今年はイタリアンSUVが熱くなるゾ!
アルファロメオ トナーレ
マセラティ グレカーレ


 SUVは今も人気である。同じ人気の高さでいうならばアイドルグループよりも見る機会は多いし、下手な政治家よりも使い勝手がいい。そして今、高級車ブランドとして名高いアルファロメオやマセラティといったイタリアのSUVが激アツだ。スポーティなイメージのあるイタリアンブランドの雄であり、およそSUVとは縁のないようなメーカーかもしれないが、それぞれSUVをラインナップに揃えるほど。そして今回は両ブランドが発表したニューモデルをご紹介。フルモデルチェンジとかではなくブランニューモデルなのだ! しかも高級車らしく価格もドーン! 的なお値段でなく、ブランド名を考えるとかなりなリーズナブルになりそうなのだから穏やかではいられない。

 まずはアルファロメオ。ブランド初のSUVとしてステルヴィオがあるが、今回はその弟分、否、アルファだけに妹分になるモデルが登場。その名はトナーレ。

注目はなんと言ってもそのパワーユニットだ。アルファロメオ初のハイブリッド、プラグインハイブリッドを採用している(一部のマーケットには従来通りの内燃機関だけが用意される)点だ。前者には130PS/240Nmのスペックを持つ1.5リッターの直4ガソリンターボに20.4PS/5.6kgmのモーターを組み合わせたモノ。そのハイスペック版はエンジン出力が160PSに。またトナーレのハイブリッドは多くの欧州車のようにマイルドハイブリッドではなく、EV走行も可能にしている。一方、プラグインハイブリッドの方は180PSを誇る1.3リッターの直4ターボ搭載。駆動方式もハイブリッドモデルの方はFF、プラグインハイブリッドの方はエンジンが前輪を、モーターが後輪を受け持つ4WDを採用するなど異なっている。ちなみにプラグインハイブリッドのシステム合計出力は275PSとステルヴィオに迫る。ついにアルファロメオも電動化か、と嘆くことなかれ。「らしさ」は残っている。まあ乗ってみるまでは憶測かもしれないが、メーカー発表では「アルファらしい操縦性」に重点をおいて開発されたという。モーターやエンジン、それのターボ技術やシャシーなど相性にこだわってのブランニューだ。古くからの愛好家はその昔技術力重視で経営難が……と心配される方もいるかと思うが、このコスト至上主義や絶対的環境政策の時代になんとも心踊る話だ。操縦性という面ではマニアック的な視点だとステアリングギア比が13.6:1とかなりクイック、すなわちSUVでもコーナリングの楽しさは間違いなくあると思われる。

わかっている本国仕様のボディサイズは全長4530×全幅1840×全高1600(mm)

 そしてもう一台のニューカマーはアルファロメオ同様に創業100年を超える老舗のマセラティだ。マセラティもSUVモデル、レヴァンテをラインナップに加えているが今回発表されたのは、その弟分になるグレカーレ。

 これはレヴァンテよりもひとまわりコンパクトだが、全幅は最近のクルマらしく1948mmある。昨今のクルマからすれば十分許容範囲だろうか。発表されている本国仕様のボディサイズは全長×全幅×全高:4846×1948×1670(mm)。レヴァンテよりコンパクトとはいえこの3サイズからいうなれば、前出のアルファロメオのSUVのフラッグシップたるステルヴィオよりも少し大きい。イタ車の命とも言えるパワーユニットだが3つのグレード(GT、モデナ、トロフェオ)で異なる。GTはガソリン仕様の2リッターの直4ターボにモーターを組み合わせたハイブリッド、300PS。

モデナにはGTと同じエンジンながら330PSの「マイルド」ハイブリッド仕様。そしてモデルのイメージリーダーになる「トロフェオ」にはあのMC20の3リッターV6ツインターボをベースとしたエンジンが搭載され、530PSの最高出力を誇る。来年以降にはBEV(バッテリーの電気自動車)もラインナップに加わるという。

エクステリアもMC20をイメージするフロント周りのデザインやCピラーにはお約束のマセラティのトライデントが輝く。

もちろん、インテリにはデジタルになったけれどセンターの円時計は健在。

気になる日本導入の時期だが、アルファロメオは年末くらいという噂だし、マセラティの方は6月より国内でのオーダーも可能になり、来年の上旬には納車が始まるといわれている。個性にこだわるモノマガ人は続報を待つべし!

アルファロメオ https://www.alfaromeo-jp.com/
問 Alfa Contact 0120-779-159

マセラティ https://www.maserati.com/jp/ja
問 マセラティコールセンター 0120-965-120

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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