ホンダ「プロジェクト BIG-1」CB1000SUPER FOUR誕生30周年。
デザイナーズトークショー開催!


 モノ・マガジンweb読者にも多くのライダーがおられると察するが、ホンダのロードスポーツモデルのど真ん中といえばCB! これに異論を唱える方はいないはずだ。

 今年2022年はプロジェクトBIG-1より生まれたCB1000SUPER FOUR(以下SFと略)発売から30年。アニバーサリーモデル『CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary 』もオーダー受付中と話題に事欠かない11月26日・土曜日、ホンダウェルカムプラザ青山にて、CB1000SF、初代CB1300SFの両デザイン開発者を招いてのトークショーが開催された。本稿はそのレポートである。

トークショーの様子

 ご登壇はCB1000SF(1992)デザイン開発者の岸 敏秋さんと、初代CB1300SF(1998)デザイン開発者の伴 哲夫さんのご両名だ。

CB1000SF(1992)デザイン開発者の岸 敏秋さん
初代CB1300SF(1998)デザイン開発者の伴 哲夫さん

 そもそもプロジェクトBIG-1始動のきっかけは、岸さんたちデザイナーサイドによる、CBの次世代フラッグシップモデルを模索する自然発生的なアクションだったという。

CBR1000F

 岸さん「プロジェクトBIG-1の始動は1989年のことでしたが、当時海外向けにCBR1000Fというモデルがありました。CBR1000Fはフルカバードのツアラーだったのですが、ある機会にこの水冷4気筒エンジンを見て“カッコイイ!”と感じ、インスピレーションが沸いてきました。だからプロジェクトBIG-1はこの水冷エンジンから始まったわけです。CB1000SFは発売当初から“大きい!”と言われましたが、大きく作ったのではなく、CBR1000Fの水冷エンジンに機能部品を装着していったらあのサイズになったのです」

岸さんはレポート用方眼紙に落書きしてイメージを膨らませた

 子供の頃の憧れとしてCB1100Rが念頭あったという岸さんは手描きでラフスケッチを仕上げた。ボリューム感、ラインのもつセクシーさはポルシェのリアビューなども参考にしたという。

岸さんの手描きによるCB1000SFのラフスケッチ

 さらに、「ライダーが乗った時にカッコよく見えるプロポーションから逆算して、タイヤは前後18インチとしました。当時の主流は17インチでしたから選べるタイヤの種類も多くはありませんでしたが、迷いはありませんでした」と岸さん。

人が乗った時にカッコよく見えることを検証し前後18インチタイヤが選ばれた

 デザイナー発想となるプロジェクトBIG-1/CB1000SFは次第にカタチをなし、社内の開発メンバーをも魅了していった。

 公式お披露目は1991年のモーターショー。翌1992年に発売予定とされたCB400SFのイメージ(世界観)を高めるフラッグシップという位置づけの参考出品だった。

1991年のモーターショーに挑む岸さんのスナップ

 岸さん「80年代のホンダはV型4気筒に注力しており、直4は手薄となっていました。そんな中、スポーツネイキッドとして1989年1月に売り出したのが400㏄のCB-1です。CB-1は発売当初こそ好調でしたが、まもなく他社のネイキッドモデルが発売されるとことごとくヤラれまして(笑)、早くもモデルチェンジの必要に迫られました。この時、思い付きでCB-1の車体にCB1100Rのタンクを載せたスケッチを描いたら、これがすこぶる評判が良い。そうして生まれたのがヒットモデルCB400SF(1992)です」

CB-1(左)のテコ入れの一案としてCB1100Rのタンクを載せたラフスケッチを描いたらこれが好評で……と岸さん

 当時の人気カテゴリー400㏄でCB400SFが成功したため、参考出品だったCB1000SFも(その評判の大きさもあり)量産にむけての一歩を踏み出した。同1992年の11月24日、ついにプロジェクトBIG-1はCB1000SFを発売したのである。

 発売以来好評をもって迎えられたCB1000SFだが、発売4年後の1996年に大型二輪免許が教習所で取得可能に。ビッグバイクは一気に身近な存在となり、大型バイクライダーも激増。それを踏まえて1998年に誕生したのがCB1300SFである。デザイン開発者は伴 哲夫さん。

CB1300SF(1998)。伴さんによるデザインスケッチ。まだ手描きの時代。

 伴さん「ビッグバイクライダーが増加したことと、CB1000SFも発売から5年が過ぎてセールスが落ち着いていたことが背景にありました。そこで足つき性の向上、ハンドリングの向上にともなう前後タイヤの17インチ化など各部をブラッシュアップしたCB1300SFをデザインしたわけです。1000がスポーツマンなら1300は男らしさというイメージでしょうか」

 ところでCB1300SFを語る時誰しも触れるのが、エンジンフィンの存在である。放熱フィンが加えられたことでも話題となったCB1300SFはヒット作となった。

放熱フィンが加えられたことでも話題となったCB1300SFはヒット作となった。

 伴さん「あのエンジンはヤマハV-MAXのV型4気筒に対して、直列4気筒エンジンを搭載したX4(1997)のものでした。『フィンの有無で2種類のエンジンをもつのはどうか?』という社内の意見と、当時のラージプロジェクトリーダーの原さんが空冷のフィン好き(笑)だったのがフィン追加の原因ですね」

 大型免許教習開始という追い風もあり、CB1300SFの販売は好調だった。さらに2003年には二代目CB1300SFが登場。現在に至るCB1300の礎は築かれた。

 最後に岸さんは言う。
「ホンダスポーツバイクの標準器がCBだと思います。だから時代がEVになってもCBはCB。次代の設計者に期待しています」

 伴さんも、「CBって何? に対する答えはみんな違いますが、私見なら4発であること、カッコイイこと、それだけ。カッコイイね、乗りたいね、そういうバイクを創るのがデザイナーです。2023年1月9日までオーダーを受け付けている『CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversary』だって、ファイナルモデルって言ってないしょ? 続いていくんですよ、CBは。

CB1000SF開発メンバーの記念スナップ。ホンダ伝統の白い作業服が清々しい。

 プロジェクトBIG-1の30周年記念モデル。オーダー受付は2023年1月9日まで!

CB1300SUPER FOUR SP 30th Anniversaryの詳細はこちら

CB1300SUPER FOURの詳細はこちら

ホンダお客様相談室 0120-086-819

  • モノ・マガジン&モノ・マガジンWEB編集長。 1970年生まれ。日本おもちゃ大賞審査員。バイク遍歴とかオーディオ遍歴とか書いてくと大変なことになるので割愛。昭和の団地好き。好きなバンドはイエローマジックオーケストラとグラスバレー。好きな映画は『1999年の夏休み』。WEB同様、モノ・マガジン編集部が日々更新しているFacebook記事も、シェア、いいね!をお願いします。@monomagazine1982 でみつけてね!