コンパクトSUV戦線拡大中
ロッキー X HEV
日産 ノートAUTECHクロスオーバー


 コンパクトSUV市場がメチャメチャ元気だ。今年の上半期販売台数最多を誇るヤリスクロスを追うカタチの様相を呈し、各社のニューモデルで迎え撃つライバルを続々投入するなど群雄割拠。まさに戦国時代。販売台数という名の国取り合戦が繰り広げられている。そしてここにきて一気に話題をさらいそうなモデルが登場。そんな2台にスポットを当ててみた。

 SUVはその名の通りスポーツユーティリティビークルの略。本来の意味合いならばここでいうスポーツは道を選ばずに走ることの出来る、トレイルラン的な意味合いかもしれないが、最近はスポーツカー顔負けのハンドリング性能を持つモデルもある。そして実用的なクルマ、というのがSUVで、多目的に使えるのが人気のヒミツ。つまり使い勝手のが良くてちょっとした悪路もへっちゃら(もちろんドライバーがビビるような悪路も平気なモデルもあるが)というクルマなのだ。これってジツはファッションにも通じるモノがあるということを昔アウトドアブランドの人から聞いたことがある。登山やマリン用品に特化したアウトドアブランドのジャケットやトレーナーをそういったところ(登山や海)に行かないけれどつい着てしまう心理のようなモノだという。なるほど、である。

 またSUVはデカい、駐車場を選ぶ、車重があるから税金が高い、デカい分燃費が悪いカモ……といったイメージ(クルマによっては間違っていないけれど)がもたれやすいが、コンパクトSUVはボディサイズがさほど大きくないため、取り回しがしやすいし、燃費もいい。モデルによってはデパートやマンションの立体駐車場にも対応するなどSUVのネガの部分が少ないのも魅力だ。そんなコンパクトSUV市場にニューモデルが登場。

 ひとつはダイハツのロッキーだ。ロッキーといえば取り回しのいい5ナンバーサイズのボディながらもSUVとしての存在感やたくましさを持つデザインが人気。ジツは5ナンバーSUV市場はスズキのクロスビー、イグニス、ジムニーシエラが人気のカテゴリー。その中で価格と燃費の良さをウリに販売合戦に参戦したモデルでもある。そのロッキーが11月にパワートレーンを中心に一部改良された。2WDモデルにはそれまでの1リッターターボから1.2リッターのNAに(4WDモデルは引き続き1リッターターボ)なり、このタイミングで新開発のハイブリッドシステム「e-SMART-HYBRID」を搭載したモデルをラインナップに加えたのだ。

このモデルに搭載されるエンジンはリッターの直3。これは動力としてではなく、発電専用として載るモノ。専門誌的な表現ならばシリーズ方式のハイブリッドシステムで云々となる。なんじゃそれは! と編集担当から怒られそうなので簡単にいうと下記のようになるのだ。

 ハイブリッドシステムは大きく分けると3つに。シリーズ方式、シリーズパラレル方式(スプリット方式)、パラレル方式。いずれもエンジンとモーターを搭載する。シリーズ方式はエンジンは発電用に徹する黒子で駆動はモーターが行ってくれる。日産のe-POWERが代表選手。シリーズパラレル方式はエンジンとモーターの両方を駆動に使う。発進低速時はモーター、高速時なはエンジンといった具合だ。トヨタ•プリウスが代表選手。パラレル方式はエンジンを主役に据えてその女房役がモーター。最近ではEVモードを備えたクルマもある。ホンダ•インサイトが代表選手だ。

 と、いうわけでロッキーはエンジンで発電、モーターを駆動する。

発電用にエンジンを載せているため、バッテリー切れによる外部充電の心配がないのは魅力。またハイブリッドモデル専用のボディカラーも用意されているのは昨今のお約束。細かいトコロではホイールが5穴(ナットが5つ。ガソリンモデルは4穴)になる。ハイブリッドモデルの価格は211万6000円から(2WD)。

 そしてもう一台が日産の人気コンパクトカー、ノートをベースにしたAUTECHクロスオーバーだ。

オーテックは日産の特装車を手がける関連会社で高級感と走りのレベルを上げるプレミアムスポーティなブランドとして知られている。代表作は多いが、4ドアのGT-Rでピンときたアナタは40代以上と思われる。ノートオーテックをベースにブランド初のコンパクトクロスオーバーモデルに仕立てたのが今回のモデルだ。

クロスオーバーっていわれてもどう違うの? とお悩みの皆様、ジツは最初は筆者もそうでした。しかしながら。なんと専用パーツ多数でオーテックの名に恥じないモデルになっているのだ。例えば、サスは専用チューニングされたモノでノートの1520mmの車高に対して1545mmとSUVらしく高くなっている。最低地上高はノートの4WDモデルが120mmだがクロスオーバーは145mmに(4WDは125mmに対して150mm)。パッと見は普通のノートと変わらないかもしれないがフェンダーモールやサイドシルに樹脂製のパーツを使い力強さを強調したあたりは、ボク、シティ派だけれどそれなりの悪路走破性を持ってます感を感じられるはず。車高のアゲアゲだけの専用サスと思ってはイケナイ。パワステのアシスト設定も変更するなどかなり手が入っている。一般的に車高が高くなれば重心が高くなってコーナリングでは大きくロール(傾き)するのだが、このモデルはベース車両のそれとほぼ同じという。またベース車に対して20kgくらい重くなっているがそこは天下のe-POWER、モーターのトルク特性がモノを言ってくれる。コンパクトサイズでSUV風を楽しみたいユーザーにはベストバイかもしれない。

 コンパクトSUV市場でもうひとつ台風の目になるモデルが登場を控えている。間もなく発表されるホンダのZR-Vだ。このモデルは大きくなったヴェゼル(といっても現在ではコンパクトカテゴリーだが)よりもコンパクトなエントリーSUVとしての役割が与えられるという。プレミアムブランドも多く参戦するこのカテゴリー、まだまだ盛り上がっていくのだ!

ダイハツ ロッキーX HEV

全長×全幅×全高 3995×1695×1620(mm)
エンジン 1196cc直3
最高出力 82PS/5600rpm
最大トルク 105Nm/3200-5200rpm
モーター最高出力 106PS/4372-6329rpm
モーター最大トルク 170Nm/0-4372rpm
WLTCモード燃費 34.8km/L
価格 211万6000円から

ダイハツ  https://www.daihatsu.co.jp/top.htm
問 ダイハツお客様コールセンター 0800-500-0182

日産 ノートAUTECHクロスオーバー

全長×全幅×全高 4045×1700×1545(mm)
エンジン 1198cc直3
最高出力 82PS/6000rpm
最大トルク 103Nm/4800rpm
モーター最高出力 116PS/2900-10341rpm
モーター最大トルク 280Nm/0-2900rpm
WLTCモード燃費 28.4km/L(ノートXの数値)
価格 253万7700円から

日産  http://www.nissan.co.jp/
問 日産お客様相談室 0120-315-232

オーテック  https://www.autech.co.jp/
問 オーテックコールセンター 0120-116-527

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。