さくら学院 2016年度インタビュー[EXTRA EPISODE]
文/モノ・マガジン編集部 写真/魚住誠一  
 

『さくら学院2016年度~約束~』をリリースしたさくら学院。メンバーを代表して生徒会の倉島颯良さん(生徒会長・中等部3年)、黒澤美澪奈さん(MC委員長・中等部3年)、山出愛子さん(生徒会副会長・中等部2年)にお話を伺った。

※本記事は2017年3月2日発売のモノ・マガジン3-16号掲載記事を再編集した内容となります 。
 卒業式の記事はコチラ → http://www.monomagazine.com/mono-ent/me170331.html



mono:
今年度のアルバムの手応えは如何でしたか。
黒澤さん:
2016年度しか歌えない曲が詰まっていると思いますね。バンドバージョンなどは、格好いいのでオススメです!
倉島さん:
既存アルバムの新録バージョンが多いですが、新たに私たちの声が収録されているので聴き所は多いと思います。新曲「アイデンティティ」は2016年度のエピソードを思い起こさせてくれて、個人的には夏の舞台などがオーバーラップしました。

mono:
新曲『アイデンティティ』は歌詞が印象的でしたが、実際の所はどうでしたか?
倉島さん:
正直言うと、良くここまで自分たちの心の中が全部書かれているというか、メンバーが書いたんじゃないか(笑)と話題になる位びっくりしました。例えばバトンリレーの歌詞。去年の3人からもらったバトンを繋げることしか考えていなかったけど、“自分たち色”に変えるのがさくら学院という部分には共感しましたね。卒業生からアドバイスを頂いて、それを参考することがあっても、それを自分たち色に変えるのは私たち12人だけにしかできないと。

mono:
バンドバージョンについて如何でしょうか。
黒澤さん:
バンドバージョンは初めての試みだったので正直、最初は難しかったですね。職員室の先生からも言われていたのですが、音を聴くっていうのが大事だなと改めて思いましたし。もちろん、普段は音を聴かないということではないですが、例えばベースがこう鳴っているので、声を合せようとか意識する感覚が生まれました。
山出さん:
とにく熱気が音源から伝わってくるので、私たちの声や思いもそこに響かせたいと思いました。「オトメゴコロ。」などはカッコよさと切なさを両立させていこうとか。歌詞にぶつけるじゃないけど、レコーディングで気持ちを素直に表現することに気を付けていましたね。

mono:
ユビキリも新しい世界を感じさせてくれましたが。
倉島さん:
そうですね。私はジャズが好きで、黒澤美澪奈は昭和歌謡が好きで、それを職員室の先生がうまく取り入れてくださった感じですね。歌詞ではノートがキーワードになる部分があるのですが、自分もライブの終わりにノートに書き留めたりしていたので、気持ちを込めやすかったです(笑)
黒澤さん:
歴代の中3生が歌ってきた曲は優しい感じがしていたのですが、今回の「ユビキリ」はこれまでの中3曲にも、さくら学院にもないテイストだったかなと。カッコいいけど卒業と連想させるものがあって。卒業を境に新しい世界に飛び立たとう!という気持ちが生まれてきましたね。

mono:
ちなみに、倉島さんはノートになにを書き留めていたのですか。
倉島さん:
私は中2になるときに曲のイメージなどを転入生などに伝えないといけないと思って一曲一曲、ポイントなどを書き留めててました。後はライブの意気込みなどを書いたりとか。
職員室:
そういえば、堀内が在校生へノートを何冊か残していたよ。
倉島さん 黒澤さん 山出さん
えっ本当!?。見たい見たい!
mono:
気になりますね。倉島さんは卒業するときにメンバーの誰かに託すとか、残すとかしないんですか?
倉島さん:
それは恥ずかしいから、ないです(笑)

mono:
ちょっと話を替えて、振り返ると2016年度こんなことがあったんだよね、、、みたいなお話があれば。
倉島さん:
私は2016年度の転入式はいろいろあったなと。まだ役職も決まってなくて、転入生が入ってきてすごい焦って。今までの中3って何をしてたっけと思い出したり、レッスンなども進めていかないと、と感じていて、そこで昨年の卒業生が言っていた「中3の自覚をもって」という言葉を強く意識しましたね。その時に一番メンバーに支えられたので、2016年度のスタートが一番記憶に残ってますね。
黒澤さん:
中3になって思ったのは、中3の大変さかな。去年の中3たちが大変だったのも気が付いたのですが、去年の中3生はこんなに悩んでいたのかと実感しました。

