海野大「輔」のクルマの愛し方:来年には無人のタクシーが東京を走る! かも

レベル4の解禁!

レベル4の解禁とかいうとRPGでスゴイ技を獲得したような雰囲気だけれど、違う。今回のレベル4は2027年に日本初となるドライバー乗車なしの無人タクシーが運行される見通しになってきた方なのだ。この事業は配車アプリ「GO」、アメリカのアルファベット傘下の自動運転車開発企業「Waymo(ウェイモ)」、日本の大手タクシー会社「日本交通」3社の協業によるモノ。まずはWaymoの社員向けに試験運用を行い、その後は一般顧客向けにサービスを開始するという。

今回3社が発表した無人タクシーはレベル4相当の自動運転。これは2023年4月の改正道路交通法で許可制度ではあるけれども既に認められていた。そして2025年時点では港区や新宿区など都内7区での公道試験走行が開始されていた。

クルマは車内に運転手が存在しない。安全面ではどうなのよ、という超保守派の意見も尊重するのが日本のオヤクショなのだけれど、2027年に運用開始予定のソレは無人というから見た目のインパクトも大きい。

安全面での対応は「特定自動運行実施者」が遠隔操作を行い、安全確保と万が一の時の対応義務を負う。それでも万が一の場合は、今現在の発表範囲だと当初は普通の有人タクシーと同程度で運営社が責任を持つという。なおこのレベル4自動運転タクシー、国が2030年までに自動運転バスを含めて全国で1万台規模に増やす目標を掲げている。

さて「無人」ということは自動運転でいえばレベル4相当になる。ここで自動運転のレベルの違いをみてみると、

レベル1 
運転の主体は人。制御は縦、横方向のいずれか1つ。縦方向ならば自動ブレーキや前のクルマについて走るなど。横方向ならば車線からはみ出さないようなレーンキープアシストなどがこれに相当する。

レベル2 
レベル1の縦方向、横方向を組み合わせたり、特定条件下での自動運転機能を有したりする。最近では部分運転自動化の2+から条件付きではあるけれど、ハンズオフ運転の可能な2++まで範囲が広くなっている。

レベル3
運転の主体は人からシステムに変わる。そのシステムが運転タスクを実施するが、システムの介入要求に対してドライバーの対応が求められる。

レベル4
システム主体の運転。特定条件下ですべての運転タスクをクルマが実施する。

レベル5
常にシステムがすべての運転タスクを行う。完全な自動運転。

となっている。

日本ではレベル2相当のシステムはもはや多くの車種が対応しているのは周知の通り。また一歩進んだステアリング操作から解放されるような「ハンズオフ」機能搭載車も最近は増えている。

例えばトヨタのアドバンストドライブ。クラウンやアルファード/ヴェルファイアといった高級・先進性を売りにしているモデルならわかるけれど、比較的お求めやすいノアやヴォクシーにもオプションで装着可能。このあたりはライバル車のセレナを意識したようなしないような、オトナの事情もありそうだ。

トヨタの上位ブランドにあたるレクサス車はほとんどのモデルで渋滞時はハンズオフが可能になっている。

そして国産車初のハンズオフ走行を実現したのは日産のプロパイロット2.0。当初はスカイラインに設定されていたが、今ではセレナやアリアなどなど対応車種が増えている。

ホンダではアコード、スバルはアイサイトX装着車ならば渋滞時などの低速域ならばハンズオフが可能。レヴォーグやソルテラといった主力車種に用意されている。

一方、輸入車勢はBMWは多くのモデルに、MINIはカントリーマンに搭載される。海外ではもう少し多くのメーカーがあるけれど日本の電波法との兼ね合いもある。

レベル3は唯一あのクルマ

レベル2までは上記のように市販車でも探せば結構あるけれど、一つ上のレベル3で市販されたのはホンダ・レジェンドだけだ。「ホンダ・センシング・エリート」を搭載し、リース、限定モデルという形で2021年に登場。

日本ではレベル3の自動運転には条件がある。システムの作動状況を記録する装置の搭載、ドライバーの状況を監視するモニタリング機能やシステムなどの不正アクセスを防止するサイバーセキュリティ機能を有したり、システムから運転支援操作の引き継ぎ要求にドライバーが反応しない場合、クルマを安全に停止させるミニマム・リスク・マヌーバー機能を搭載させたりするというモノ。これらは実際の走行に深く関わってくるのだが、もう一つオマケ的なモノも。自動運転車であることを示すステッカーの貼付も義務付けられている。

レジェンドのスゴイところは高速道路や自動車専用道路で一定の条件を満たした場合に渋滞時の運転をシステムが行なってくれる。システム作動時はハンズオフはもちろん、ナビの操作やドライバーがDVDの鑑賞も可能。また渋滞時ではあるけれど、設定速度以下で走行する前走車の追い越しもクルマが自動でやってくれる。

ヒトだけでなくアレもないタクシーも!

頃を同じくしてアメリカのEVメーカー、テスラがロボタクシー専用設計車両、サイバーキャブを日本で初公開した。同車は自立型ライドヘイリングサービス「ロボタクシー」の専用車両でドライバーは乗車しない。サイバーキャブは今年9月からアメリカ・テキサス州オースティンの一部で運行が開始されている。

それにしてもコレがタクシーか、と思うようなデザイン。目をひくゴールドのボディは樹脂製でジツは塗装が施されていないモノ。上に開くバタフライドアはスポーツカーっぽいし、車内を見るとステアリングやブレーキといったクルマの操作に関わるモノも付いていない。数年前、モデルYなどでウィンカーレバーやワイパーレバーがない室内にびっくらこいた記憶はあるけれど(最新モデルはウィンカーレバーは復活)このサイバーキャブはその数段上をいく。

また同車はタクシーながら2人乗りというのもポイント。その分車内の広さが体感できるという。荷室は572リットルと定員分としては十分以上。

来年からの自動運転タクシー開始も視野に含めた公開なのだろうけれど、日本ではなかなか難しく、導入はされない。テスラ側はいまあるモデルの延長線上ということ、未来像の一つ、新しい移動手段の一つとしてテスラの道を示した感じだ。意外にも未来は近かった!?

テスラ

海野大介(daisuke unno)
  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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