名車F1のプラモデルを金属パーツの追加でディテールアップ!


金属製パーツの使用で細部の表現をハイクオリティに!

1991年のF1GPシーズンにおいて、開幕4連勝でスタートダッシュを決めたのがマクラーレンホンダのアイルトン・セナ。このままシーズンを独走するかに思われたが、ニューマシンの初期トラブルを克服したウィリアムズチームが猛追を開始し、第6戦から4連勝するなど、本来の速さを発揮。最終的にチャンピオンこそ取り逃したものの、事実上このシーズン後半最速のマシンとして君臨した。それが今回紹介するウィリアムズFW14だ。

 ウィリアムズFW14のメインデザイナーは、前年にチームに加入した新進気鋭のエイドリアン・ニューエイ。“空力の鬼才”と呼ばれるニューエイの先進的な空力思想を、ウィリアムズチームの技術力が高いレベルで具現化したのがFW14で、ライバルチームのマシンをすべて時代遅れにしてしまうほどの完成度を誇った。ウィリアムズチームは、このFW14にアクティブサスペンションを搭載したFW14Bを翌年に投入し、圧倒的な速さでシーズンを制圧するのだが、それもこのFW14の基本的な空力性能の高さがあってのこと。その証拠に、現代F1にもつながる空力デザインがFW14の随所に見られる。

 今回、プラモデルメーカーのハセガワからリリースされる1/24スケールプラモデルのFW14は、既存のキットにディテールアップ用の金属パーツを追加したスペシャルバージョン。ホイール内側のパーツがアルミ製となり、ラジエーター、シートベルトバックル、リヤウイングの支柱などは細かい表現ができるエッチングパーツで付属する。さらにギヤボックス、ホイール、エンジン、エキゾーストマニホールドなどには重厚感のあるメタルパーツが用意され、プラスチックパーツだけでは難しい“彫りの深い”仕上がりを実現している。

 ウィリアムズFW14の快進撃の理由には、先進の空力性能だけなく、パワフルかつコンパクトなルノー製3.5ℓV10エンジンの存在も欠かせない。エンジン単体のパワーを追求するのではなく、マシンに搭載したときのトータルパッケージを重視したレーシングエンジンの先駆け的存在でもあるルノーV10には、当時の最先端テクノロジーが凝縮されている。今回のディテールアップパーツの追加により、このエンジンまわりのリアルさもより高めることが可能になった。キットの完成後には、低く流れるようなフォルムのボディカウルを装着した状態はもちろん、カウルを外した状態での鑑賞も楽しめる。

 1/24スケール「ウィリアムズ FW14“スーパーディテール”」は7月10日ごろ発売予定。キットは組み立て式で、塗料や接着剤は別途用意が必要。カーナンバーやスポンサーロゴのデカール(マーキング)は、1991年のウィリアムズチームドライバーであるナイジェル・マンセル(カーNo.5)とリカルド・パトレーゼ(No.6)の両仕様が付属する。限定販売のキットなので、購入を考えている人は、発売日を忘れないようにしてほしい。

ボディカウルを外した状態。サイドポッドから取り入れたエアをスムーズにラジエーターに導くダクトの形状や、驚くほど低く搭載されたエンジンなど、カウル装着状態では見ることのできない内部構造も精密に再現される。

見どころ満載のリヤまわり。ルノー製V10エンジンをはじめ、スリムなギヤボックスなどが追加パーツによってスケール感豊かに表現されている。この時代から多用されるようになった各種電子機器もサイドダクトに搭載。

キットに付属するディテールアップ用パーツ。そのどれもが再現度を高めるためには欠かせないものばかりで、一つ一つの造形もハイレベル。このクオリティなら、制作意欲もよりかき立てられそうだ。

写真提供:ハセガワ
ハセガワ:http://www.hasegawa-model.co.jp/
製品紹介ページ:http://www.hasegawa-model.co.jp/product/ch49/

【製品情報】

ウィリアムズ FW14 “スーパーディテール”

スケール:1/24
価格:1万4080円
パーツ数:134点
模型全長:172mm
模型全幅:86.5mm

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  • RC(ラジコン)カーの記事を中心に、模型や実車などのメディアで編集・執筆を行うフリー編集者兼ライター。余暇のほとんどを競技用RCカーの走行や整備に費やす立派な(?)ラジコン廃人。9割以上がラジコンの話題で埋め尽くされるブログ「すべては12分の1のために」は、ごく一部の読者に好評継続中。
  • http://1-12thonroad.cocolog-nifty.com/blog

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