ジープ80周年
クルマでも新境地
Jeep Renegade Trailhawk 4xe


 ジープ80周年を記念して主力モデルをご紹介する第一弾。80周年を数えるジープランドにあって最も先進性を持つモデル、レネゲード。同車はブランドのエントリーモデルに位置し、その門戸を大きく広げている。イメージリーダー、ラングラーに次いで販売台数を伸ばしていると聞けばその人気っぷりが分かるモノだ。でもフィアット500Xと基本は同じでしょ、と思うなかれ。確かにレネゲードはイタリアで作られるけれど、その雰囲気、乗り味はジープの濃い血統なのだ

 というわけで人生マンネリで立派な中高年になった(歳だけ重ねた)筆者が乗り出したのはトレイルホークの4xe。

ボンネットのマットブラックはトレイルホーク用で見た目のアクセントだけでなく防眩にも役立つ。

4xeはブランド初のPHVで、なんと政府のCEV補助金対象車! でもある。アメ車なのに。(注:ここで言う「アメ車なのに」は世間一般的なアメ車のイメージ、排気量がとにかく大きく必要以上にデカい、つまり燃費がイマイッチョでエコカーの補助金とは遠い存在ではないか、という筆者の偏見からきております。最近のモデルは一部を除いてかなり燃費が良くなっております。大変失礼しました)

 そのPHVは1.3リッターの直4ターボにスタータージェネレーター付きのマイルドハイブリッドと後輪用のモーターを組み合せたシステムを採用。ジープすなわち4WDイメージの定石通りだが、前輪と後輪はドライブシャフトでつながっていない4WDなのだ。つまりモーターのみで走る場合は後輪駆動になる。ちなみに4xeにはリミテッドとトレイルホークの2グレードが用意されるが、同じエンジンでも最高出力はリミテッドが131PS、トレイルホークは179PSとだいぶ違う。トルクは同じ270Nmで、前者と後者の車重差は約70kg。そしてこの価格差はわずかに5万円という悩ましい設定。

 さて。4WDでもモーター駆動ぢゃ、悪路とかジープらしさはあるのかよ、と右斜め45度から見ていた(編集部注:だからこじらせた中年は……)のだが、生粋のファンの皆様、どうかご安心を。トレイルホークのグレード名は伊達じゃない。まあ、トレイルホークというグレード名から忖度(そんたく)しろよ! とお叱りを受けそうだが、フェンダーにはトレイルレイテッドのバッジが輝くのだ!!

このバッジは分かりやすく例えると水戸黄門の印籠のような存在(編集部注:わかりません!)。ファンの皆様には釈迦に説法で恐縮だが、このバッヂを貰うにはそりゃあもう大変な苦労があるのだ。それはジープが自らに作り出した悪路走破性の5つ指針を数値化し、それをクリアしたモノだけに与えられる栄光のバッヂ。例えば渡河性能(モデルごとに数値が違うが、レネゲードは19インチ。ちなみにラングラーは24インチ)だったりトラクション性能だったりする。そのテストコースはもちろん、聖地ルビコントレイルだ。話のそれついでといってはナンだが、トレイルホークはオフロードサスが標準装備になっており、通常のモデルよりも若干車高が高い。最低地上高も同様でトレイルホークは210mmに。また車体下部をガードするスキッドプレートはフロントのサスやミッション、燃料タンクまで貼られている。だいぶ話がそれてしまったが、そんな具合に4xeは生粋のオフローダーでもあるのだ。従って完全シティ派SUVを見たら「軟弱者!」と思ってもいいカモしれないが、そこは紳士的に。

 今回の試乗では残念ながら未舗装路といっても平坦な道しか体験できなかったが、4WD選択モードはローレンジの4WD、4WDのロック(いわゆるデフロック)はもちろん、ヒルディセントコントロールは装備されているし(スポーツは4xe専用)、おそらく悪路での走行性能はジープの血統であることは間違いない。それにこれからのウィンタースポーツシーズンは頼もしい相棒になるはず。

 では街中から高速道はどうか。EVとしては満充電ならば約48km、最高速130km/hまで走行が可能。バッテリーがある間は極力EV走行をしようとする。そしてそれがなくなるとエンジン中心のいわゆるハイブリッド車に。ボディは1860kgもあるがEV走行ではやはりトルクフルで勢い良く加速するし、エンジンになっても270Nmのトルクが控えている。このトルクは峠道でも非常に頼もしかった。唯一のネック、というよりも買い手の注意点は充電方法だ。4xe、いわゆる高速のPAなどの急速充電には対応しておらず、交流200Vの普通充電のみ対応ということだ。バッテリーがなくなったからといってショッピングモールで充電、とはなかないかない。長距離を行くならば充電設備のあるところも調べておきたい。もちろん、バッテリーがなくなってもエンジンで走行できるので実際には困ることは少ないけれど、PHVの燃費の良さに重点を置くならば充電ポイントの下調べは必須だ。ちなみに満充電までは約4時間。専用のウォールボックスを設置してオプションの6kWケーブルを使えば約2時間になる。

コクピットはブラックで統一されるが、オレンジのアクセントが随所に配され、ああ、若い人(筆者も若い、ハズだけれど)には受けるだろうなあ、的な要素がある。ちなみに前席、トレイルホークは手動調整式だがリミテッドはパワーシートになっている。

 新しいモノ好きなみなさん! ジープのCF、Go anywhere,do anythingはPHVでも健在ですぜ!

 あ、ちなみにレネゲード自体は300万8000円からのプライスを掲げている。金太郎アメではないけれどどのモデルに乗ってもジープの世界観がありますよ!

ジープ レネゲードTrailhawk 4xe

全長×全幅×全高4255×1805×1725(mm)
エンジン1331cc直4ターボ
最高出力179PS/5750rpm
最大トルク270Nm/1850rpm
フロントモーター最高出力45PS
フロントモーター最大トルク53Nm/8000rpm
リアモーター最高出力128PS
リアモーター最大トルク250Nm/2000rpm
WLTCモード燃費16.0km/L
価格515万円〜

ジープ  https://www.jeep-japan.com/
問 ジープフリーコール 0120-712-812

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。