VW ゴルフ ヴァリアント eTSi Rライン


 アニメやドラマの王道で言うならば主役で引っ張ってからの新キャラ登場である。ところが今回の8代目ゴルフのワゴンモデルこと、ヴァリアントは主役のハッチバックからわずか2ヶ月で日本登場となった。まあ、主役が遅れていた事情はあるけれどユーザーにとってはそれだけ選択肢が増える。もちろん、ホットモデルのGTiも早ければ年内という噂もあり、ますます目が離せないのだ。

 試乗車はヴァリアントのeTSI Rライン。

  日本へはeTSI アクティブベーシック、eTSI アクティブ、eTSI スタイル、eTSI Rラインの4グレードが導入されており、アクティブには1リッターの3気筒ターボ、スタイル、Rラインには1.5リッターの4気筒ターボが搭載され、全モデル48Vのマイルドハイブリッド採用だ。エンジン以外の大きな違いはアクティブ系のリアサスにはトーションビーム方式でそれ以外、つまり4気筒モデルには4リンク方式になっているのもハッチバックと同じだ。ま、基本的なプラットフォーム、パワートレイン、装備はほぼハッチバックと共通と思って間違いない。

 ではハッチバックと何がちがうのか。それはボディ形状だ。ん? そんなもん見たままぢゃねえぃかい! ドン!!(机を叩く音)とお叱りはごもっとも。ジツは今回のヴァリアント、専用のボディになっているのだ。ハッチバックに比べ全長が長いのは先代同様だが、今回はホイールベースでなんと50mmも長くなっている。全高も10mm高い。基本部分が長くなったことでクルマのシルエットが変わったのだ。

ルーフ部分が短くクォーターピラーもクーペライクな角度に。これがオシャレサンでシューティングブレークっぽく見える。いやハッチバックもオシャレだと思うけれどヴァリアントは「洗練された」オシャレなのだ。ちなみにオシャレ、見た目にはしると実用部分がと思われがちだがそこはさすがゴルフの血統で、荷室容量は先代よりも増えた611Lの容量に(リアシート使用時)。 

 ドライバーズシートに腰を下ろすと眼前には全車標準装備になったデジタルメーターが。

無理やりアナログっぽい部分を探すならば、シフトセレクターがコンソールにあるくらい。

それでも随分と小さいのだが。根がアナログな筆者はボタン式とかダイヤル式でなくて少し安心。写真にあるホールド機能付きの電動パーキングブレーキももれなくついている。

 試乗車は冒頭でもお伝えした通りRライン。専用バンパーや17インチアルミホイール、専用のチューニングが施されたサスペンションを持つ。筆者のようなマニア的志向のユーザーはドアを開けたときのドアノブの感触、そしてドアを開いた先に見える専用のスポーツシートにニヤけるはず。

走り出せば、発進時などにモーターアシストのあるマイルドハイブリッドはDSG(搭載されるミッション)の微速域のマイナス部分を帳消しにしてくれるし、低回転を多用するような街中でも深くアクセルを踏み込む必要もなかった。エンジンは1.5リッター直4ターボの150PS。

何よりも感動したのは後席の広さ。

え? ゴルフってこんなに広かったっけ? という感じだ。先代に比べホイールベースをハッチバックよりも延長した専用ボディの恩恵がここにある。広いし快適。なんといっても後席用含めた3ゾーンオートエアコンはベーシック以外に標準装備。

ドライバーは「お楽しみ」でも、後席などゲストスペースは快適志向。これぞクルマ1台でなんでもまかなえる万能車ではないか。シートヒーター、ステアリングヒーターは4気筒搭載モデルに標準だ。燃費だってパワーが不要とクルマが判断すれば2気筒止まってしまうし、場合によっては走行中でも一旦エンジンを止めて燃費を稼いでくれる。スゴいぞRライン。

 最後に余談だが遊び心溢れる演出を体験できたので、下記に。

ゴルフのネーミングの由来は18ホール、パー5のロングコースといったスポーツのゴルフではないのだ。「湾」を意味し、この場合はメキシコ湾から大西洋を横断する暖流であるメキシコ湾流を意味するのだ。曖昧な記憶で恐縮だがゴルフ2のMTモデルのシフトノブにゴルフボール調のモノがあったけれどそんな遊び心も現行モデルにはあるのだ。オシャレなワゴン、ゴルフヴァリアントは310万1000円から。

ゴルフヴァリアント eTSI Rライン

全長×全幅×全高4640×1790×1485(mm)
エンジン1497cc直4ターボ
最高出力150PS/5000-6000rpm
最大トルク250Nm/1500-3500rpm
WLTCモード燃費17.0km/L
価格395万3000円

VW https://www.volkswagen.co.jp/ja.html
問 フォルクスワーゲンカスタマーセンター 0120-993-199

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。