mono:
アルバムについて戻しますと部活動曲などについてもお伺いしたいのですが。
山出さん:
クッキング部の新曲は今までにないような曲調になっていて、とても可愛くて。最初に聴いた時は「ナニコレ可愛い!」って思いました。ミニパティらしさも入っているし、今までのミニパティとも違った曲になっていて。
mono:
実感こもってますね(笑)
山出さん:
それに裏話があるんですよ。歌詞を作るため、“サラダに入れたいレシピ”の質問がきて、私が答えた部分を歌詞にしてもらったんです。更に更に、そこが自分のパートなんですよ! “きゅうりとクルトンの花畑”っていう部分なのですが、自分の考えが歌詞になって、それを歌えるのは嬉しくて。私と百々子と麻鈴がそれぞれソロを歌っていくのですが、ひとりずつ声質が違うし声質が違うからこその魅力があるので、父兄さんにはじっくり聴いてもらいたいですね。
倉島さん:
そういえば、私はデルタで初めてハモリやったんですよ。
職員室:
……(首を傾げる)
倉島さん:
やりましたよね(笑)覚えてないんですか(笑)
職員室:
・・・・・。
倉島さん:
私、それがとても嬉しかったんですよ。愛子がさくら学院全体の曲ではハモリをやってくれるのですが、私はやったことがなかったので。あと、今年はまり菜ちゃんのパートを私が担当になったので、昨年度は莉音ちゃんのパートと、歌うパートが変わったことで見えるイメージが違ったことが楽しかったですね。百々子も新入部員のはずなのにずっと前からいたみたいにすぐ馴染んでしまったし、愛、百々子、私でデルタのイメージを膨らませることができたのが本当に楽しかったですね。

mono:
楽しかったといえばジャケット撮影も皆で盛り上がってたとか。
黒澤さん:
去年ははしゃぎすぎて、靴まで濡らしてしまうという子が続出していましたが。今年は控えめに?(笑)盛り上がってました。
倉島さん:
今回は江ノ島に行ったのですが、当初は江の島巡りをするなんて聞いてなかったので、修学旅行みたいで楽しかったですね。ブックレットには私たちが撮影した写真も掲載されているので。そちらも見てもらえると嬉しいです。

mono:
最後に何かメッセージがあれば。
黒澤さん:
後輩たちにはMC委員長としての背中見せて、その気概を残したいですね。でも、私の場合はそもそも卒業という実感がわかないのですが(笑)
倉島さん:
さくら学院の曲ってみんな好きな曲なんですが、「アイデンティティ」は改めていい曲だと思うんですよ。「アイデンティティ」は、迷っているときに歌詞を見ると答えが書いてあるように感じます。卒業まであともう少しですが、最後まで一曲一曲12人で届けていけたらいいなと思いますし、後輩にはどんな曲であるのか伝えてあげて、来年の愛子たちが安心して2017年度を迎えられるように精一杯大切にしたいなと。父兄さんには過去や未来のさくら学院も含めて見守ってくれたら嬉しいなと。


「アイデンティティ」 EXTRA EPISODE

本インタビュー後、撮影までのインターバルでのショートショートインタビュー。ちょっとしたやりとりに卒業生ふたりのキャラクターや職員室との関係性が垣間見れたのでエクストラ掲載。記事Profile部分に反映されている各人の“アイデンティティ”はここから抜粋。

(一番最初に撮影場所に現れた倉島さんに)
mono:
ご自身の「アイデンティティ」って何でしょう?
倉島さん:
私の「アイデンティティ」ですか(笑) フフ、何だろうなぁ。負けず嫌いな所かなぁ。あんまり表に出してないんですけど。
職員室:
そうかな? 特典映像の学年末テスト見れば良く出てるよ(笑)
倉島さん:
うーん(苦笑)。とにかく、私は凄い負けず嫌いで(笑)。ちょっとしたゲームでも、負けたら勝つまでも何回もやるんですよ(笑)。後、負けるのが嫌だから、どうしたら勝てるのかなって考えるのも好きですね。前の人が失敗したのを見て、何で失敗したのかなとか、どうしたらできるのかと考えるのも自分らしさかなと。美澪奈とかは強烈じゃないですか(笑)負けん気が強い所とか、だから私は目立たないかなぁと。
職員室:
そこは確かにね。黒澤は手の内を見せるタイプだけど、君は見せない方だからなぁ。
倉島さん:
全然出さないですよ。そこが駄目な所かなとも思いますけど。
職員室:
でも、よーく見ると目に出てる(笑)
倉島さん:
キラキラしてたり、死んでたり……とか(笑)
職員室:
そうね。実は怒ってたりとかね(笑)

