つの分類」についてはこちら

■①スティルワイン(非発泡性ワイン)

<主なスティルワイン>
・赤ワイン
・白ワイン
・ロゼワイン

最も一般的なワインが、この「スティルワイン」です。 「ワインの歴史」でもご紹介した通り、自然発生的に出来るワインは、人類との関わりの歴史がとても長いお酒です。

炭酸ガスを含む「スパークリングワイン」に対して、“じっとしている”(still)という意味でこの名前がついています。

赤ワイン、白ワイン、ロゼワインについて、簡単にご説明します。

ぶどうの種類の違いと思われがちですが、実は造り方の違いによって色や味の違いが表れています。

『白ワイン』は、ブドウの果汁を搾ってから発酵させますが、『赤ワイン』はブドウの皮と種も一緒に発酵させるため皮の色素によって色が赤くなり、種の成分(タンニン)によって独特の渋味が生まれます。

『ロゼワイン』にはいくつかの造り方がありますが、もっとも一般的なのは赤ワインと同様の方法で造り、途中で皮と種を取り除く、という方法です。

実は、『赤ワイン』と『ロゼワイン』の境界線については、明確なルールはありません。そのためロゼワインよりも淡い色をした赤ワインも存在します。

<簡単!スティルワインのカクテル>
●白ワイン+炭酸水
→アルコール度数も低く、喉ごしも爽やかなカクテル「ワインスピリッツアー」に!

●赤ワイン+レモネード
→市販のレモネードを使えば、手軽に「アメリカンレモネード」のできあがり!

スティルワイン:写真左から(商品詳細はこちら

・シャトー・サン・ドミニク・ピュイスガン・サンテミリオン(赤ワイン/フランス)
・ブレッド&バター シャルドネ(白ワイン/アメリカ)
・ミラヴァル・ロゼ2020(ロゼワイン/フランス)

■②スパークリングワイン(発泡性ワイン)

<主なスパークリングワイン>
・シャンパン(フランス)
・カヴァ(スペイン)
・スプマンテ(イタリア)
・ゼクト(ドイツ)

泡を含んだ発泡性のワインです。国によって様々な呼び名があります。

日本で最も有名なのはフランスの「シャンパン」でしょう。「シャンパン」は、フランスのシャンパーニュ地方(ランス)で造られたスパークリングワインのみが名乗ることができる名称です。

スパークリングワインの歴史は、17世紀頃シャンパーニュ地方の修道士だったドン・ペリニヨン氏によって始まったといわれています。

スパークリングワインの一般的な造り方は、まずスティルワインを造り(一次発酵)、出来たワインに糖分と酵母を加えてもう一度発酵(二次発酵)させることで、泡を発生させます。

スパークリングワインのラベルには「Brut」や「Semi Seco」などの甘さをあらわす表記があります。実はスパークリングワインは、二次発酵が終わった時点では全て辛口です。最後の工程で甘み(リキュール)をどれだけ加えるかによって出来上がる商品の甘さが異なるのです。

<簡単!スパークリングワインのカクテル>
●スパークリングワイン+オレンジジュース 

→簡単で美味しい定番カクテル「ミモザ」。オレンジを搾ってフレッシュジュースを使えば本格的に!

各国のスパークリングワイン:写真左から(商品詳細はこちら

・ポル・ロジェ ブリュット・レゼルヴN(シャンパン/フランス)
・ディボン・カヴァ・ブリュット・リザーブ(カヴァ/スペイン)
・バローネ・ピッツィーニ フランチャコルタ・ナトゥーレ(スプマンテ/イタリア)

■③フォーティファイドワイン(酒精強化ワイン)

<主なフォーティファイドワイン>
・シェリー(フランス)
・ポートワイン(ポルトガル)
・マディラワイン(ポルトガル)
・マルサラワイン(イタリア)
・ヴァン・ド・リクール(ピノ・デ・シャラント/フランス)

フォーティファイドワインとは、醸造工程中にアルコールを添加することでアルコール分を高め、保存性を高めたワインのことです。

その昔、大航海時代の長い航海では腐敗してしまうワインに代わって、長期間保存することができる新しいお酒として広まったといわれています。

アルコール度数が高くなると糖の分解が止まり、通常のワインより糖分が残った状態になるため、フォーティファイドワインには甘口の商品が多いですが、甘口から辛口まで多様な商品があります。

世界各国で様々なスタイルで造られており、シェリー、ポート、マディラ、マルサラが「世界四大フォーティファイドワイン」と呼ばれています。それぞれのフォーティファイドワインには更に細かい種類があります。例えばシェリーには辛口のマンサニージャやフィノ、琥珀色のアモンティリャードやオロロソ、極甘口のペドロ・ヒメネスやモスカテルなどのタイプがあります。

フォーティファイドワインは保存性の高さが大きな特徴です。シェリーやポートのスタンダードクラスは開栓前なら3年程度、プレミアクラスのものなら数十年の保存が可能といわれています。

フォーティファイドワインは様々なタイプがあるので、辛口を食前に、甘口を食後に、カクテルの材料として、と色々なシーンでの愉しみ方があります。

これらのフォーティファイドワインを熟成した樽は、ウイスキーを熟成するための樽としても、最近注目が高まっています。ウイスキーの熟成にこれらの樽を使うことでフォーティファイドワイン独特の甘さなどを加えることができます。特にシェリー樽は、マッカランをはじめ多くのウイスキーの熟成で使用されています。

<簡単!シェリーのカクテル>
●ドライシェリー+炭酸水+クラッシュアイス

→暑い季節におすすめの飲み方です。シェリーで造るハイボールのようなカクテルで「レブヒート」といいます。お好みの炭酸飲料でアレンジしてみて!

