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[#071]日本人ファッションデザイナーの森永邦彦氏とのコラボレーションで誕生した“ラドー トゥルー シャドー”

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


「ラドー トゥルー シャドー」。直径40.1㎜、厚さ10.5㎜のブラックのハイテクセラミックス・ケースに自動巻きのCal.ETA C07.631(25石、毎時2万1600振動、パワーリザーブ約80時間。DLC加工を施したローターを装備)を搭載。ブラックPVDコーティングを施したチタニウム製裏蓋にサファイアクリスタルを備える。5気圧防水。価格23万2200円。限定1001個。


今年、ラドーは世界各国のさまざまな分野のデザイナーとのコラボレーション・モデルを発表しているが、そのなかのひとりにアヴァンギャルドな試みをファッションに取り入れる日本人デザイナーの森永邦彦氏が選ばれた。

同氏は2003年に早稲田大学社会科学部卒業と同時にファッション・ブランド“アンリアレイジ”を創設。レディガガやAKBなどの衣装を手掛け、2014年からはパリ・コレクションで新作を発表し、日本の新世代のファッション・デザイナーとして注目される。

太陽光を浴びると色が濃く変化するフォトクロミックを繊維に織り込んだフォトクロミックファブリックを使った作品で知られる彼は、同じ技法をラドーとのコラボレーションに採り入れ、色が変化する“ラドー トゥルー シャドー”を生み出した。

フォトクロミックは眼鏡の調光レンズに用いられる技術で、外に出て太陽の光の下では色が濃くなり、室内に入ると薄く変化する。フォトクロミックレンズを使ったトゥルー シャドーの文字盤も同様に太陽光を浴びているとブラックカラーだが、日が沈んだり室内ではグレーに変わり、やがて透明になり、スケルトナイズしたムーブメントを見ることができる。

森永氏は「紫外線で色を変化させるフォトクロミックレンズを使って、“移ろう”時の本質を時計で表現すること」を試みたという。紫外線を受けなくなると、文字盤を暗くしていた影が消えて、腕時計のムーブメントが浮かび上がる。「本来目に見えなかったものを見えるようにするというのが私のデザイン哲学です。服を取り去れば、身体が露わになるということと似ています」と述べている。


森永邦彦氏。1980年東京生まれ。早稲田大学在学中にバンタンデザイン研究所でファッションデザインを学ぶ。2006年にニューヨークの新人デザイナーコンテスト「GEN ART」でアヴァンギャルド大賞、2011年に第29回毎日ファッション大賞新人賞など、多数の賞を受賞する。

[#070]ウブロブティック京都グランドオープニング

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


ウサイン・ボルトと、彼の100m記録に挑んだ子供たち。祇園らしく舞妓さんたちもイベントに姿を見せ、華やぎが添えられた。


「ウブロブティック京都」。江戸時代中期から続く建築様式で建てられた町家を改修したブティックの1階正面の壁面にはウブロの時計をモチーフにしたカラフルなポップアートが飾られ、“和”のインテリアとのフュージョンが表現された。2階は西陣織の特注ソファが置かれたVIPルームで、奥にはウブロのモノグラム柄を織り込んだ縁の黒い畳が敷かれた茶室が設けられる。
住所:京都市東山区祇園町南側570番地8 TEL 075-533-2711 営業時間:11:00~19:00(不定休)


ウブロは京都・祇園に日本で3店舗目となる直営ブティックをオープンした。そのグランドオープニングイベントが9月5日に開催され、同ブランドのアンバサダー、ウサイン・ボルトが来日し、子供たちと共にチャリティランを行った。

ウサイン・ボルトといえばオリンピックで3連覇を果たし、8個のオリンピックメダルと11個の世界陸上のタイトルを獲得した「世界最速の男」として知られる。100m、200m、4×100mリレーで世界記録を保有するが、今年8月にロンドンで開催された世界陸上選手権を最後に30歳で引退した。

引退直後の来日となった当日、彼は5人の子供たちとウブロブティック前に設けられた特設会場に入場し、グランドオープニングイベントの幕が上がった。まずウブロはオープニングを記念して祇園町南側地区協議会に150万円を寄付することを発表。これは祇園の歴史的な景観を維持し、日本の伝統文化を次世代に受け継ぐための資金となる。

次いで5人の子供たちはウサイン・ボルト直々に速く走るコツの指導を受けた後、花見小路の一角を全速力で走った。彼らのタイムの合計が彼が持つ100m記録の9秒58を抜くとさらに50万円が寄付されることになっていたが、14秒8という結果に終わった。しかしウブロ本社から来日したリカルド・グアダルーペCEOは頑張った子供たちを讃えて50万円を足して総額200万円を協議会に寄付することを決定した。

