【みんなの家 Case.1】ホテルライクな部屋で自分と向き合う 後編

東京・東中野にあるマンションの一室でホテルライクな非日常空間を愉しむ南達也さん。前編に続いて、後編では部屋で愛用しているモノたちを通じて南さんのライフスタイル観に迫ります。

【みんなの家 Case.1】の前編はこちら

最近では家飲みコーヒーやキーボードなど趣味の世界もどっぷりとハマりこんでいるという南さんだが、自身は結構なモノ好き。

「ただ、僕の場合はたくさんのモノがほしいというよりは、1個1個にこだわって、長く使えるモノを揃えていきたいですね。例えばいいコーヒー豆を買って感動したり。紅茶みたいなフレーバーのコーヒーがあるなんて、それまで知らなかったわけですよ。そうするとコーヒー豆はもちろん、淹れ方や道具にもこだわりたくなります。ワインの愉しみもこういう感じなのかなと思いつつ、いいチーズを探してみたりとか。考えてみれば、食べることや飲むことって一生付き合っていくモノじゃないですか」

REISMが手がけたこのリノベーション空間に住んでわかったことがある。

「空間自体がいい雰囲気なので、例えばふつうにニトリで買ったモノを置いているだけでも、いい感じになるんですよ。天井に敷かれたレールにスポットライト的な灯りをつけてみたり。あまり生活感を感じない方がいまの僕はリラックスできます」

幅広で使いやすそうなカウンターテーブルは、もともとREISMが設置したカウンター台に、店で偶然見つけたという高さ、材質がほぼ同じのテーブルを組み合わせたもの。また、L字型のユニークな部屋のカタチをうまく利用して、寝室スペースや洋服などの収納が玄関から見えないようにしているのも、非日常感の演出に一役買っている。

「実家は普通のマンションですが、ココと同じような空間にすることはまず難しいですからね。いくらいいモノを買っても、統一感がないと意味がないとか、そもそも箱である家の空間にポテンシャルがないとダメなんだと思いましたね。一度こういう空間で暮らしてしまうと、もし、次に家を買うことになったとしても、いまの感覚ならふつうの住宅というのは選択肢にはないですね」

REISMは空間の7割をリノベーションで作り込み、残りの3割入居者が自身のエッセンスを加えて仕上げるというスタンスだが、まさに南さんはそれを体現している。意外にも将来的にログハウスでの生活にも興味があるというが、一度、自分の暮らし方に向き合うリノベ住宅を体験しておけば、その後の住まいの選択肢も広がるというわけだ。

仕事ではブライダルギフトなどを手がけるyuiの代表取締役CEOを務める南さん。大学を卒業後、ITソフトの営業を経て4年前に同社を設立した。「30歳までに会社をつくれたらいいなと考えていて、人のご縁もあって29歳のときに起業しました」。

yuiで手がける主力商品のひとつが、ブライダルギフト用のポチ袋。中にQRコードを記載したカードが入っており、そこからアクセスすることで好みの引き出物を自由に選べるという仕組みだ。

「結婚式の帰りにもらう引き出物って結構、かさ張るじゃないですか。そこで、このポチ袋ならゲストが手ぶらで帰れますよ、という提案です」

伝統的な水引デザインをあしらったポチ袋というアナログな要素を残しているのもいい。社名は”結ぶ”に由来しているが、「新郎新婦の人生を結ぶことができればいいなと考えています」。仕事とプライベート、そしてアナログとデジタル。すべてにおいてほどよくバランスがとれているのが南さんのスタイルなのかもしれない。

10年ほど前、社会で働き出した頃からその日に起きたことを記録に残す作業を続けている。

「スマートフォンを使って日記感覚で。その日行った店とか、関わった人のこととか。あくまで自分用でSNSなどで公開するためのものではありません。さまざまなことに対して常にその基準を自分の言葉で持っていたいんですよね。聞かれてとっさに言葉が出てくるのが大事かなと思っています。日々の日記はいざというときの引き出し」

この部屋は南さんにとってリラックス空間にして、自分と向き合いながら1日を静かに振り返るのことができるとっておきの場所だ。

取材協力/REISM http://rent.re-ism.co.jp/

下川冬樹(fuyuki shimokawa)
  • 80’sをこよなく愛するグラサン男。モノづくりやライフスタイルに強いこだわりを持つ人々の熱血応援サポーター。みなさんの熱いハートと想いを写真と文でほどよくゆるくお届けします!