「うちの子、近視かも?」と思ったら……
知っておきたい子どもの眼鏡の選び方


個人的な話になるが、私には小学生の子どもがいる。授業でのパソコン使用に加え、家ではタブレットで動画を見たりゲームをしたり……。現代の子どもは、なんて目を酷使する機会の多いことか! 新学期に行われる視力検査の判定が気になっている親御さんも少なくないだろう。

では、もし子どもが近視で眼鏡を必要とした場合、どんなことに気を付けて眼鏡を選んだらよいのか。子ども眼鏡の専門店「アンファン」を展開するオグラ眼鏡店の舘田一幹さんに話を訊いた。

まずは眼科で検査を。その理由は?

——小学生以下の子どもが眼鏡を作る際は、まず眼科で処方箋をもらう必要があります。それはなぜなのでしょうか。

舘田 お子様の場合、大人以上に慎重に視力を測定する必要があるからです。子どもは目のピント調節力が大人より高いのですが、その調節機能をうまく使いこなせず、筋肉が凝り固まってしまう「調節緊張」が起こることがあります。そのため正確な視力や度数を測るためには、点眼薬を使って一度この緊張をほぐし、ニュートラルな状態に戻す必要があるんです。

また、そのほかに見えづらさの原因がないかしっかりと検査してもらうためにも、まずは眼科を受診したほうがいいですね。

——やはり子どもは、小児眼科へ行ったほうが良いのでしょうか。

舘田 小児眼科のほうが望ましくはありますが、それ以上に“通いやすさ”も大切です。眼科へは最初に処方箋を作るときだけでなく、眼鏡を作った後の視力の確認、その後の定期的な検査など、これから何度も足を運ぶことになります。眼科選びにこだわった結果遠方となり、受診が面倒になってしまっては本末転倒でしょう。

眼鏡店選びのポイントは?

アンファンオリジナルのジュニア向けフレーム「LOOKs」。眼鏡産地・鯖江で作られたオールチタン製で、軽やかな掛け心地が魅力。「LO-003」価格1万6500円

——処方箋ができたら、次は眼鏡店選びですね。とくに子どもの眼鏡を買うにあたり重視すべき点を教えてください。

舘田 そもそも子どもの眼鏡選びで重要なのは、お顔に合ったサイズのものを選ぶということです。そのため、サイズの選択肢が多いことがお店選びの重要なポイントとなります。もちろん、子どもの眼鏡についてのノウハウや技術があることも大切です。

——デザインの豊富さばかりに目がいきがちですが、サイズが合っていなければ、どれも選択肢にはならないわけですね。

舘田 そうですね。サイズについては後で詳しくお話しします。お店選びに話を戻すと、先ほどの眼科と同様に、通いやすい場所であることも条件のひとつです。定期的にお顔に合わせたフィッティングやメンテナンスが必要となりますし、子どもの場合フレームの破損や歪みなど急なトラブルなども付きものなので、すぐに相談に行ける場所のほうが良いでしょう。不具合がある状態で掛け続けてしまうと、掛け心地だけでなく見え方にも影響を及ぼします。

——定期的な調整というのは、どのくらいの頻度で行けば良いのでしょうか。

舘田 最初に、眼鏡を作って1か月ぐらいで調子を見ます。その後は、3か月に1回程度。あとは不具合があればその都度来ていただく感じですね。正しい位置で掛けていないときちんと視力が出ないので、眼科の定期受診前にも必ずお店で眼鏡の調子を見てもらったほうがよいでしょう。

フレーム選びで重視すべきは「サイズ」

LOOKsは表情に馴染みやすいシンプルなデザインも魅力。上から「LO-004」、「LO-005」、「LO-003」。すべて価格1万6500円。

——現在は様々な素材やデザインのキッズフレームがありますが、フレーム選びで重視すべきポイントを教えてください。

舘田 先ほどもお話ししましたが、もっとも重要なのはサイズです。当店では、まずお子さまの顔幅を測定器で測り、サイズの合うものから好みのデザインを選んでいきます。

【適切なサイズのチェックポイント】

・フロント(前枠)のサイズが顔幅に合っている

・鼻パッドがきちんと鼻梁にフィットするよう調節ができる

・テンプル(つる)の長さが長すぎないor短すぎない

・モダン(テンプルの先)が耳にしっかり掛かっている

フレームの横幅は、ちょうど顔幅に収まる程度のものを。黒目の位置はレンズの真ん中~少し上ぐらいにくるのがベター。

——「子どもはすぐ大きくなるから、少し大きめでもいいか……」という考えはNGですね。

舘田 はい。お顔のサイズに合ってないと正しい位置で掛けられず、処方通りの視力が出なかったり、見えづらさを感じてしまうことがあります。それに加え、掛け心地が悪いと眼鏡を掛けること自体嫌がってしまうこともあるため、サイズは重要です。

