【モノ・マガジンTV】
オトナの工場見学
第10回:オーダーシューズショップ兼靴修理店「FANS.浅草本店」を訪ねました


「モノマガジンTV」連動 レザーソムリエ西牧の工場見学ツアー!!

こんにちは。今日は「YouTube・モノマガジンTV 靴の工場見学#10 FANS.浅草本店」です。WEB版では文字起こしの解説や裏話など、読んでも楽しい「レザーソムリエ西牧のじっくり動画解説と裏話を今回もお送りいたします。

靴といえば浅草!! ということで、今回はFANS.浅草本店にやってまいりました。ここは靴業界では「ラストの神」ともいわれている荒井弘史さんがオーナーのオーダーシューズショップ兼靴修理店です。

荒井さんは自らラスト(木型)を削り、オーダーシューズを制作しています。浅草の浅草寺の奥に「荒井弘史靴研究所」があり日々、靴の研究をされているまさに神がかり的な存在の方です。

店内は靴屋とは思えない独特の空間が広がります。販売と修理を同時に兼ね揃えた靴のトータルサポート店をR&Dさんと共同で作っています。購入した靴を修理してまた使用する・・・気に入った靴がなければオーダーで作成することもできる・・・ずっとお気に入りの靴を愛用できるように、と考えられたお店なのです。そしてテーマが「スローリビング」。スローな消費、長く使用できる使い捨てじゃないアイテムを提供するというのが荒井さんのこだわりです。僕じゃ全く考えつかない、すごいテーマ!!

靴という漢字は革が化ける。革が化けるんだからモンスターだ!! ということで、荒井さんは自身の作品の靴をモンスターと呼んでいます。うん、すごい発想です。なんか感動しました。

それではモンスターを見ていきましょう。画像のレンガを積んでいったようなデザインは、小さく切った革を一枚一枚貼り付けたもの。そしてもう一つは革を薄く漉いた時に出る裁断クズを何枚も貼り合わせて作ったものです。使えない、捨ててしまう部分を再生して使用することがまさにリビングデッド「モンスター」と荒井さん。さすがです。動画では色々な荒井さんのモンスターを紹介していますので、チェックしてみてください。

そしてもう一つの特徴が採寸して自分だけの一足をオーダーできることです。いつもの如く採寸されるのは、モノ鈴木さんの足。相変わらず特徴のある足ですね。採寸してサイズを合わせます。こうすると、自分が思ってるサイズと大分違うことがよくわかります。一度は採寸しておくと結構人生変わりますよ。

FANSのもう一つの特徴である修理。店内には靴を修理する八方ミシンがあり、お気に入りの靴をもう一度甦らせることができます。モンスターは何度も復活するのです。

そしてモンスターの餌も販売しています、もといシューケア用品です。自分でケアをすることで、愛情が深まりますよね。FANSさんではケアの相談もしているとのことなので、ぜひお立ち寄りください。

ちょっと気になったのが、サンダルの手作りキットが販売されていたんです。荒井さんプロディースのレザーサンダルキットはかなりの本格的サンダルが誰でも自分で作れるというもの。詳しくは動画をチェック!! 個人的にかなり好きです。

コチラでネット通販もやってます→Ofsl

話は修理に戻りますが、実は修理している場所は別のところにあります。今回は特別に潜入させていただきましたので、こちらは動画をみてください!!

いかがでしたでしょうか。今回は荒井さんの全てを知るには時間が足りませんでした。もっと知りたい方も、特別な一足を探している方もFANS.浅草本店に行ってみてください。新しいモンスターに出会えます。

WEBマガジンでは、工場見学ツアーなど動画配信したものをレザーソムリエ西牧が記事にしてお送りしています。裏話など動画では配信できない情報も提供していきたいと思います。ではまた読んでくださいね!!

西牧正晴(masaharu nishimaki)

1977年生まれのバリバリの氷河期世代。19歳から靴屋のバイトを初めて、そのまま靴、革にどっぷりハマる。靴メーカーやベルトメーカー、靴の組合など、とにかく革がある場所で革の知識だけでなく、売り方やマーケティングを学ぶ。レザークラフトの作家としても活動中。

現在はフリーランスで革、靴、バッグのライター・フォトグラファー、皮革アドバイザーなどをして、日々革について精進中。

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