(続けて登場した黒澤さん)

mono:
ご自身の「アイデンティティ」って何ですか。
黒澤さん:
(手を広げながら)私の“ア~イデンティティ”ですか!?
倉島さん:
これだ、これこれ(笑)
黒澤さん:
何だろうな~。……やっぱり、何だろうな~……。(腕を組んで中空を数秒見続ける)。伝えようとすると、力を込めすぎてしまう所かなと。昔出演させて頂いていた番組の名残りもあるのですが、届けたいという思いが強すぎる。父兄さんに対してもいつもそうですが。私のアイデンティティはそこかなと。うん。アハハハハ(笑)

(横で一緒に嬉しそうに笑う倉島さん)


◇ チェキ情報 ◇

モノ・マガジン3-16号の読プレチェキはこちらとなります。全9名様に各1枚ずつプレゼント。(※すでに応募は締切らせていただきました。多数のご応募、誠にありがとうございました。)当選は発送をもってかえさせていただきます。





◇ アルバム情報 ◇


「さくら学院 2016年度 ~約束~ 」
新曲の『アイデンティティ』、『ダバダ♪サラダ de セボン☆アベニュー』(クッキング部ミニパティ)の他、新録となるバンドバージョン5曲や『デルタ』(科学部 科学究明機構 ロヂカ?:ver.2.0)など全14曲を収録。初回限定盤となるさくら盤(CD+Blu-ray:4428円)は特典Blu-ray映像を、初回限定盤 学院盤(CD+DVD:4212円)は特典DVD映像付き。
通常盤は3240円。アスマート及び、全国のタワーレコード店舗のみで販売。


◇ 職員室 EXTRA EPISODE ◇

さくら学院の魅力のひとつが楽曲であり、数多のスタッフやエキスパートが参画している。2016年度の音楽シーンについて職員室の音楽担当の先生と、スタジオエンジニアにお話を伺った。なお、訪れたのは『目指せ!スーパーレディー -2016年度-』など、アルバムTD作業中のスタジオ。

僅か数分の曲にメンバーや森先生の台詞、メロディ、SEなどを多層的に組み上げていき、音量やタイミングなども何度も1/1000秒単位での調整を繰り返す…という、気が遠くなるような作業を続けていた。休憩の合間に職員室&音楽室の先生にインタビューを敢行。

mono:
想像以上に手間暇をかけていることに、まず驚きました。
職員室:
『目指せ!スーパーレディー』は自己紹介ソングということもあり、メンバーの個性と成長にあわせて歌詞を森先生と創り、その年度ごとに録り直しているので、オケも毎年全く違ったものになるようにミックス作業を行っています。楽器まわりの響きなども。微妙な調整の連続作業を繰り返すことにより、よりメンバーの個性が輝くように努力しています。

mono:
何を基準にして作り上げていくのですか。
職員室:
メンバーたちのキャラクター性がどうやったら、飛びでるのかを考えてます。台詞だったり効果音だったりといろんな音がこの楽曲では飛び交っていて、とにかく、ステージで彼女達がどう動くかを脳内イメージしながら創ることを心掛けていますね。

mono:
2016年度のバンドバージョンも気になりますが、何故バンド形態を。
職員室:
さくら学院は既存曲を歌い継いでその年度ごとの彩を放つことを大切にしている中で、ちょうど2016年度は、開校当時からのメンバーと活動した生徒もいない新たな年度でもあるので、何か新しい試みのひとつとして生バンドでの再録をしようというのが起点ですね。

mono:
生収録形式にしたのには何か理由はありますか?
職員室:
打ち込みにも良い面はありますが、今回は生バンドでドラム、ギター、ベース、キーボードの4人一斉に演奏し、レコーディングすることで、一発勝負ならではの緊張感やダイナミズムなどを引き出したかったんです。

mono:
演奏家たちにオファーした点とはなんでしょうか。
職員室:
元曲のイメージや良さを残しつつ、原曲とは違う感じにして頂きたいと。当たり前ですが、ミュージシャンの方々には自分色も出して頂きたいし、それがミュージシャンの存在意義でもありますが、失礼を承知であえてお願いしました。楽曲によっては、原曲の柔らかい部分も残してもらうため、スネアやドラムを固くではなく、柔らかく叩いて頂きたい旨、細かいオファーもさせて頂きました。

mono:
演奏だけでなく曲として完成させるにはメンバーの声と合わせる必要がありますが、率直な感想としてはいかがでしたか。
職員室:
最初は全くと言っていい程みんな戸惑った表情でしたね(苦笑)。なぜなら、生バンドのオケに対して歌うこと自体が初めての経験で、バンドが放つグルーヴ感に対して、それに対応するボーカル力が求められるのですが、まだ最初はそこに達してなかったからです。でも、テイクを重ねることによって、メンバー持ち前の直向きな努力と精神力で、最終的には既存曲に新たな魅力を録音することができたかなと思っております。

