「ホテルグレイスリー新宿」30階、地上約130mの天空で『ゴジラVSキングギドラ』の戦いの現場を撮影してきた。ゴジラが叫び、キングギドラも叫ぶ。そこはまるで映画のスタジオだった。

ホテルグレイスリー新宿は、2026年に開業11周年を迎える。最上階30階・東向き角部屋に設けられた「特撮スタジオ」風の客室は、2025年の開業10周年を記念して製作されたコンセプトルームだ。1991年公開の『ゴジラVSキングギドラ』をモチーフにしており、東宝の監修と東宝映像美術のプロデュースによって、映画製作の裏側をのぞき込むような空間が実現している。一歩足を踏み入れた瞬間から、まるで自分が映画監督になったかのような気分を味わえる “夢の客室”。すっかり新宿のランドマークとなったグレイスリー新宿に、monoWeb・monoTVスタッフはさっそく取材を敢行した。

ゴジラヘッド
新宿東宝ビル(ホテルグレイスリー新宿)8階テラス
設置年:2015年(東宝ビル完成時)
モデル:平成・VSシリーズのゴジラをベースにした造形
重量:約80トン
高さ設定:ビル8階の位置は、1作目ゴジラ(1954年)の “身長50m” に合わせて設置されている

静けさと緊張感が同居する空間「グレイスリー新宿8階ロビー」

1階エントランスからエレベータに乗り8階で降りると、2004年に公開された作品『ゴジラ FINAL WARS』の名シーンを再現した、初めて4体の怪獣を同時に展示しているセットが目に飛び込んでくる(2026年1月21日取材時。2026年4月現在は同作に登場する3体の怪獣が海中で対峙するジオラマを展示中)。富士山麓で「ゴジラ」が「ラドン」「アンギラス」「キングシーサー」3体と対峙する迫力の肉弾戦バトルをリアルに再現。このワクワク感がたまらない!

フロントまでのコンコースには、1954年の1作目『ゴジラ』から2023年の『ゴジラ-1.0』まで、歴代ゴジラ映画のポスターを年代順に並べたウォールディスプレイが展示。2026年11月公開予定『ゴジラ-0.0(ゴジラ マイナスゼロ / Godzilla Minus Zero)』が公開されればまた新しいポスターが追加されるのだろうか。

「ここはゴジラのホテルなんだ」と、視界の端で常に意識させられる。フロントは “チェックインの場” であると同時に、“ゴジラファンの聖地巡礼の入口” でもある。単なる受付ではなく、ゴジラという文化の歴史を静かに展示する “特撮のロビー” になっている。

一般の宿泊客や外来客は立ち入れない30階ゴジラフロア

30階へ向かうには、エレベーター内に設置された認証タッチパネルにルームキーをかざさなければ、行き先ボタンは反応しない。30階に到着すると、歴代映画の「ゴジラ」が4基のエレベーター扉いっぱいに姿を現す。さらに歩みを進めると、その先には「ゴジラシリーズ」の名シーンがギャラリー展示として並び、30階だけの特別な世界観が広がっている! 30階フロアには1日限定36室、さらにプレミアムなゴジラコンセプトルームは2室だ。

30階ゴジラフォトギャラリー

「ゴジラシリーズ」のシーンがギャラリー展示されている、30階限定の特別な世界観を作り上げている!

1954年 ゴジラ
東京を火の海にしたゴジラは、隅田川から東京湾へと姿を消した。

1955年 ゴジラの逆襲
1作目の大ヒットを受け、4ヵ月後には早くも続編が公開された。

1962年 キングコング対ゴジラ
北極海の氷山の中で眠っていたゴジラが目覚めた!

1964年 モスラ対ゴジラ
ゴジラに対し、3000万ボルトの人工雷作戦が行われるが失敗に終わった。

1964年 三大怪獣 地球最大の決戦
阿蘇山からラドン、横浜にゴジラが上陸、富士山麓で戦いが始まった。

「ゴジラVSキングギドラルーム」

ドアを開けた瞬間、視界の奥でゴジラが何かを破壊している。扉がわずかに開いた瞬間、まず飛び込んでくるのは奥に潜む巨大な影。部屋に光が差し込むにつれ、黒い鱗の質感、鋭い眼光、わずかに開いた口元がはっきり確認できる。その距離感は絶妙だ。まるで「帰ってきたのか」とでも言うように、鎮座する巨大ゴジラ。ホテルの一室であるはずなのに、侵入者として迎えられているような、あるいは共存を許されたような、不思議な緊張感が走る。ここは一体なんだ?

