レザーソムリエ・マキマキの
ゆったり革講座 Episodo02

2021.08.06

『レザークラフト編:レザークラフトを始める前に知って欲しい事』


 こんにちは!!革好きマキマキです。今日の講座は『レザークラフト』です。家にいる時間が長くなり、新しい趣味でも始めようという方もこの一年半で増えてきたんではないでしょうか。僕の周りで多いのはレザークラフトのセットを買ったまま、何年も放置していたので、もう一回始めたい!!という人。革関係の仕事の僕にとっては嬉しい限りなんですが、そもそもレザークラフトの種類や、つくれる作品の種類など意外に複雑です。今回はその辺をお話ししていきたいと思います。

レザークラフトと一言に行っても色々あります。まずは手で針を使い縫っていく『手縫い』。ミシンを使うこともあります。革に刻印で模様をつけていく『カービング』。染色して楽しむ方もいます。まあ、全てハンドクラフトですが、僕なんかはカービングや染色はしません。染色等は少しアーティスト的な要素があるのかな〜と思います。

皆さんが初めにレザークラフトでやる事は手縫いだと思います。ミシンの方もいるかもしれませんが、ミシンも奥が深いので、今度じっくり書きたいと思います。で、手縫いなんですが、正直手縫いでなんでも作れます。

よくミシンがないと作れないよね、なんて言われますが、むしろミシンの種類によっては作れない物がありますし、技術と金もかかります。

革は一度穴を開けるともう元に戻りません。ここが初めての方にはネックかなと思います。しかし手縫いだと1針1針、狙った場所に穴を開けることができます。ということは慣れてくれば立体物も失敗しないで出来ます。

もう一つ重要なのが、革の厚みです。これ、作品にめちゃ関わります。薄い方が縫いやすいし、厚い革は穴が開けづらいです。作品によって厚みは変わるのですが、ではどの厚みがいいのか。それは僕的には1mm〜1.3mmです。ヤフオクや浅草の革屋さんなどに行けば結構革の端材も安く買えたりします。そこで1~1.3mmを選んでもらえればグッと失敗が減るはずです。

あと、初めての方は特に自分で革を薄くするのは、ほとんど無理だと思ってください。革を漉く道具は色々ありますが、手動の革漉きはほぼ失敗します。ストレスなく作業するために初めは薄い革を買いましょう。

上達すれば立体物も手縫いなら作れます

道具はセットで販売しているもので良いと思います。ハマれば間違いなく買い増していくんですが、菱目打ち、目打ちなど僕は今でも始めた頃のものを使っていますので、高級な道具であれば使いこなせるわけでもないです。カメラと一緒で性能がよければ上手くなるわけでもありません。手縫いで縫えばどのような構造になっているかを理解できます。そうすると、欲しい道具も増えてきます。

なので、初めての時は1.3mmの革で手縫いでつくる。あとは最初から大物を狙わない。二本針で縫う場合は縫う距離の4倍の糸が必要なので糸が引っかかりやすくなるので、バッグなどの大きい作品は避けましょう。型紙付きの本を買うのも上達の一歩ですよ。

最後に、作った作品はちゃんと使うか、誰かにあげましょう。何度も作ると上達するのが早いですよ。ぜひチャレンジしてみてください。

次回も革にまつわるお話しをしていきたいと思います。

  • 1977年生まれのバリバリ氷河期世代。19歳から靴屋のバイトを初めて、そのまま靴、革にどっぷりハマる。靴メーカーやベルトメーカー、靴の組合など、とにかく革がある場所で革の知識だけでなく、売り方やマーケティングを学ぶ。レザークラフトの作家としても活動中。主な作品はレザーベアー。手縫いをこよなく愛するLEATHER ARTIST。 現在はフリーランスで革関連会社のアドバイザー、革、靴、BAGのライターそしてレザークラフトなどをして、日々革について精進中。

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