バイエルンのエンジン工場製「E」V
BMW iX


 BMWのプラグインハイブリッドや完全なEVで構成されるiブランド初のSAVモデルがデビュー。
皆さまご存知の通り、BMWは世間一般的に言われるSUVモデルをSUV(スポーツユーティリティビークル)とは言わずにブランドのCFを表すようにSAV(スポーツアクティビティビークル)と表現している。

皆さまご存知の通り、BMWは世間一般的に言われるSUVモデルをSUV(スポーツユーティリティビークル)とは言わずにブランドのCFを表すようにSAV(スポーツアクティビティビークル)と表現している。デザインは最近のBMWのデザインアイデンティティとなった大型のキドニーグリル、これだけ腎臓(キドニー)がでかいと浮腫(むくみ)が心配とか医者が言ったとか言わないとか。4シリーズなどで見慣れてきたが、iXのソレは歴代最大サイズという。筆者のように人生そのモノがアナログな人間はさぞかしスカスカで風が盛大に入るのだろうと思っていたが、なんと! プリント状のモノという。

うーむ。筆者思い切り唸りもうした。さらに驚くことにこのボンネット、開かないというではないか。これもBMWの長い歴史で初めてらしい。続けてうーむ。正確には開くらしいが専用工具でメンテ時だけ。ちなみにこのスペースには高圧バッテリーの制御システムがあり、資格保持者しか開けられないそうだ。EVでエンジンルームがないのにこのスペースには荷物を載せられないという。贅沢だ。さすがプレミアムブランド。ボンネットは開かない代わりにエンブレムは開く。これはウォッシャー液の補充用という。

そのボディサイズは全長4953mm、全幅1967mm、全高1695mm。BMWによるとX5とほぼ同じサイズで、全高はブランドのスポーツアクティビティクーペの原点、X6に近いという。

 基本メカニズムは前後に1基ずつの計2モーターで4輪を駆動、リチウムイオンバッテリーはホイールベース間の床下これによってバランスと低重心化を実現する基本メカニズムは最近のEVの方程式通り。

リチウムイオンバッテリーのためかどうかは分からないけれどホイールベース(前輪と後輪の距離)、は3000mmもある。ちなみにトヨタのiQやクラシックミニの全長がそのくらいである。iX、デカい! 具体的なスペックはモデルによって違う。ローンチ・エディションとして日本へ導入されたのはパワーと航続距離の違うxDrive40とxDrive50の2種。前者は240kW(326PS)、630Nmのスペックで航続距離は327〜425km、後者のソレは385kW(523PS)、765Nmで航続距離が549〜630kmになっている。

 インテリアもエクステリア同様の斬新なモノ。

特徴的な横長のディスプレイはBMWカーブド・ディスプレイと呼ばれる。それは12.3インチのインフォメーションディスプレイと1ピースでフレームレスガラス仕上げの14.9インチのコントロールディスプレイによってフルデジタルスクリーンを構成したモノ。ステアリングはBMW初の6角形タイプを採用。シフトセレクターはセンターコンソールに残されているが十分に近未来感満載。

またラウンジのような空間をテーマにリラックスできる環境を追求したという室内は5人乗車時でも快適なはず。

EVの強みを活かしてセンタートンネルをなくし、レッグスペースを確保しているからだ。またラゲッジルームも同様。フラットな床面に。

さて。もっとも気になるのはEVとして、いや内燃機関乗りからみて使えるかどうか。家庭用の普通充電は11時間。充電時間は200kWの高速充電ならば40分で約80%の充電が可能。これは基本的なEVとしては合格点。

しかしiXのもう一つの特徴は10分の高速充電で航続距離が120km伸ばせることだ。これは内燃機関乗りからみればかなり魅力的。ガソリンスタンドでの給油、休憩に近い時間で120km走れるようになるから。EVの充電時間のデメリットはだんだんと少なくなってきており、将来電動車のみという時代がより現実味を帯びてきた。寂しいやら楽しみやら一介のクルマ好きとしたら複雑。また筆者のようにアナログに生きていると今やクルマもネットで注文できる時代に対応できなそうな不安も。もちろん、iX、BMWオンラインストアで予約注文受付中だ。

BMW iX xDrive40


価格 :1155万円〜
全長×全幅×全高 :4953×1967×1695(mm)
電気エンジン最高出力 :240kW(326PS)
電気エンジン最大トルク :630Nm

BMW https://www.bmw.co.jp/ja/index.html
問 BMWカスタマー・インタラクション・センター ☎︎0120-269-437

編集部注:本稿で使われている画像はすべて本国仕様です。

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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