[#160] 世界二輪選手権motoGP@ツインリンクもてぎ

写真と文/モノマガ男(モノ・マガジン編集部)

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サインに応じる中上選手

10月27日の日曜。台風が予定より早く関東を過ぎ、これぞまさしく台風一過の快晴の元、世界二輪選手権=motoGP日本グランプリが、栃木県のツインリンクもてぎで開催された。

オートバイレースはたとえばイタリアやスペインではサッカーと並ぶ熱狂的スポーツであるにもかかわらず、加えて言えば、世界に冠たる4大オートバイメーカーを擁しているにもかかわらず、わが日本では残念ながら「バイク好きだけが観るもの」のまんまである。

でも目を車に転じたところで、F1なら少しは注目されているかも知れないけど、まあ似たり寄ったり。車は作るけど乗るほうの楽しみ方の選択肢にいつまでたっても「レース観戦」が入ってこないのはとっても残念である。(といって私だって、サッカーや野球観戦しないのだからお互い様ってところか?)

だから今回、敢えてこのモウェブの場を借りて、オートバイレースの楽しさ、そしてここツインリンクもてぎの楽しさを伝えたいと思う。

一般的にレースデイに行われるのは3クラスの決勝だ。排気量の小さい順にmoto3、moto2そしてmotoGP。一般的にライダー達はmoto3よりステップアップして頂点を目指す。現在その頂点クラスに日本人ライダーは青山博一選手ひとりだ。

トップ5常連は、スペイン人が過半数で、イタリア人、イギリス人が複数入り、時々アメリカンとかオーストラリアン。イタリアの英雄/生きる伝説「バレンティーノ・ロッシ」ってライダーの名前くらい、聞いたことないかな??

ちなみに上の写真は現在moto2クラスで大活躍している中上貴晶選手。パドックで気さくにサインや記念撮影に応じている様子を横からパチリ。現在21歳。motoGPへのステップアップが予想される日本期待の星である。

車体については、メーカーとして全面参戦しているのがホンダ、ヤマハ、ドゥカティの3社だが、聞くところによると、再来年からスズキが戦いを挑むと言うではないか。こりゃ楽しみ! 一方タイヤはブリヂストンの一社提供となっている。

今回ブリヂストンのプレス発表会にお邪魔することが出来たのだがそれによれば、タイヤはエクストラソフト、ソフト、ミディアム、ハードの4つのグリップが用意され、レースウィーク(予選から決勝まで)には各チームからのオーダーに従い前輪9本、後輪11本の最大20本が供給されると言う。

全18戦ある選手権のサーキットは個々に特色があり、右回り、左回りがおおよそ不均衡だ。だから右回りが多いサーキットの場合は右側をタフにし、比較的使用頻度の少ない左側はタイヤの温度が上がっていなくてもグリップしやすいようソフトにするといった調整がなされるという。ちなみに生産はすべて同社の東京小平工場で行われている。

ところでツインリンクもてぎの楽しさは、実はレース観戦だけじゃない。その間隙を縫ってぜひ見ていただきたい場所がある。何回来ても、何度見ても見飽きない場所。それが「ホンダコレクションホール」だ。

ここはホンダ車のみならず、世界のオートバイや自動車の歴史的名車が実働状態での保管がなされているのが特長で、さすがに触れることは出来ないものの、ガラス越しでなく、間近に見ることができる乗り物好き垂涎の場所なのである。

しかもレースチケットでツインリングもてぎに入場すれば、ホール自体は入場フリーと嬉しさ100万馬力。ひとまず以下にモノマガ男の目に付いたマシンたちの写真を並べよう。事前に一言述べるならば、ここに載せたマシンたちに魅かれるのに、理由は要らない。ハッとしてグッときたらそれでOKなのだ。【右写真参照】

さて、コレクションホールでうろついてしまうと肝心要の決勝レースを見逃すはめになる。早くシートに戻らねば。

前日の土曜までは台風による荒天で予選は一度しか行われず、結果、1位がヤマハのホルヘ・ロレンソ(昨年のチャンピオンだ)、2位がホンダのマルク・マルケス(今年の驚異の新人だ)、3位がヤマハのバレンティーノ・ロッシ(生きる伝説だ)。