mono:
新たな発見といえば新曲の“ユビキリ”もこれまでは違った魅力がありましたね。
職員室:
「ユビキリ」は間もなく卒業する中等部3年の2人へ向けて創った曲ですが、この中等部3年へ向けた楽曲は、各年度ごとに様々な彩があり、2016年度はこれまでとは本当に異なった個性を彼女達から感じたので、その時点で違う魅力を感じたのかもしれませんね。

mono:
今年度の卒業ソングに関して何かエピソードはありますか?
職員室:
2人とも性格や好みが一見すると正反対だし(笑)当初は“歌の景色”が見えなかったのでかなり悩んだというのが正直な所ですね。ですが、倉島からはジャズについて色々と質問を受けたり、黒澤は歌の考古学で中森明菜さんを歌ったり昭和歌謡が好きであるという話を思い出して。ある日、これだ!って浮かび上がったのが“ユビキリ”のコンセプトである「昭和歌謡+ジャズ」だったんですよ。

mono:
狙い通りにはまったのでは。
職員室:
だと良いですね(笑)。中等部3年の楽曲は2011年度から続いてますが、実は職員室一同からのプレゼントソングでもあるんです。卒業生のパーソナリティを皆さんに知ってもらうための曲なので。今年度のふたりの魅力が少しでも伝わったのなら嬉しいです。

mono:
さくら学院の今後の音楽の方向性も気になりますが。
職員室:
毎年、メンバーをはじめ環境が全く異なってくるので全く読めないですね。今年もさまざまな試行錯誤をしましたが、生バンドでのレコーディングは面白かったので、また機会があれば試してみたいですね。


◇ サウンドエンジニア EXTRA EPISODE ◇

この日、職員室の先生とスタジオに篭っていたのは、ブルーソファのレコーディングエンジニアのサカタコスケさん。さくら学院関係では武藤彩未、Ciào Smilesなども手がけてきた。

mono:
アミューズ関連は数多く手がけていますが、さくら学院本体の音楽を手がけるのは初めてとなりますよね。『目指せ!スーパーレディー』はたった5分の曲のTDまでに数日もかかったそうですね。
サカタさん:
確かにそうです(笑)正直に言うと、まずは準備段階が大変でした。何故なら、『目指せ!スーパーレディー』に登場する12人全員の歌声はもちろんですが、キャラクター性も把握する必要があったからです。その為、過去のライブ映像や資料など片っ端から目を通しましたよ。お陰で私も父兄になれたかなと(笑)

mono:
今回は音の遊びも心がけたそうですね。何か印象的なエピソードはありますか?
サカタさん:
そうですね……今年度の転入生、有友さんの特技で竹輪で笛が吹けるというのがあるのですが、これ、竹輪を使って本人が本当に鳴らして収録してます(笑)
mono:
僅か、1秒たらずの竹輪笛を実際にレコーディングしたのですか? 
サカタさん:
職員室の先生が本気でしたからね。まず、本人が竹輪持参でレコーディング・スタジオに来たのが衝撃的でした。ポケットから竹輪を取り出して、齧(かじ)って笛のカタチにしてましたよ(笑)。メロディ吹くかと思ったらピーっと甲高い音を鳴らしてて。それが面白かったのでアルバムに収録してますよ。
mono:
そんな裏話があったとは。
サカタさん:
いやぁ。音作りに関してはさくら学院は本気ですよ。麻生さんのけん玉も本人持参でスタジオ収録してましたよ。SEで済ますこともできますが、それをしないのが音楽にこだわりがある職員室の先生らしいなと。

mono:
バンドバージョンではギター、ベース、ドラム、キーボードの同時録音も担当したそうですね。
サカタさん:
本当に珍しいですよね。私が知る限りではアイドル系ではほぼないのでは。その為、他のアイドルさんの楽曲にはないグルーブ感が生まれたのではと個人的には思ってますね。

mono:
サウンドエンジニアとして最も心がけたこととは何でしょうか。
サカタさん:
今の彼女たちの、魅力を引き出すことを心がけました。歌声を修正するのは技術的には可能ですが、没個性になって彼女たちの姿が見えなくなってしまう。彼女たちってレコーディングも凄く真面目なんですよ。その、努力が見えづらくなってしまうのはもったいないと思いました。だから、過保護にならない程度に調整して作りましたね。その等身大の魅力を感じていただければ嬉しいですね。





カテゴリー: モノ・エンタメ | 投稿日: 2017年04月04日 | 投稿者: moweb

バックナンバー 一覧