あのイベントも忘れるな! 不滅のオープン ロードスターRSに試乗!

お好きなベクトルで

クルマ好きにとってオープンスポーツカーは見て見ぬ振りはできない1台。大馬力エンジンや極端に車高が低い、できれば雨の日はちょっと……などなどハードルは高い。しかしながら。ロードスターならばそんなハードルを一気に低くしてくれる。乗車定員分の1泊2日旅行の荷物もトランクスペースに入ってしまうし、公道で楽しめるギリギリの馬力で運転して楽しい。そしてスポーツカーながらも乗り心地がいいので、助手席にゲストを乗せた時も心が痛まない。

そんなロードスターだがジツはキャラ分けがあり、雨天真夏でも実用的なルーフトップのRF、素性の良さがショーブのコレぞロードスターなSグレード、よりスポーティなベクトルのRSなどなど。自分の求めるベクトルのグレードがラインナップされているし、純正オプションだけでなくアフターマーケットのパーツも豊富で、ある意味高級スポーツカーのようにワンオフのクルマに仕上がる。 

試乗車はロードスターの中でも硬派系キャラ、RS。RSは2代目NB型からラインナップされる、よりスポーツ走行に向いたグレードで走りの質を向上させるパーツが多数奢られている。たとえばモデルラインナップ唯一のレカロ製のシートや世界のスポーツカー御用達のビルシュタイン製ダンパーが標準装備などなど、スタミナ系ラーメンの「マシマシ」に通じるようなモノなのだ。

運転席に収まると、ボンネット左右が膨らんでいて車両感覚が掴みやすいそれに安心する。RSはラインナップ唯一のレカロ社製のシートが標準装備される。これが中年メタボ体型な筆者でもしっかりサポートしてくれてシートに起因するような疲れは少なかった。サポート性も良く切り返しの続く山道でも身体が安定していた。

硬派系ロードスター

走り出すと、意外に硬派系だ。ロードスターの良さの一つは乗り心地の良さでもあるが、RSは硬めしなやか系で硬さ具合60%といったところかも。ロードスターは比較的柔らかめな足回りで積極的にクルマの姿勢変化を行い、万人に運転が楽しいと感じさせてくれるがRSでは路面の凸凹やマンホールの段差がダイレクトにくる。

RSは足回りにビルシュタイン製のダンパーを採用し、組み合わされるバネはバネレートを高めて縮み側の減衰力を下げたセッティングという。そのおかげもあってお楽しみのクネッた道では安定傾向。コーナー進入の減速でフロントが沈みこみ、リアが浮ついた状態になる姿勢変化はあるけれども、どっしりと安定傾向で立ち上がる。それでいてクルマの美点でもあるライトウェイト感もキチンと感じられるし、自分の意思がミリ単位も逃さずにクルマに伝わっていく。

「見える、ワタシにもラインが見える!」的旋回が可能だ。このフィーリングはモータースポーツベース車両のNR-Aに限りなく近い。

またSグレード以外のMT車にはアシンメトリックLSD(減速側の差動制限力を強めることで後輪の接地荷重減少による車両の挙動不安定さを少なくさせる)が装備されているのでより安定傾向になる。

引き締まった足回りはハンドリングの正確性、アクセルの応答性もアップさせる。たとえばどこにでもあるようなちょっとしたまっすぐな道。加速するとリアがしずむのだけれど、RSは沈む量が極端に少ないから加速もすぐ。つまりはアクセルレスポンスが上がっていると余計に実感できるのだ。それでいて街乗りの柔軟さは健在。ただしRSは素のロードスターが楽しい、と感じる速度域が若干高めになっていると思う。公道でも十分楽しいのだけれど、「もう少し」が強くなった印象だ。

