全国の人気パンのお取り寄せ「ぱん結び」とは?
~冷凍パン・後編~

2022.04.27

全国のベーカリーのパンのセットを取り寄せできる。

パンを冷凍することで、新たな可能性が出てきたのはお取り寄せ市場。パン=焼き立てだと思われていましたが、冷凍技術が発達し、冷凍することでパンの美味しさをキープできるようになり、全国の美味しいパンをどこにいても手に入れることができるようになりました。そんな中、昨年オープンしたのが、全国のベーカリーとパン好きの消費者をつなぐモール型ECサイト「ぱん結び」です。

カネカ食品(株) 販売促進統括部 EC推進室 村上絢香さん

「ぱん結び」を運営するのはカネカ食品株式会社(以下、カネカ食品)。きっかけは新型コロナウイルス感染拡大だったそう。「ベーカリーショップでは、営業時間の短縮や来店者数の減少、イベント出店の見込みのなくなり、販売機会が減っていきました。一方で、パンが好きな消費者も外出の機会が減ったり、買い物の回数を減らすことで、お気に入りのベーカリーへ行く機会が少なくなっているという現状がありました。そこで誕生したのが『パン結び』です」(カネカ食品株式会社 販売促進統括部 EC推進室 村上絢香さん)

「パン好きシリーズ」には、牛乳、カフェオレ、ミルクティーがあります。

カネカ食品は、製菓・製パン向け原材料の販売から店舗開業支援まで、幅広くベーカリーをサポートする業務を行っています。そして、最近ではTVCMでも見ることのある「パン好きの牛乳」もカネカ食品の商品。ベルギーの「PUR NATUR(ピュアナチュール)社」との技術提携により誕生した商品で、名前の通り“好きなパンをさらにおいしく”がキャッチフレーズ。北海道の生乳を使用し、「ピュアナチュール製法」で後味すっきりに仕上げ、まさにパンの美味しさを邪魔しない、パンに合う牛乳です。「パンの美味しさを引き立てる『パン好きの牛乳®』などの乳製品事業の展開を通じて、ベーカリー市場の活性化に取り組んできました。今度は『ぱん結び』を通じて、ベーカリーにも、消費者にも喜んでもらえるような市場を広げていきたいと考えています」(村上さん)。

全国のベーカリーのパンが集まった「ぱん結び」のサイト。

「ぱん結び」は、全国各地のベーカリーから直接パンをお取り寄せできるサイト。2022年4月現在、加入店舗数は30店。これまでもベーカリー各店で通信販売などを行っている店舗はありました。しかし、設備が不十分だったり、ノウハウがわからず、「いつかはやりたい」と思いつつも実現できていなかったケースも多かったといいます。しかし、「コロナ禍で“やるなら今”、“本格的に動く時”という思いを持つ店舗が増えてきました」(村上さん)。そこで、消費者の注文とベーカリーの製造、発送を繋げる仕組みをカネカ食品が提供することで、ベーカリーにとって簡単に通販を始められる、新たなサービスとして「ぱん結び」ができました。

各店舗がセレクトした自慢のパンが冷凍便で届く

これまで、地方の人気店のパンを食べようと思ったら、現地に足を運んで、並んで購入するのが普通でした。わざわざお目当てのベーカリーに行っても、人気店の場合は並ばないと入れなかったり、売り切れになっていたり、あるいは食べる量を考えたら、たくさんは購入できないといったこともあります。ここがパン好きにはつらいところ。旅行で訪れた場合は並ぶ時間が長くなるのは、他の予定にも響く、売り切れ商品があればがっかり度は増す、あれこれ食べたいけど、食べられる量には限りがあるので、結局気になっているものを制覇するのは難しい……。そして、それ以上になかなか地方のベーカリーに足を運ぶことは難しいもの。コロナ禍ならなおさらです。

「ラ・タヴィラ・ディ・オーヴェルニュ」から届いたパン。

「ぱん結び」のよさは、1つの店舗だけでなく、一地域だけでなく、全国30店から選べること。個別の店舗からのお取り寄せではなく、モール型になっているのが特徴です。パンは店舗ごとにセレクトしたセットで、冷凍して美味しく食べられるものを選んでいます。また、ぱん結び限定セットを販売する店舗もあり、店舗で購入できるものとは違った商品を提供している店舗もあるそう。

東京・葛飾の「ラ・タヴィラ・ディ・オーヴェルニュ」。

今回、試したのは、東京・葛飾の「ラ・タヴィラ・ディ・オーヴェルニュ」。様々なベーカリーコンテストに参加し、日本屈指の受賞歴をもつオーナーシェフ・井上克哉氏のショップです。地元ではもちろん、パン好きにも名の知れた名店です。とはいえ、直接店舗に買いに行けるのは限られたエリアになってしまいます。地方の人はもちろん、同じ都内であってもエリアによってはなかなか足を延ばせないというケースも。そんなときに、冷凍パンをお取り寄せするという形で、人気店や気になっていたお店のパンが手に入るだけでなく、好きな時に好きなパンを好きな数食べられるという“自由”も手に入るのです。

「ぱん結び」のパンは、ベーカリーで焼き立てのパンをそのまま冷凍して届きます。食べる時は自然解凍がおすすめ。好みによって、自然解凍後にトースターで加熱してもいいそう。霧吹きで表面を濡らしてからトースターで加熱すると、より美味しく、焼き立てのように仕上がります。お弁当などに持って行くときやクリーム系のパンなどは自然解凍のみがおすすめ。「ぱん結び」とこの食べ方を知っていれば、地方の人気店のパンも、気になっていていたお店のパンも、自宅で美味しく楽しめるということ。

小麦の香りやパン生地の食感、具材の味わいなど、冷凍だから美味しさをキープ。

「冷凍」はパンを保存するための方法だけでなく、地域や時間を超えて好きなパンを楽しむための技術であり、ストックしていつでも好きな時に食べられるための方法でもあるのです。新たな選択肢が増え、パン好きが自分用に取り寄せるのはもちろん、ギフトで大切な人にお気に入りのパンを贈ることもできます。今回「ぱん結び」を利用して、新たな冷凍パンの可能性が広がっていると実感しました。

  • 好奇心旺で、食べることが大好き。新商品や限定品にめっぽう弱く、ジャンルを問わず常に情報を集めてはトライ。地方の食材や調味料も発掘も楽しんでいます。また、北欧、特にフィンランドが大好きで、現地の蚤の市などではヴィンテージハントにハマっています。サウナも好きで週1~2回のサ活中で、フィンランドでは念願のサウナから湖へのダイブを体験。日々、美味しいものを求めながら、北欧雑貨とムーミンに囲まれて暮らしています。