
山口県にある岩国基地は、全国的に見てもユニークな場所と言えます。
この基地は、洋上に造成した滑走路があり、海上自衛隊や米海軍、米海兵隊が航空部隊を配置しています。さらに、民間機も乗り入れています。滑走路の長さは2440mです。この長さは地方空港としては標準的です。しかしながら、前述のように、軍用空港としてみれば日本有数の場所と言ってもいいでしょう。
米海軍については、横須賀を母港とする空母「ジョージワシントン」の艦載機部隊であるCVW-5(第5空母航空団)が所在しております。隷下にはF-35Cを運用するVFA-147(第147戦闘攻撃飛行隊)が含まれています。米海兵隊については、第1海兵航空団隷下の航空部隊が所在しています。その中にはF-35Bが含まれます。というこで、岩国基地には、世界最新鋭のF-35のうち2種類が揃っていることになります。
海上自衛隊も実に特徴的な部隊が配置されています。
それが第31航空群です。隷下に第71航空隊、第81航空隊等が編成されています。
航空集団直轄の第111航空隊も配置されています。

第71航空隊は、救難飛行艇US-2を運用しています。同機を配備するのはこの部隊だけです。US-2は、新明和工業が開発・製造している救難飛行艇であり、文字通り海の上に着水し、さらに離水することが出来るので、滑走路を必要としません。着水距離は310m、離水距離は280mとかなり短い距離での離発着が可能であり、数値上では上野の不忍池にも降りられる計算です(実際には無理ですが…)。さらに航続距離も長く、最大で4700㎞も飛ぶことが出来ます。
US-2の本来の任務は、敵の攻撃や事故等により、墜落した友軍機パイロットの捜索救難です。そこで、海を滑走路代わりに離発着できる機能が必要不可欠となります。さらに、日本領海内であれば必ず救助の手を差し伸べることが出来るように、長距離を飛べる必要があったわけです。また、低気圧の上を飛んでいけるほど高い高度も飛行できるので、運用するにあたり天候の影響も受けづらくなっています。


第81航空隊は、“アヤシイ任務” に就く機体を運用している海自唯一の部隊です。この部隊の主な任務は、電子戦データ及び画像データ収集、艦艇部隊の電子戦訓練支援及び対空射撃訓練支援です。そうした任務を遂行するために、画像データ収集機OP-3、電子情報収集機EP-3、電子戦訓練支援機UP-3などが配備されています。いずれも哨戒機P-3Cをベースとしていますが、背中にはコブのようなレドームがあり、デコボコしているのが特徴です。なお、海上自衛隊では、これら機体をまとめて多用途機と位置付けています。

第111航空隊は、航空掃海輸送ヘリMCH-101並びに多用機CH-101を配備しています。これら機体を運用しているのも全国でこの部隊だけです。
航空掃海とは、海中や海底などに仕掛けられた機雷に対し、航空機を使い処分する任務のことです。この航空掃海自体が、今では非常に珍しく、主として実施しているのは日本ぐらいです。米海軍も航空掃海用のヘリを配備していますが、ここ最近は航空掃海訓練を実施している様子が見られません。またCH-101は、南極観測船こと砕氷艦「しらせ」で運用する輸送へりです。第111航空隊が管理していますが、運用するのは「しらせ」飛行科となります。
というわけで、岩国基地に配備されている航空部隊は、いずれも “ここだけ” の限定航空機を運用しているわけです。これが全国的に見てもユニークな場所と言われる所以です。




















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