お待たせ! 2代目も「いい」ゾ
トヨタ アクア


 2011年のデビュー以来、ジツに10年間現役だったアクアが2代目にバトンタッチ。先代はビジネスユースから老若男女問わずにその人気は高く、トヨタのコンパクトカー、エコカーの定番車として世間に認識されていた。ジツは筆者、先々月に代車としてアクアに乗っていたのだが、街中の渋滞を経て幹線道路で流れに乗れば、概ね20km/L走るその燃費にさすがだなーと頷いておった。ただ代車の後席はパワーウィンドウでなく、通称「エンヤコラ」ウィンドウ(力技で早くも遅くも開閉可能)、でシュコシュコとハンドルを回すいわゆるレギュレーター式にビビったのだ。さらに私事で恐縮だが、そのエンヤコラウィンドウ、親戚のお子様は初めて触るらしく、ハイテンションでもあった。アクアは子供受け抜群であった。

 さて。話は2代目モデルである。

デザインはどちらかというとキープコンセプトだが、ヤリスをはじめとするトヨタの最近のトレンドっぽく丸みを帯びたモノ。フロントグリルはボディ同色でなくメタリック調にするなどデザインのアクセントに。
 一方、インテリアは先代から大きく変化。

センターにあったメーターが運転席正面に移動し、先代ではメーターだった位置には10.5インチディスプレイが収まった。シフトノブもプリウス同様に。室内空間は全長、全幅は先代と同じながらもホイールベースを延長し、後席の居住空間やラゲッジルームを拡大しているのも特長。

助手席には箱ティッシュをそのまま収納できるアッパーボックスを装備。グレードやオプションにもよるけれどパワーシートやステアリングヒーターを用意したり、運転席が回転することで乗り降りがしやすいターンチルトシートを設定したりと高級感と使い勝手の良さに磨きをかけている。

 また先代がデビューした2011年は東日本大震災のあった年。そんな非常時でもクルマが役立つよう、AC100V、1500Wのアクセサリーコンセントと非常時給電モードを全グレード標準装備。この性能は燃料満タンで消費電力が400W換算(一般家庭相当)ならば約5日間の電力がアクアから得られるのだ。まさに走る火力発電所だ。
 さてアクアといえば燃費性能。気になる2代目のカタログ燃費はトップグレードのZで33.6km/L、ビジネスユースに特化したBグレードで35.8km/L 。エンジンはヤリス同様の1.5リッター直3ユニットにハイブリッドシステムを組み合わせたモノ。これに新しいバッテリー技術が搭載されたのだ。その名はバイポーラ型ニッケル水素電池。バイポーラは1960年代のヒット曲ではない(編集部注:1962年にポールとポーラが発表した曲「ヘイ•ポーラ」をいっているようです)。
 バイポーラ型とは乱暴な表現をすれば乾電池を並べた従来型にたいしていくつかの乾電池を集合体にしたモノ。

コレにより従来のニッケル水素電池に比べてセルあたりの出力が1.5倍、同じスペースに収まるセルの量は1.4倍になった。同じスペースで出力の高いモノが多く配置されれば当然、出力も大きくなり、およそ2倍のバッテリー出力を新型アクアはゲットしたのだ。
 もちろん、2021年のご時世にデビューする以上、全車速追従型レーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシスト、ペダル踏み間違いの急加速を抑制するプラスサポートなどの先進安全技術、トヨタセーフティセンスは全グレードに標準装備。また幅広い層がターゲットになっている同車、ボタンひとつで車庫入れをサポートしてくれるアドバンスドパークも用意されている。
 あくまで5ナンバーサイズにこだわったコンパクトカー、アクア。ベースグレードは198万円からとなり販売競争では身内のヤリスと同門対決となりそうだが、その結果はいかに?

トヨタ アクア Z(FF)


全長×全幅×全高 :4050×1695×1485(mm)
エンジン :1490cc直列3気筒
最高出力 :91PS/5500rpm
最大トルク :120Nm/3800-4800rpm
モーター最高出力 :80PS
モーター最大トルク :140Nm
WLTCモード燃費 :33.6km/L
価格 :240万円

トヨタ  https://toyota.jp/
問 トヨタ自動車お客様相談センター 0800-700-7700

  • 自動車ライター。専門誌を経て明日をも知れぬフリーランスに転身。華麗な転身のはずが気がつけば加齢な転身で絶えず背水の陣な日々を送る。国内A級ライセンスや1級小型船舶操縦士と遊び以外にほぼ使わない資格保持者。

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