——とはいえ、お子さんに前向きな気持ちで掛けてもらうためには、お子さんが気に入るデザインであることも必要ですよね。

舘田 そうですね。そのため、アンファンのオリジナルフレームは、同じデザインで3サイズ展開しているものも多いんです。

——それは、嬉しい配慮ですね。

チャイルド、ジュニア、ティーンズ向けの3サイズを展開しているので、子どもの成長に合わせてピッタリなものが選べる。FaceFonts「アンファンオリジナルシリーズ」価格各2万5300円

子どもの眼鏡に適した素材は?

——素材については大きくわけてプラスチックとメタルがありますが、どちらが適しているなどありますか?

舘田 いずれの素材を選ぶ場合でも、チェックすべきは“調整幅”があるかということ。つまり、お子さまの顔に合わせた細やかな調整ができる設計になっているかということです。

というのも、成長段階にあるお子さんの頭の形は少しいびつなんです。いくつかに分かれた頭蓋骨が順に大きくなっていくため、片側だけ顔幅が広かったりする時期もあります。その場合、テンプルの幅の開き具合を左右で変えることで、きちんと真っすぐ掛けられるようにするなど、とても細かな調整を要します。ですから、必要な部分がきちんと曲げられるなど、そうした調整に対応できる作りであることが大切です。そこをクリアしていれば、メタルでもプラスチックでも好みのデザインを選んでもらって大丈夫です。

レンズと目の適正距離は約12㎜。近すぎても離れすぎても見えづらさの原因に。ズリ落ちないよう鼻パッドやテンプル、モダンが顔に合わせて微調整できるものを選ぶ。

——お店の方に技術があっても、そもそも眼鏡自体が調整に対応していなければフィッティングは難しいと。とはいえそれを親御さんが判断してフレームを選ぶのは難しいので、やはり専門的な知識のあるお店での購入が望ましいですね。

舘田 はい。わかりやすい例だと、グニャリと曲がるような柔らかな素材は、お子さまに向いていない場合があります。一見フィット感が良さそうなのですが、形状が安定しないため微調整ができないんです。また、掛け具合によってはレンズの入ったフロント(前枠)が反ってしまい、見え方にも影響を及ぼします。

——なるほど。必要な機能を満たしたなかで、お子さんが気に入るものを選んであげたいですね。

鼻パッドはクリングス(メタル製のアーム)付きのものを選ぶと、細やかな調整が可能に。

スペアは作ったほうがいい?

——子どもは眼鏡を無くしたり、壊したりすることが大人より多いと思います。スペアの眼鏡も購入したほうが良いですか?

舘田 もちろん、スペアがあれば安心です。ですが、最初から同時に2本購入するなど焦ることはありません。

——それはなぜですか?

舘田 処方箋の度数で問題ないか、一度眼科で確認してもらう必要があるからです。まずは1本作って眼科を受診し、この度数で大丈夫とお墨付きをもらったら、同じ度数でもう1本追加で作ると良いでしょう。

——なるほど、たしかにそうですね。今日はいろいろと勉強になりました。子どもが勉強やスポーツに集中できるよう、きちんと眼鏡を選んであげることが大切ですね。

舘田 はい。成長段階にある子どもだからこそ、眼鏡を適切に、そして楽しく掛けられる環境を作ってあげてほしいと思います。


こどもメガネアンファン 伊勢丹新宿店

【住所】東京都新宿区新宿3丁目14-1
    伊勢丹新宿本館6階 スクール子供雑貨
【電話】03-6380-0270
【営業時間】10:00~20:00
【定休日】なし


  • 眼鏡ライター。眼鏡専門誌『MODE OPTIQUE』をはじめ、モノ雑誌やWEB媒体にて眼鏡にまつわる記事やコラムを執筆している。TV、ラジオ等のメディアにも出演し、『マツコの知らない世界』では眼鏡の世界の案内人として登場。眼鏡の国際展示会「iOFT」で行われている「日本メガネ大賞」の審査委員も務める。
  • https://twitter.com/mireiton

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