バリエーション豊かなフォーティファイドワイン:写真左から(商品詳細はこちら

・ラ・ヒターナ(シェリーマンサニージャ/スペイン)
・テイラー10年(ポートワイン/ポルトガル)
・ブアル10年(マディラワイン/ポルトガル・マディラ島)
・マルサラ スーペリオーレ ガリバルディ ドルチェ(マルサラワイン/イタリア)
・レミ・ランディエ(ピノ・デ・シャラント/フランス)

■④フレーバードワイン(アロマタイズド・香味付けワイン)

<主なフレーバードワイン>
・ベルモット
・アペリティフ・ワイン
・サングリア
・グリューワイン

フレーバードワインとは、ワインにハーブ(薬草・香草)や、スパイス、果物、果汁、蒸溜酒などで香り付けをしたワインの総称です。別名として「アロマタイズドワイン」「香味付けワイン」とも呼ばれます。

フレーバードワインは世界各国で多種多様な材料と方法で造られています。

その中でも有名なのはイタリアやフランスで造られている「ベルモット」でしょう。白ワインをベースにニガヨモギなど多くの香草・薬草などを加えています。もともとは薬酒として造られていたものです。糖分を加えた甘口のスイート・ベルモットと、糖分を加えていないドライ・ベルモットがあります。

カクテルにも使われ、ドライ・ベルモットは、「マティーニ」、スイート・ベルモット「マンハッタン」の材料として特に有名です。スペインでは、シェリーをベースにハーブやスパイス、赤ワインをブレンドしたロゼタイプのヴェルモットもあります。

<簡単!ベルモットのカクテル>
●ドライベルモット+レモンの皮

→オンザロックスグラスに大きめの氷、冷やしたドライベルモットを入れ、レモンの皮を少し絞ると爽やかに愉しめるドリンクに!

フレーバードワイン:写真左から(商品詳細はこちら

・マンチーノ・ロッソ(ベルモット赤/イタリア)
・キングストンブラック アップルアペリティフ(ポモ/イギリス)

■⑤その他(フルーツワイン)

<主なフルーツワイン>
・シードル
・ミード
・グリューワイン

ワインといえば原料はブドウですが、ブドウ以外の原料を使って造ったワインもあります。それらを総称してフルーツワインと呼びます。フルーツワインの中で、有名なフルーツワインは、リンゴから造る「シードル」、蜂蜜から造る「ミード」などです。

ワインは、発酵させることができる植物であればどんな原料からも造ることができます。その中でもイチゴやモモ、リンゴは糖分が多いのでワイン造りには適しています。

アルコール度数は低く、一般的に5~6%の商品が多いです。

日本でも、さくらんぼ「佐藤錦」のワインや、リンゴ「紅玉」のシードルなど、全国各地のフルーツを使ったフルーツワインが造られています。

自分の好きなフルーツから造ったワインを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。

<簡単!シードルのカクテル>
●ウイスキー+シードル

→お好みのウイスキーをシードルで割ると、りんごの香りのするワンランク上のハイボール「ストーン・フェンス」に!

様々なフルーツワイン:写真左から(商品詳細はこちら

・ワイン&コマース エアドベア・ワイン(イチゴのワイン/オーストリア)
・エルー グランド・キュヴェ・エクストラ・ブリュット(シードル/フランス・ノルマンディ)
・パスファインダー(ミード/フランス)

撮影協力:目白 田中屋
ブランド選定:組獄寬一朗

  • 株式会社ホスピタリティバンク代表取締役 ホテルバーテンダーから料飲支配人、新規ホテル開業準備室長、運営などをてがけ26年間ホテルに勤務。2008年より株式会社ホスピタリティバンク代表取締役に就任。バー開業コンサルティングなどを手がけ酒類関連団体の顧問、理事を歴任し国内外で講演、セミナーを行っている。ウイスキーバープロデュース・運営(2017-2019)を行う。 シャンパーニュ騎士団「シュバリエ」、ベルギービールプロフェッサー、日本伝統濁酒学博士などの称号を持つ。 2015年からは「橋口孝司 燻製料理とお酒の教室」にてセミナーの開催や、ウイスキーを愉しむイベント「ザ・シークレットバー」も銀座と西麻布にて定期的に開催している。 「ディスティラリーパッケージ1992」を皮切りに、「ウイスキーの教科書」「カクテル&スピリッツの教科書」「本格焼酎名酒事典」「ビジネスエリートが身につける教養 ウイスキーの愉しみ方」などを執筆、「世界のウイスキー図鑑」「世界のベストウイスキー」「ハリウッドカクテル日本語版」などを監修。ウイスキー、カクテル、スピリッツを中心に酒類に関する執筆・監修は26冊以上。 Webでは、「たべぷろ」にて執筆(https://tabepro.jp/author/hashiguchi) 「江崎グリコ お酒の話」を監修(https://jp.glico.com/osake/index.html)
  • https://www.hospitality-bank.com/