シティ派ジープの人気モデル、コンパスに試乗。それまでのチェロキーやグランドチェロキーよりもコンパクトにまとまったブランドのエントリーモデルとして2012年に初代がデビュー。現行モデルは2017年に発売された2代目で、2021年6月にマイナーチェンジが行われた。今やジープブランドのシティ派SUVの最右翼である。モデルはスポーツ、ロンジチュード、リミテッドの3グレードから展開され、リミテッド以外はFF方式、リミテッドのみオンデマンド式の4WD、ジープアクティブドライブになる。今回の試乗車は4WDモデルのリミテッドだ。
ジツはコンパス、今年の6月にマイナーチェンジ(以下MC)が行われ、グランドチェロキーのデザイン要素をより多く採用された。ジープのデザインアイデンティティ、セブンスロットグリル下の開口部も大きくなっている。ヘッドライトは従来の2倍近い明るさを誇るフルLEDタイプに。パッと見、グランドチェロキーか!? と思うほどよく似ている。ジープブランドのエントリーモデルがレネゲードとすると、こちらはジープブランドのシティ派モデルのエントリーモデルになる。デカイというイメージのアメ車もコンパスのボディサイズは全長が4420mm、全幅1810mmなのだ。このサイズはメルセデスのAクラスやボルボXC40に近いし、国産だとマツダのCX-30に近い。コンパクトSUVを謳う他メーカーのそれよりも使いやすいサイズで、街乗りでも気負わないで乗れるのが嬉しい。実際、見晴らしも良く、試乗している間で車庫入れに困ることは皆無だった。
MCのもう一つの目玉がインテリアのクオリティが大幅にアップしたこと。
ダッシュボードにはソフトパッドが大盤振る舞いで、中段のソレにはステッチが入るのだ。そしてそれを囲むようなクロームはシルバーでアクセントに。この雰囲気だけできっと価格以上の気分になれることは間違いない。またロンジチュード、リミテッドには純正ナビが標準装備に。さらにこのナビのお得なところは最長7年!(購入時に地図更新をした場合)の間、無償で地図の更新が可能という。また試乗車は10.25インチのフルデジタル表示メーター(スポーツは7インチ)まで標準装備される。そして内装はシートだけでなくドアの内張りやインパネまで厚い革が使われるいかにもアメ車チックなモノ。前席にはシートヒーターが付くだけでなく、電動調整機能やステアリングヒーターまで快適装備がテンコ盛りなのだ。
走り出せば2.4リッターのエンジンに組み合わされる9ATが早めのシフトアップをするが、大きくエンジンを回す必要性も感じられない。この常用域で十分なパワーを発揮するのはやはりアメ車の血統なんだなぁ、と感じる瞬間でもある。ちなみにパワーユニットはグレードによる差異はなく、すべて2.4リッターの直4。
カバーには「マルチエア」の文字が。そう、コンパスはフィアットのバルブコントロール機構を装備したエンジンを載せているのだ。そして今や貴重な2リッター越えのNAエンジン。回しても楽しいけれど、らしいのは2000rpmあたりで巡行している時かもしれない。組み合わされるミッションはリミテッド以外は6ATだ。
さて。シティ派シティ派と叫ばれることが多いコンパスだが、もちろんジープの「4WD」であるからして未舗装路用の電子制御も用意されている。シフトレバー脇のスイッチでSAND/MUD、SNOW、AUTOから選択できるセレクテレインシステムを装備するし、坂道を下る際の車速を制御するヒルディセントコントロールも控えている。特に雪道での効果は絶大だ。
もちろん、4WDであっても車庫入れなどでエイヤ! と景気良くステアリングを切ってもブレーキ現象はまったくなかった。このジープブランドの4WDとして考えるなら確かに「トレイルレイテッド」のバッジは付かないけれど、雨天時やウィンタースポーツ、河原でのBBQといった路面状況を考えると頼りになるのは間違いないし、これだけの装備を持つSUVならば驚きのバーゲンプライスでもある。ちなみにコンパスのエントリーグレード、スポーツは346万円からの価格設定だ。
また10月26日にはリミテッドをベースとした限定車、Sモデルが登場。ベース車のルーフがボディ同色なのに対してこのモデルはグレーのルーフを採用する。お得な装備を持つこの限定車は463万円。
ジープ コンパス リミテッド
全長×全幅×全高 | 4420×1810×1640(mm) |
エンジン | 2359cc直4 |
最高出力 | 175ps/6400rpm |
最大トルク | 229Nm/3900rpm |
WLTCモード燃費 | 16.0km/L |
価格 | 449万円から |
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