驚きの再現度! 1/100に凝縮された都営地下鉄&バスの世界

東京都交通局が今年4月に販売した1/100スケールのペーパーモデル(紙製模型)に注目が集まっている! 紙製模型のブランド、テラダモケイが製作した紙製の地下鉄&バスが持つ魅力に迫る記事の第一弾を掲載する。

【第1回】ペーパークラフトで表現された何気ない日常の風景


テラダモケイ 都営交通編 都営浅草線「5500形」
(photo:Kenji MASUNAGA)


テラダモケイ 都営交通編 都営大江戸線「12-600形3次車」
(photo:Kenji MASUNAGA)


テラダモケイ 都営交通編 都営バス「LV290N3」
(photo:Kenji MASUNAGA)


都営交通のアニバーサリーを記念して各1000個を限定販売


 2020年に開業60年を迎えた都営浅草線、そして同年に全線開業20周年となった都営大江戸線の記念アイテムとして製作されたのが今回紹介する紙製模型だ。前記の鉄道2車両に都営バスを加えた3種類が通販サイト「はとマルシェonline」で発売がスタートしている。

 注目してほしいのが、紙製でありながら実物の雰囲気を巧みに再現していることで、同スケールの人物や背景などの模型とあわせて日常の風景が見事に表現されている。これはもちろん製作を担当したテラダモケイの造形力によるところが大きい。テラダモケイは建築用模型の製作にルーツを持つブランドであり、今回の都営地下鉄&バスにはそのノウハウがふんだんに盛り込まれているのだ。実際、1/100スケールで製作された都営地下鉄と都営バスは、誰が見てもひと目でそれと分かる仕上がりであり、印刷や塗装を行わずに、色違いの紙の組み合わせで車体の色が表現されていることにも感心させられる。

製品はタントと呼ばれる画用紙を切り抜いた状態で販売され、それ自体が一種のアート作品にもなっている。もちろん、完成させるためには、ここから車両などのパーツを切り出し、立体になるよう組み立てを行う必要がある。接着には木工用ボンドなどを使用し、車両の微妙な曲面は丁寧に曲げて再現する。少々難易度の高い作業になるが、それだけに完成したときの感動もひとしおだ。


シンプルなシルエットで再現された人物やベンチなどがこの模型における添景。よく見ると都電のマスコット「とあらん」の姿も……


雰囲気を高めるのに欠かせない“添景”とは?


 今回紹介する紙製模型には、数多くの人物や動物、そして小物が付属している。これらがあるからこそ地下鉄やバスのサイズがイメージでき、さらにリアルさも強調される。こうしたスケール感を把握させるための人物やアイテム類などを建築用語では「添景(てんけい)」と呼び、建築模型では欠かすことのできないものとなっている。テラダモケイでは、これら添景を模型として販売しているのだが、成人男性の身長が約1.7cmとなる1/100スケールにもかかわらず、“動き”までも再現しているのがポイント。

 添景が、プラスチックや木材ではなく紙製なのは、腕や足、腰を曲げることによって、動きをつけやすいというのも理由の一つ。ここで紹介する都営地下鉄と都営バスの模型でも、車両に乗り込もうとしている人をはじめ、ベンチで待つ人、お気に入りの地下鉄を撮影しようと待ち構えている人など、さまざまなアクションが風景の中で描かれている。どのようなアクションにするのかは模型製作者の好みで自由自在で、建築模型にさらなる“説得力”を与えている。

 東京都交通局とテラダモケイの協力によって誕生した3種類の交通車両&添景のセット。まずはここで紹介した写真をじっくりと眺め、ぜひとも自身の手で実際に組み立ててみてほしい。

※第2回は「テラダモケイ 都営交通編」のキーパーソンを紹介。精密な模型製作の裏ではどんな苦労があったのか?


車両の前でカメラを持って構える熱心なファン。2色の紙の組み合わせだけで、これほどの表現を見せてくれるのは脱帽ものといえる。
ドアの前で盲導犬とともに待つ女性、ベンチとそれに座る人、そして行き先の表示など、とにかく芸が細かいとしかいいようがない。(photo:Kenji MASUNAGA)

テラダモケイ都営交通編都営浅草線「5500形」価格:4400円
テラダモケイ都営交通編都営大江戸線「12-600形3次車」価格:4400円
テラダモケイ都営交通編都営バス「LV290N3」価格:4400円

はとマルシェonline:https://hatomarche.com

長谷川 敦(Atsushi Hasegawa)
  • RC(ラジコン)カーの記事を中心に、模型や実車などのメディアで編集・執筆を行うフリー編集者兼ライター。余暇のほとんどを競技用RCカーの走行や整備に費やす立派な(?)ラジコン廃人。9割以上がラジコンの話題で埋め尽くされるブログ「すべては12分の1のために」は、ごく一部の読者に好評継続中。
  • http://1-12thonroad.cocolog-nifty.com/blog