ミシュラン獲得店の寿司が回転するの?
表参道「廻転鮨 銀座おのでら本店」に行ってみた

2022.02.17

回転寿司の印象を変えるラグジュアリー感ある店内。

店内の雰囲気もどこか高級感があり、広々としています。カウンターの中には数人の“職人さん”がいて、活気があるのもいい感じです。店舗の入口に受付用の発券機があり、混雑時は番号の書かれた券を受け取って順番を待ちます。順番になったらいよいよカウンターへ。

オーダーはタブレットで(画面は取材時のメニュー)。

テーブルに置かれたタブレットから注文できるスタイルで、回転寿司といえども、好きなネタを握りたてで食べることができます。こちらのイチオシはまぐろ。豊洲の有名仲卸「やま幸」の本まぐろを使用。まぐろには並々ならぬこだわりを持っています。実は2021年から2年連続で、豊洲市場の初競りで一番まぐろを落札したそう。そんな吟味されたまぐろが回転寿司で食べられるなんてすごいですよね。

豊洲の有名仲卸「やま幸」の本まぐろ。

ということで、自慢のまぐろはグランドメニューとして、いつでも食べられるように用意されています。「やま幸 本まぐろ大トロ」(一貫930円)、「やま幸 本まぐろ中トロ」(一貫620円)、「やま幸 本まぐろ赤身」(一貫420円)、「やま幸 本まぐろ赤身漬け」(一貫510円)、「やま幸 本まぐろ中落ち軍艦」(二貫620円)と、回転寿司としてはなかなかの高額ですが、銀座の寿司店で食べることを考えると、安心価格。

見よ、この美しさ! 美しいものは美味しい!

そして、実際に食べてみると、この値段に納得の味。簡単に“とろける”などと言いますが、これこそ、本当にとろける美味しさ。まぐろの旨みと脂の具合が本当に心地良く口の中に広がり、思わず口角が上がります。

まぐろが美味しいってこういうことなんだ、と改めて実感。まぐろそのものの味もありますが、見てのように包丁を入れていて、これがとろける感じや味にいい影響を与えています。こういうのが職人技ということなんですね。というか、それが回転寿司で体験できるというのがスゴイ。

「やま幸 本まぐろとろたく細巻」(一本720円)

赤酢を使ったシャリとまぐろの味わいがたまりません。大トロ、中トロ、赤身、そして赤身漬けと、それぞれに違った美味しさが体験できます。まぐろ好きなら、ひと通り満喫して欲しいところ。そして、意外とまぐろの美味しさを感じられるのが“とろたく”。大葉が一緒に巻かれていて、上品な巻物になっています。

自家製小肌(一貫320円)。

江戸前のネタといえば小肌も外せません。光り物が苦手という人もいますが、こちらの小肌はぜひ食べて欲しい一品。魚の味わいがしっかり感じられ、当然くさみなどもなくて、本当に美味しい。やっぱり、美味しいものは美しいというビジュアルにもうっとりします。

「真あじ」(二貫420円)

光り物好きとしては、ほかのネタも試してみたい。と「真あじ」(二貫420円)と「真いわし」(二貫420円)を追加。やはりそれぞれ包丁を入れていて、見た目も美しく、脂ののりもよくて、見るからに美味しそう。

「真いわし」(二貫420円)

いわしのこの身の大きさにも感激。しゃりが見えないくらいのネタで、脂のとろける食感は食べた人を虜にしてしまう美味しさ。鮮度が問われるネタこそ、職人技が光ります。

そして、もうひとつ。江戸前で欠かせないのが穴子。「自家製煮穴子」(一貫620円)は、職人の“しごと”が施された、お店を代表するネタのひとつ。ふっくらと煮上げた穴子に、自家製の“ツメ”。この甘たれにもこだわりが表れています。口の中で身がほどけていくようなふんわり感とたれの絶妙な組み合わせがたまりません。

「あら汁」(420えん)の具だくさんぶりに驚かされます。

お寿司と一緒にオーダーした「あら汁」(420円)も、すごい具のボリューム。数種類の魚が入っていて、身もたっぷり、出汁も旨みも凝縮されていて、これだけでも満足感がある一杯。トッピングされたネギと芽葱がいいですね。

目の前で握ってくれます。

好きなネタ「えんがわ」(二貫420円)も忘れずオーダー。回転寿司とはいえ、好きなものをオーダーし、目の前で握ってもらえるライブ感は特別。職人さんの動きを見ているのも楽しいですね。

㈱ONODERAフードサービスの代表・長尾真司氏

オープンして約4か月の「廻転鮨 銀座おのでら本店」。現在の状況について㈱ONODERAフードサービスの代表・長尾真司氏に伺いました。「『鮨 銀座おのでら』のDNAを受け継ぎ、職人の技をより多くの人に体験してもらいたいという思いでスタートした店舗ですが、オープンから多くの方に注目していただき、ご来店いただくお客様も増えてきています。職人が握る江戸前鮨を1貫から手軽に食べられること、予約しなくても気軽に利用できることに好評いただいています。また、日々、様々なイベントも行っているので活気ある店舗として認知いただけているのではないかと思っています」。

実際に訪れた日も、表参道という場所柄もあるのか、お客さんは若い方も多く、女性が多い印象でした。これについても「女性のお客様の率が全体的に高い印象です。銀座ではコースで利用する方が多く、コースの場合は2時間程度の滞在時間ですが、回転寿司というスタイルでは滞在時間は1時間程度」(長尾さん)。食べたい物をできた順に提供されるので、若い人でも利用しやすく、女性でも食べられる量を調整しやすいのがいいのかもしれません。

「お客様の滞在時間が短いことで、銀座本店に比べるとお客様の回転が早いのも特徴です。それにより、より多くのお客様をお迎えすることができます」(長尾さん)。

個室も完備されています。

メニューには1皿ごとの価格も明記されていて、タブレットでは途中でもいくらぐらい食べたかもわかり、割り勘機能もついています。値段が書かれていないメニューや“時価”の文字がなくても、美味しいお寿司が食べられるというのはうれしいことです。

大人が気軽に足を運べる「廻転鮨 銀座おのでら本店」。デートや家族での食事はもちろん、個室もあるので仕事の会合やちょっとした会食でも利用できるのもいいですね。「銀座おのでら」が目指す“本物への徹底したこだわり”を、大切な人と分かち合える場として覚えておきたいお店です。

公式サイト: https://onodera-group.com/kaitensushi-ginza/

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  • 好奇心旺で、食べることが大好き。新商品や限定品にめっぽう弱く、ジャンルを問わず常に情報を集めてはトライ。地方の食材や調味料も発掘も楽しんでいます。また、北欧、特にフィンランドが大好きで、現地の蚤の市などではヴィンテージハントにハマっています。サウナも好きで週1~2回のサ活中で、フィンランドでは念願のサウナから湖へのダイブを体験。日々、美味しいものを求めながら、北欧雑貨とムーミンに囲まれて暮らしています。

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