[#124] 3M「ジグソーパズル型スポンジ研磨材」にびっくり

写真と文/モノマガ男 (モノ・マガジン編集部)

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ずいぶん以前、おそらく10年位前に買った柳宋理のヘアライン仕上げのケトルを使っている。個人宅の普段使い程度では別段壊れるはずもなく、ただ1度だけ、半年前にフタの取っ手を新しい部品に付け替えた。

でも全体は茶色く色づいてしまっている。これは素材のステンレスのせい……ではなく、わたしの迂闊のせい。実はかつて空焚きをしてしまったことがある。そのせいだ。【写真1参照】

クレンザーやジフなどで磨いてなんとかこの黄ばみを落とそうと最初は思ったがぜんぜん歯が立たず、その後は「これもまた年季のうち」と解釈し、気にしなくなった。

実は柳宋理カトラリーの製造元では磨きなおしのサービスがある。これに出そうかとも思ったが、期間が少しかかるのと、「¥」ももちろんかかるので、まあいいかとなっていたのだ。

さてそんなこんなで先週末。編集部後輩よりこいつをいただいた。ポストイットで有名な3Mの「ジグソーパズル型スポンジ研磨材」である。【写真2参照】

説明すると・・・しなくてもわかりますね。そういうカタチした、そういう研磨材です。研磨材の目は、荒目から極々細目まで5種あり、当然ながら荒い方から細い方へ使い、仕上げていく。そのままでも水に浸しても使えるが、水をつけたほうが指へのアタリもソフトでよいように感じた。

で、試供品をいただいたはいいが、モンダイはナニに・ドコに使うかである。

・・・そうだ、積年の課題があった。

日曜夜、びふぉああふたーが始まるまでの1時間。そんなスキマをぬって着手することにした。BGMはちょうど全曲それくらいかかるラフマニノフの交響曲第2番。念のため、指揮者は尾高忠明、オケはBBCウェールズナショナル管弦楽団である。

あますぎるメロディーが隣室より漂う中、わたしは研磨材の封を切り、1ピースを取り出した。中目。にわかに弾力があり滑りにくいようだ。【写真3参照】

先だって交換したばかりのなべぶたのノブを外す。さっと水にぐぐらせ3Mを出撃させた。シャリ、ジャリ、シャリ、ジャリ、と軽めに指先を往復させる。「おや」と思う。黄ばみが心なしか銀白色になっている模様。ちょっと力を入れてやってみた。

す・ご・い・ん・で・す・け・ど!

もう興奮しちゃって、阿呆みたいにシャリ、ジャリするとステンレスの白銀がよみがえってきた。そうそう、買った時はこんなだった。あのころ君は若かった。

上面、中面ともに研磨し、凹凸が多い側面もなんとかこなして一休み。

続いて本丸たるケトル本体に移る。

こちらは外せる部品はないのでそのまま。まずはもっとも変色・キズがおおい底面から。このあたりで「これってもしかして、モウェブ(本ウェブですね)のネタになるんじゃね?」と気づいたので、写真を撮った。(ちなみにカメラはオリンパスE-PL1+ズイコーデジタルM45㎜F1.8である。)ふた単体の写真がないのはそういうわけだ。

底はただでさえ五徳とぶつかって傷などできるが、やはり黄ばみが激しい。そりゃそうだ、毎回炙られてるんだから。アチチ。

わかりやすいように半分こすってみた。わかるわかる! こりゃすごい! なんか海外の通販番組みたいになってきたぞ!【写真4参照】

これより以降は同じことなのでレポートはしませんが、気づけはラフマニノフは終演し、びふぉああふたーは放映開始しており、というわけでミッションコンプリートまで要した時間はおよそ70分。使用した研磨材は4枚。時につまみ、時に手のひらに当て、時に左手でもってこすりこすり、その成果がコチラ!【写真5参照】

びふぉああふたーさながら、この写真もわずかにあふたー写真の方が露出が明るい気がするが、確かに1/3ほどシャッタースピードが遅いが、いやいや、現物を目の当たりにしているモノマガ男にしたら、これ、ほぼ別人ですよ! ワキメもふらず磨き続けたおかげで両手先が妙な筋肉痛を起こしているが、(おかげでキーのミスタッチばかりしている)、ソンナコトには代えがたい満足を獲得し、立川駅キリンコーヒーで購入している武蔵野ブレンドを淹れた。ちょっとまった! 実はもうひと手間ある。

磨くということは金属の表面をわずかに削っていることであるからして、その細かな細かな金属の粉がケトルに残るので、食器用洗剤をつけたスポンジで入念に洗う。私は持っていないが、食洗機ならもっと効果的に金物っぽさを落とせることだろう。

とまあ、そんな70分+αの死闘ののち淹れたコーヒーの美味かったこと。まさしく「なんということでしょう!」だ。

最後になってナンだが、この製品、なんと1994年に発売されて以来のロングセラーだそうで、今回の製品はその研磨剤の性能はそのまま、一般コンスマーに使いやすいようジグソーパズル型にプレカットしたものだ。3Mオンラインストア価格で525円である。が、今回私が得たシアワセは、“世界一幸せな国”ブータン級であったことを告白し、今回のモウェブを閉じたいと思う。

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【写真1】ご覧下さいこの黄ばみ方! 迂闊に空焚きした私の責任である。

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【写真2】荒目から極極細目まで5種類展開。

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【写真3】存外耐久性が高く、使い勝手も良い。

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【写真4】見りゃ判ると思いますが、右半分が研磨後。一目瞭然。

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【写真5】俄かには信じがたいこの変貌振り。本当です。私を信じて!