#359 その後のSF映画に多大な影響を与えた幻の傑作!「イカリエ-XB1」

文/大谷暁(モノ・マガジン編集部)

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その後のSF映画に多大な影響を与えた幻の傑作!「イカリエ-XB1」


 子どもの頃からSF映画が大好きだった筆者は、TVの洋画劇場でSFや怪奇映画(昔はホラーではなくこう呼んでいた)を観るのが3度の飯より好きだった。当時は現在と違って、ビデオ(DVDやBlu-rayではなくビデオという表現がしっくり来る)もない時代だったので、モノ凄い集中力で鑑賞していたのを思い出す。もしも見逃したら今度いつ観れるか分からないゾ……と考えただけで気合の入り方が違っていた(笑)。「禁断の惑星」「宇宙戦争」「地球最後の日」などの古典的SFどストライク作品も嫌いではなかったが、「地球爆破作戦」「最後の脱出」「決死圏SOS宇宙船」といった変化ワザC難度作品が結構好きだった。またTVでは「宇宙大作戦」(スター・トレックではなく)も欠かさず観ていた。※同じTVドラマなら「巨人の惑星」(知ってます?)も楽しかった。

 またSF映画の金字塔と呼ばれる「2001年宇宙の旅」は、今でこそ、結構TVでも放映されているが当時はなかなか放映されなかった。映画館でリバイバル公開されるまで、一切観たこともなかった映画で、自分にとってはある意味幻の作品だった。※同じキューブリック作品なら「博士の異常な愛情」も見応えアリ。

 で、今回紹介する「イカリエ-XB1」は、なんと共産主義下のチェコスロヴァキアで生まれた奇蹟のSF映画。冷戦時代の1963年につくられた作品だ。そのオリジナリティ溢れる世界観は、前述の「2001年宇宙の旅」にインスピレーションを与え、乗組員たちが調和しながら協働する様子は「スター・トレック」にも影響を与えたと言われている。特にキューブリックは「2001年宇宙の旅」の製作準備の段階で参考になりそうな作品を片っ端から鑑賞しており、その中でも「イカリエ-XB1」は、テーマと表現を高く評価していたそうで、実際に宇宙服や宇宙船内部の照明デザイン、地球にいる家族とのテレビ電話による交信、宇宙船内での乗組員たちの日常生活の描写、さらに「探索旅行」というテーマなど両作品の類似点も多く見受けられる。

 チェコスロヴァキアでは、1963年から1964年にかけて公開され51万人以上を動員し大ヒットを記録。長年観る機会のなかった映画であるが、2016年に4K修復され、同年カンヌ国際映画祭カンヌ・クラシック部門で脚光を浴びたデジタル・リマスター版で2018年5月、日本では劇場初公開された。そしてついに日本初ソフト化。筆者的には思わず「不思議惑星キン・ザ・ザ」のDVDの隣りに並べたくなる、そんな存在感のあるタイトルですね! 超オススメです。

「イカリエ-XB1」
「イカリエ-XB1」
「イカリエ-XB1」

「イカリエ-XB1」
 

■ 製品情報
 1963年/チェコスロヴァキア
 88分/モノクロ
 12月26日(水)発売。
 Blu-ray価格5184円
 DVD価格4104円。
 発売・販売:キングレコード
 © National Film Archive