ブリヂストンのテラスが1コーナー角にあったため、ケータイカメラでも撮れたのが1周目の第1コーナー写真。【右下写真参照】トップがホルヘ、3位スタートのバレンティーノが2位スタートのマルクをパスしようとしているのがわかる。よーく見ると手前の金網にピントが合っているのはご愛嬌。

約45分のこの日の第17戦日本グランプリは、極めて高度なバトルが展開された実に見ごたえあるものだった。多くのファンを擁するバレンティーノが2度の凡ミスで11位まで転落→6位フィニッシュにはズッコケタが、ホルヘの速さと強さからはチャンピオンの貫禄が存分に示された。この日はホルヘが優勝、マルクが2位となったため、2013年度ライダーチャンピオンシップは最終ヴァレンシアGPまでもつれ込むこととなった。

では最後にもてぎのトピックを掲載して、お仕舞いにしましょ。

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①会場でしか売ってないという地ビール「最速ビール」すごい名前。630円。味は個性的。英国の田舎の地ビールみたい ②パドックで使われていたホンダの電動スクーター「EV-NEO」。レプソルカラーがカッコイイ ③ドゥカティチームのニッキー・ヘイデン選手をサポートしているティソのショップ ④これぞ雲ひとつない青空! ⑤家族連れも、カップルも、リタイヤ夫婦やソロ活動のバイク男子も。たくさんのバイク好きが足を運んでいました ⑥motoGPのオフィシャルカーはBMW。これはそのV12の760Li ⑦パドック内の給油所。なんだかアメリカみたい ⑧バレンティーノ・ロッシファンのおふたり。ロッシファンは熱い!

ちなみに、コレクションホールとは別棟の「ファンファンラボ」では、リターン・トゥ・レジェンドという80年代回顧展が行われていました。この辺の車体に涙目の人も多いはず。

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⑨この日デモランを行った名ライダー、フレディ・スペンサーのマシンたち ⑩レーシングマシンそのまんまスペックで発売されたヤマハOW-01 ⑪小排気量の250ccながら水冷直列4気筒で20000回転近くまで回った超高回転型マシン。ヤマハフェザー ⑫今や所有しているだけでヒーローと呼ばれて過言でない、2ストローク500㏄V型4気筒のレーサーレプリカ、ヤマハRZV500 ⑬これ、、、ですよね ⑭これも、、、ですよね ⑮個人的には、、、、、、この辺が大好物。ホンダCB750FタイプⅢインテグラ ⑯このオシリだけで判ったらすごい ⑰正解はスズキのRGγ500。ライダーは「マモラ乗り」で有名なランディ・マモラ選手 ⑱最後は、オシリつながりで、も一度ホンダNR。

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タイヤと2012年度レプソルホンダチームのmotoGPマシンRC213Vを発表会場に展示していた。間近でホンモノのレーシングマシンを見られて悶絶モノマガ男!

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ホンダコレクションホール

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楕円シリンダーV4エンジンを搭載し1992年に市販されたドリームマシン、ホンダNR。

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16戦中15勝を誇ったマクラーレンホンダのF1カー

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1983年のホンダELF-E。ハブステアに片持ちサスの意欲作。世界耐久ロード選手権参加車。ハブステアは後年ビモータのテージ1Dとして、前後片持ちサスはヤマハのGTS1000として実用化された。

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1981年のマーチホンダ812。黒地に金文字のジョン・プレイヤー・スペシャルグラフィックが印象的。これぞウィングカー!

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1965年。ホンダF1参戦2年目にして初優勝をもたらしたRA272。エンジンはV型12気筒。優勝ドライバーはリッチー・ギンザー。

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出た! 1979年に、世界で初めて楕円ピストンを実用化し耐久選手権に参戦したNR500。そのモデル名から判るように、この13年後、楕円ピストンはNRに搭載され市販される。

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ホンダのF1挑戦は当初、エンジン供給の予定だった。しかし車体チームが不参加となったため、突如としてエンジンも、車体も手がけてのオールホンダ参戦となった。その際に購入して徹底的に研究したのが、当時の傑作マシン、このクーパーT53クライマックス(英国製)だった。

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ブリヂストンのテラスから撮影した1周目の第1コーナー写真。