1991年に公開された作品『ゴジラVSキングギドラ』をモチーフにした、撮影現場を再現したコンセプトルームだ。一歩客室の中に入るとそこから気分は映画監督。これは凄い。どこから画を撮ろうか? その前に取説だ!

コンセプトルームを企画したWHG新宿の本田さん

藤田観光株式会社
WHG事業部 WHG新宿 企画課 チーフマネージャー
本田 裕美 さん

2015年東宝ビルが開業した当時からホテルグレイスリー新宿(同OPEN)に勤務。ホテルを知り尽くした本田さんに、取説、コンセプトルームのこだわり、楽しみ方を教えてもらったぞ。

まず最初に、このコンセプトルームは開業10周年を迎えるにあたって、先にあったゴジラルームの第二弾として、「面白いことをやってみよう」というところが起点になってます。第二弾は「特撮スタジオ」。映画監督になりきり、没入体験を楽しんでいただくをコンセプトに、よりリアル感を出すために、東宝様に監修をお願いし、東宝映像美術様に製作をお願いし、協働により客室のクオリティを極めました。

部屋の対角線上にゴジラとキングギドラが対峙して、睨み合っている迫力満点の状況を演出しています。

ゴジラの表情質感には、特に東宝映像美術さんのこだわりがあり、光った目の色を出すには工夫されているようでした。

キングギドラの首の角度もお客様が立った時にぶつからない、そしてベットメイキング中、備品が引っかからないように留意いたしました。

ここのコントロールパネルのスイッチを押せば、ゴジラ・キングギドラの迫力ある鳴き声、ゴジラが忍び寄る足の音、また両体の光、部屋全体の光のコーディネイトができます。

ベットカバーの柄にもこだわりがあり、映画本編で戦車が西新宿の横断歩道でゴジラに狙いをつけ待機する画角をデザインしています。

ゴジラの足元に置かれているビルの底にはローラーが仕掛けてあるので、自由に置く場所を変えることができます。

窓際に設置されているこのビル群はチェアとしてお使いいただけます。もちろん前述のビルと同じ自由に置き場所を変えることができます。

撮影現場がコンセプト。スタッフが日常使う台本、備品管理の鍵掛け、そして落とし物にまでリアル感を追求してます。

コンセプトルームらしく注意事項もテキストではなくピクト表記にしました。

トイレはキングギドラの出現地をモチーフしてあります。バスは作品中に出てくる名台詞を施しました。

ホテルグレイスリー新宿30階は地上高約130メートル。東向きの窓からは北関東が一望できます。この夜景は贅沢だ。

ディレクターズチェアに座り、カチンコを持てば監督モードに! メガホンで臨場感あるゴジラVSキングギドラの撮影を思いきり楽しんだぞ!

『ゴジラVSキングギドラ』影が動き出す

『ゴジラVSキングギドラ』コンセプトルームの扉を閉めた瞬間、外の喧騒とは質の違う、重く低い気配が部屋の中に沈殿する。照明を落とすと、壁一面のアートが闇に溶け、輪郭だけがぼんやりと浮かび上がる。ゴジラの背びれは、まるで暗闇の中でゆっくりと脈打っているように見え、キングギドラの三つ首は、こちらを見下ろす角度のまま微動だにしない。のに、どこか “動き出しそう” な気配だ。キングギドラの真下に横になれば三つ首の裏側が頭上に・・・リアルすぎで少々怖くなり、さすがにベットを移動した夜だった。

やはりカチンコとメガホンはゴジラがよく似合う。このコンセプトルームに宿泊すると、超プレミアムなノベルティ(非売品)を用意してくれる。世界からこの部屋を求めて人が集まってくる、なかなか予約が取れない人気の部屋。ゴジラファンなら一度は宿泊するべきだ!

なにがいいのか? それは「ものすごく面白い」そして「楽しい」。

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ゴジラルーム/ゴジラビュールーム「ゴジラルーム」
◎室数:全1室(シングルベッド2台〈定員2名〉、32㎡)
◎料金:2名1室12万2400円〜(消費税・サービス料込)
※料金は変動型

ホテルグレイスリー 新宿

ねこやま大吉(N.Daikichi)
  • 昭和‐平成‐令和とグルメからファッション、ペット(猫専門)まで幅広いジャンルの情報誌を手掛ける。現在は、執筆の傍ら全国地域活性化事業の一環で、観光・地方に眠るお宝(ギアもの)ご当地グルメを全国旅取材する日々。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。自宅は猫様の快適部屋を目指し、日々こつこつ猫部屋を造作中!!

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