まさにサードインパクト!?
トヨタ自動車が10月13日の自社メディア「トヨタイムズ」の中で「センチュリー」を新たなブランドとして立ち上げると発表。センチュリーといえばトヨタブランドの最高峰に位置するクルマ。ほぼすべてがショーファーとしてオモテウラ問わずに「長」の肩書を持つ方の移動手段として使われている。それがブランドとして独立する、これが驚かずにいられようか。
同車はショーファーとしてのイメージが強い。顧客も官公庁や企業の役員、企業名義でのユーザーが多数。しかし昨今のSUVブームで2023年にはSUVのセンチュリーがデビュー。トヨタ公式サイトではすでにセンチュリーはSUVを指すようでセダンの方は(セダン)と注釈がある。なお2024年のデータによると、セダンのセンチュリーの登録台数は100台、SUVの方は280台となっている。
そんな状況の中、今回のブランド化である。トヨタには高級車部門のレクサスもある。するとセンチュリーブランドの立ち位置は? となりそうだが、なんとレクサスの上になるという。これは自動車業界全体に衝撃が走ったはず。

日本のモノ作りフル装備
文字通りセンチュリーは100年や一世紀を意味する。初代モデルはトヨタの創業者である豊田佐吉 翁の生誕100年を記念した1967年にデビュー。なお余談だがデビュー翌年の1968年は明治維新からも100年である。

日本のメーカーに高級車は作れないといわれていた時代。そんな風評に挑むように作られ、当時の最新技術を惜しみなく投入。そこに日本の伝統を加味したクルマが初代モデルだ。今から半世紀以上も前のクルマながら、パワステはもちろんパワーシートやオートライト、オートドライブ、空気清浄機までも付いていた。そして宇治平等院の鳳凰をモチーフにしたエンブレムの金型は江戸彫金、シート生地には西陣織なども使用し、オールニッポンでの挑んだクルマ作りなのだ。また初代にはオーナードライバー向けに4MTも用意されていたことも。
1997年までマイナーチェンジを繰り返し、細部にアップデートが図られたが30年間フルモデルチェンジされることなくその玉座に君臨し続けた。
1997年。30年ぶりにフルモデルチェンジ。トピックはなんといってもその心臓部に搭載された5リッターV12エンジンだろう。ゆとりある排気量ながらも馬力は当時の自主規制値いっぱいの280PSに抑えられていた。もちろん2代目になっても最新技術の投入、伝統工芸の融合は引き継がれ、エンブレムの金型は職人による手彫りが継承された。



現行モデルの3代目は2017年のモーターショーでコンセプトモデルが発表され、2代目デビューから21年後の2018年にデビュー。パワーユニットはV12エンジンからV8ハイブリッドへ変更。

後席スペースは広いのは当たり前だが、頭上スペースにもこだわっている。居室天井の中央を凹ませ、高くした「折り上げ天井様式」でまさに走る和風建築なのだ。


そんな3代目に加わったのがSUVタイプのセンチュリーだ。デザインこそセダン同様のモノになっているが、こと迫力では断然コチラの方が上。居住性もセダンと異なるモノに。定員乗車になることはないかも知れないがセダンの5人乗りに対してSUVは4人乗りと個々人のスペースを広くしている。またセダン同様ラゲッジスペースはトランクとして完全に独立させ、静粛性も高めているのもならでは。パワートレインは3.5リッターV6のプラグインハイブリッドを採用。

どんじりに控えしは!
先日のジャパンモビリティショーではセンチュリーのブランド化が報告された。すでにセンチュリーとしてブースを構え、そこには豪華役者揃い踏み的にセダン、SUV、コンセプトクーペが歌舞伎の白浪五人男の名場面、稲瀬川勢揃いになっていた。
コンセプトクーペは世界初公開。「センチュリークーペは次の100年を作る」と豊田会長の言葉通り、トヨタの強い意気込みが入ったモデル。

このコンセプトクーペ、印象は強烈。まさにどんじりに控えし、の口上のようなモデル。普段はセダンやSUVのセンチュリーの後席に乗っているけれど、休日は自分でステアリングを握る、とか和のテイストを強く感じられる最上級のクーペを望むユーザー向けとして発売されるのだろう。
シートは西陣織というし、インパネは漆塗り。障子のようにスライドするドアが開くと和装の婦人でも乗り降りしやすい回転式のシートが装備される。また2+1の3人乗りのユニークなレイアウトもコンセプトカーの特長的な部分。


一方、エクステリアをよくよく見るとボンネットにはエアアウトレットが設けられている。これはもしかして内燃機関搭載も考えてのデザインなのかも、と期待してしまう。


いずれにしてもトヨタが放つ第3の使徒、目が離せない!
トヨタ自動車
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