やっぱり嬉しい特別な2ドアモデル
オヂサン世代の話で恐縮なのだが、少なくとも1980年代のデートの足といえばクルマ派が大勢。中でも2ドアモデル(しかも手の届きやすい価格帯)が熱く、ワガハイは豪華傾向、いやいやソレガシはスポーツ志向といった具合にメーカー色も豊かでもあり、ユーザーの選択肢は今とはまったく違った。
そんな中オシャレで尚且つスポーティ、それでいて先進装備もウリにしていたのがプレリュードだ。しかし同車も世の流れに身を任せ、2001年に生産が終了。それが今回復活となればコーフンせずにいらりょうか!
最後のモデルから数えて、ジツに24年ぶりの再来というから、まったくプレリュードを知らない世代も免許を取れる月日が流れてしまったけれど、価格やボディの大小問わず姿を消しつつある2ドアクーぺ市場に一陣の風を吹かせてくれたホンダの激アツなモデルにテンションUPなのだ。


走り好きも納得なメカニズム
プレリュードとしては6代目となるのが今回デビューのモデル。その基本コンセプトは「グライダーで大空を滑走」という。コンセプトだけでもなんとなく気持ちよさそうではないか。そのためにはコダワリの技術が投入されている。まずクルマのベースは、なんとホンダ技術の結晶ともいうべきシビック・タイプRのシャシー。FFながらも超一級のスポーツカーとして難攻不落のニュルブルクリンクどころか、世界中に君臨するFFの雄をベースとしているのだ。
パワーユニットはe:HEV。プレリュードのそれは2リッターエンジンに2つのモーターを組み合わせたモノ。エンジンスペックよりモータースペックの方が力強いのも興味深いところだ。
組み合わされるミッションはS+Shift(エスプラスシフト)。通常は無断変速のスムースな走行で、スポーティな走りを望むときはこの魔法のボタンをポチっとすれば純エンジン車に切り替わったか、くらいにキャラ変するという。

それは仮想の8速ギアでエンジン回転をコントロールし、フィーリングも実際に8速MT車のようなモノに。もしもこの先、電動化全盛時代を迎えたとしても音やそれに協調するメーターなどクルマ好きが重視するであろうエンジン回転の高揚感を再現可能という。筆者は未体験だがプロトタイプに試乗したセンセー方の話だとシフトショックも再現されているというから微に入り細に入っている。もちろんスピーカーからエンジンサンドが聞こえる仕掛けもある。
また旋回性能もシビック・タイプR譲りの素性の良さを感じられるそうで、プレリュードのそれはドライバーが意図する走行ラインをクルマが推定し、ブレーキを制御することでそのラインに近づけてくれる。昔懐かしの世代ではプレリュードの目玉技術でもあった4WSやATTSが進化したモノと思えば間違いはない。

使える室内も注目!
一方、室内は最近のホンダと共通の水平基調なデザイン。装備もQi規格でワイヤレス充電も可能だし、USBジャックも備える。快適装備も前席のシートヒーターもあり快適度も高い。


またクーペながらも+2的にリアシートが確保されており、必要時には便利。そしてこの後席は分割可倒式を採用していて、メーンとなる2人分のゴルフバッグも搭載可能だ。

興味津々な新型プレリュード、なんと10月から一部のホンダカーズ店舗でレンタカーが用意されるという。
あのイベントでは歴代モデルが勢揃いしたゾ!
そしてプレリュードといえば、今年のオートモビルカウンシルで歴代モデルが一堂に集まった。オートモビルカウンシルはヘリテージモデルの魅力や楽しみ方を紹介するイベントとして今年で10周年を迎える展示見本市。他のイベントと違うところはクルマを移動手段の一つとしていない。クルマは人生に楽しみや豊かな社会を形成する存在として位置付けているところだ。

初代
1978年デビュー。日本車としては初の電動サンルーフを装備していたので、ある世代以上のヒトはプレリュード=サンルーフ付きのオシャレなクーペのイメージを持っているはず。なおエンジンはマスキー法にも対応したCVCCエンジンで、排気量は1750cc。前輪を駆動するのは以降、受け継がれる主旋律のひとつになっている。

2代目
1982年デビュー。バブル前夜の時代背景もあり、デートカーの響きがジャストマッチするようなスタイリングが特長。しかしそんな軟派なイメージに対して走りの面も進化。フロントには応答性や安定性に優れたダブルウィッシュボーンサスを採用、制動関係では日本初の4ALB(いわゆるABS)など当時の最先端技術を投入した。パワーユニットも斬新な12バルブを用いた1.8リッターを搭載、後期モデルは排気量も2リッターへアップされ160PSを誇る。

3代目
多くのヤングマン(死語)のハートを掴んだモデルが1987年登場の3代目。ダブルウィッシュボーンサスも4輪に拡大されたほか市販車初の後輪操舵システム、4WSを採用。旋回性能や高速などのレーンチェジ時における安定性も確保している。エンジンは2リッター直4。なお限定車で排気量が2.1リッターエンジンを搭載したモデルも存在し、通常の5ナンバーに対して3ナンバーになっている。

4代目
開発がバブル期だったこともあり、イケイケな4代目のデビューは1991年。全モデルに2.2リッターエンジンを搭載し、車幅も1765mmと完全な3ナンバー専用車に。4WSや4輪のダブルウィッシュボーンサスも進化しスポーティな走りを追求。当時はホンダF1の第2期黄金時代。デビュー当初のCMにはアイルトン・セナが起用された。

5代目
1996年デビュー。3代目以前のスペシャリティカー路線に回帰することをコンセプトに開発された。とはいえMT感覚のAT、Sマチックやリッター100PSを達成した2.2リッターのVTECエンジン、前輪左右の駆動力を分配するトルクベクタリング機構など充実装備や高級感をオモテにアピールしつつも、しっかり走りを楽しめるクルマになっていた。

プレリュード
価格 | 617万9800円〜 |
全長 × 全幅 × 全高 | 4520 × 1880 × 1355(mm) |
エンジン | 1993cc直列4気筒 |
エンジン最高出力 | 141PS/6000rpm |
エンジン最大トルク | 182Nm/4500rpm |
モーター最高出力 | 184PS/5000-6000rpm |
モーター最大トルク | 315Nm/0-2000rpm |
WLTCモード燃費 | 23.6km/L |