ウールマーク的エンジン

特別仕様車、PSのデビューに伴ってフェーズ3の騒音規制に対応すべくRSもタイヤ、マフラーをより静かなモノに変更された。

このフェーズ3は国連欧州経済委員会によって規定されたモノで日本もそれに準じている。貨物用、人の輸送用と細かくカテゴライズされるので詳しくは省くけれど、最高出力/車重で規制値が決まっている。その値によってはこのカテゴリーのクルマは70dB以下、コチラは71dB以下ね、など細かく決められている。これを満たさないと販売ができないという厳しいものがフェーズ3の騒音規制だ。

そんな騒音規制に対応するために変更されたタイヤでも従来のフィーリングを出せるようパワステの制御が変わったり、スポーツカーの醍醐味の一つ、エンジン音を車内に伝える工夫がされた。試乗車には最初からインダクションサウンドエンハンサーというシロモノがついている(現在では全車標準装備に)。舌を噛みそうなそのシステムはエンジン音を車内に伝えるモノと思って間違いない。「わかった! 電子サウンドをスピーカーで流すヤツだ」と思いきやロードスターのそれはなんと実際のエンジン音を室内に届けるのだ。いわば100%羊毛のウールマークといったモノ。しかも、試乗車の1.5リッターエンジンは高音系、RFなど2リッターエンジンは低音系を強調させるこだわりよう。クルマとの一体感を聴覚からも楽しめる細かな設定も。

素ラーメンなクルマ

最近はラーメンでも具材のない「かけラーメン」の人気が急上昇。スープと麺でショーブする、という作り手にもハードルが高いモノ。もしかするとロードスターもクルマだけあってこの「はしり」なのかもしれぬ(失礼)。

低重心で、エンジンが前輪の軸よりもリア側に搭載されるフロントミッドシップレイアウト。そして理想的な前後重量バランス。フロントはダブルウィッシュボーン式、リアはマルチリンクのサス。スポーツカーの教科書通りの言葉が並ぶではないか。そして何よりも公道で楽しめるよういたずらにパワーを求めないエンジンに16インチのタイヤ。この16インチサイズもピッタリだ! 

16インチならば、「気持ちよく流せればいい派」も「たまにサーキットを攻めるやや本気派」までタイヤの種類も豊富でリーズナブルなモノも多い。なお試乗車にはレイズ製のアルミホイールとブレンボ製のブレーキシステムがオプションされていた。

乗って楽しいのはロードスターの共通項。ハンドリングやエンジン以外にもソフトトップは慣れれば信号待ちの間でもオープンクローズが可能だし、BoseサウンドシステムがRSは標準装備で、ゲストを乗せている時や流している時はオープンでも音楽を楽しめる。乗れば笑顔になるのがロードスターなのだ。

富士は楽しいゾ!

ロードスター、いやマツダの一大イベントがマツダファンフェスタ。今年は10月3日(土)、4日(日)と開催される。会場限定のオリジナルTシャツやタオル、トートバッグの販売はもちろん、「お宝品」イベント的になんとマツダ社内で眠っていたオブジェや書籍などの掘り出し物の販売や、前売り限定商品の「コスモスポーツ マラソン・デ・ラ・ルート仕様」のオリジナルトミカも数量限定で販売中だ。オリジナルトミカの詳しい情報は下記のマツダファンフェスタのHPより「おすすめ情報」、「オリジナルトミカ情報」を確認して欲しい。

そしてマツダファンフェスタといえば、メディア対抗ロードスター耐久レース。今年もチーム・モノマガジンTVの参戦が決定! モノTVで登場する豪華メンツが集合、完走を目指して爆走予定! もちろんピットでは……。ぜひお越しください!

ロードスターRS

価格374万円から
全長 × 全幅 × 全高3915 × 1735 × 1235(mm)
エンジン1496cc直列4気筒
最高出力136PS/7000rpm
最大トルク152Nm/4500rpm
WLTCモード燃費16.9km/L

マツダ
ロードスター
マツダファンフェスタ
問 マツダコールセンター 0120-386-919

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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