走る重要文化財!?
BMW X7西陣エディション


 BMWのSUVモデルはSUVとは言わずにSAVないしSACと呼ばれる。スポーツ•アクティビティ•ビーク(クーペ)の略で、確か2000年デビューの初代X5が名乗り初めだ。BMWのセダンやクーペ同様のコンセプトで走りの楽しさにSUVの利便性をプラスしたモデルに仕上がっている。そして現在、同ブランドのフラッグシップがX7になる。それはストレートシックスのBMWらしく直6ディーゼルユニット搭載車をメーンにV8ガソリン仕様まであるのが特長。今回特別限定車が設定されたのはそのディーゼルユニット搭載車がベース。

このモデルは48Vマイルドハイブリッド搭載の直6ディーゼルターボモデルで340PSの最高出力と700Nmの最大トルクを誇る。

 ではその限定車、何がスゴいのか? それはインテリアトリムやフロントセンターアムレーストにホンモノの西陣織が使われているのだ! 

ジツは筆者、最初はエイプリルフールの冗談かと思った。今は 4 月ではないけれど、2015 年
にはアウディがフラッグシップサルーンの A8 専用の炊飯器というネタをやったこともあったから

しかもシートは日本の伝統、畳にも通じる、い草を使用して。
閑話休題。されどよくよく考えてみたらBMWはご存知の通りクラフトマンシップにこだわるメーカーで、過去にも「BMWと日本の名匠プロジェクト」があったのだ。例えば昨年9月には漆芸家の岡田紫峰氏とコラボして日本の伝統工芸品、蒔絵螺鈿(まきえらでん)細工を施したインテリアトリム

の8シリーズグランクーペ京都エディションを発売。

また昨年末には鍛金家であり人間国宝(!!)の奥山峰石氏の手による鍛金•象嵌(ぞうがん)細工が施されたインテリアの7シリーズピュアメタルエディションも発表されている。

まさにドイツ職人気質のクルマと和の伝統工芸職人の技術の融合。そして今回は西陣織である。インテリアトリムは

箔屋として知られる村田商店の直営工房、有限会社楽芸工房によるモノ。西陣織では和紙に箔を施していくが、今回のX7はインテリアトリムに直接箔を装飾、五色金重ね(金銀箔や顔料を塗っては塗りつぶす行程で5回繰り返すこと)で深みと立体感を実現。

 またフロントセンターアームレストは

創業100年を超える老舗の株式会社加納幸による。その手法は、シートなどに採用されている柔らかく手触りのいいBMWが誇るメノリーレザーに箔装飾を施したモノを細かく裁断、それを1本1本の表面を引いて確かめつつ絹の経糸(たていと)と繊細に折込む手の込んだモノ。デザインは太平の世に現れる美しくめでたい雲、卿雲(けいうん)をイメージしている。

 今回のクルマも前回、前々回同様の3台限定。価格は1680万円。BMWオンラインストア(https://online-store.bmw.co.jp/)での販売だ。走る十二単的なSAV、上手に着こなせたら相当にカッコイイはず。もちろん、汚れたからといって簡単にクリーニングできるわけではないので注意が必要だ。なお、現在ではすでに1台が売れており、欲しい人は急ぐべし! なのだ。

BMW https://www.bmw.co.jp/ja/index.html
BMWオンラインショップ https://online-store.bmw.co.jp/#/
問 BMWカスタマー•インタラクション•センター 0120-269-437

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。