ウブロブティック京都では、ウブロの代表的なコレクションの“ビッグ・バン”と“クラシック・フュージョン”をはじめ、ブティック限定モデルなど常時100点以上を揃える。また世界各国の限定モデルを集めた“ウブロ ワールド リミテッド コレクション”が日本で唯一、展開される。

京都らしい情緒ある店構えや内装と革新性を謳うウブロ、ふたつの異なる要素がひとつとなって、まさに“フュージョン”の世界が繰り広げられるブティックが誕生した。

[#069]ブランパンが支援する海洋調査プロジェクト“ゴンベッサIV~Genesis~” 深海の神秘の世界を撮影したフィルムが公開中。

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


フランス領ポリネシアにあるファカラヴァ環礁の南側でグレーリーフシャークの大群を撮影するローラン・バレスタ氏。700匹以上が群れを成して餌を捕獲する様子が初めて写真と映像で記録された。26分間にわたって壮大な深海の世界が繰り広げられる。


ブランパンと海の関わりは1950年代に遡る。潜水のための自動式呼吸装置(デマンド・レギュレーター)が発明され、スキューバ・ダイビングがレジャーとしても広まり始めた頃だった。当時のブランパン社長のジャン-ジャック・フィスターもスポーツ・ダイビングに興じるひとりで、自らダイビングに必要な時計の開発に取り組んだという。

こうして1953年、ダイバーズ・ウォッチの“フィフティ ファゾムス”が発表された。モデル名は50ファゾムス(91.50m)の防水性を保証したことに由来する。“フィフティ ファゾムス”はフランス海軍やアメリカ海軍などにも採用されて発展を遂げ、今日もブランパンの主要な柱のひとつとして、およそ60モデルをラインアップしている。

フィフティ ファゾムスを通して海の世界と関わるブランパンは、海洋保護や保護、探査プロジェクトの支援を積極的に行い、2014年には「ブランパン オーシャン コミットメント」プログラムを創設した。このプログラムの支援対象のひとつに海洋科学者であり水中写真家のローラン・バレスタ氏が主宰する“ゴンベッサ・プロジェクト”がある。ゴンベッサがシーラカンスを意味するように、シーラカンスをはじめとする深海の生態系探査プロジェクトだ。

2014年、ローラン・バレスタ氏のチームはフランス領ポリネシアにあるファカラヴァ環礁の南側のパスでマダラハタを調査する“ゴンベッサ II”を行った。このとき彼らは700匹以上のグレーリーフシャークが群れを成して餌を捕獲する場面に遭遇した。

ところでブランパンは2014年10月に“オーシャン コミットメント バチスカーフ フライバック クロノグラフ”を限定250個で発売した。そしてこの時計の売り上げのうち1個について1000ユーロ、合計25万ユーロを海洋保全プロジェクトに寄付することを決定し、ゴンベッサ・プロジェクトに贈られた。

ゴンベッサ・チームはこの資金の半分を使って、昨年6月から7月にかけてグレーリーフシャークの集団狩猟行動の調査を行う“ゴンベッサ IV ~Genesis~”を実施。ニューヨーク国連本部で“ワールド・オーシャン・デイ”が行われた6月8日に、この探査を撮影したローラン・バレスタ氏の約26分のフィルムが公開された。現在、下記サイトでこのフィルムの全編を見ることができる。

Website: http://www.blancpain-ocean-commitment.com/gombessa-iv-genesis/

またブランパンのソーシャルメディアではそのティーザーを公開中だ。

Facebook: https://www.facebook.com/130484993692969/posts/1501810976560357
Twitter: https://twitter.com/Blancpain1735/status/872761871706849281
Instagram: https://www.instagram.com/p/BVFID3DDzgY/?taken-by=blancpain1735&hl=de
LinkedIn: https://www.linkedin.com/organization/99289/admin/updates

2014年に限定250個で発売された“オーシャン コミットメント バチスカーフ フライバック クロノグラフ”。自動巻きクロノグラフ、Cal.F385(37石、毎時3万6000振動、パワーリザーブ約50時間。シリシウム製ヒゲゼンマイ)。直径43.6㎜のグレーセラミックス・ケースで、ブルーセラミックスのインサートを付けたグレーのセラミックス製ベゼルを備える。すでに完売し、この時計の売り上げから25万ユーロが海洋調査資金としてゴンベッサ・プロジェクトに贈られた。ゴンベッサ・チームはこの資金の半分を使い、“ゴンベッサ IV”プロジェクトを実施し、その模様が26分間のフィルムに収められた。

[#068]カシオが世界中どこにいても正確な時刻がわかるG-SHOCKを5月19日に発売

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


/「G-SHOCK グラビティマスター」。樹脂とIP処理を施したSSのケースにカーボンファイバーインサートバンドを備える。20気圧防水。価格10万8000円(税込)。問カシオ計算機 お客様相談室 03-5334-4869/


G-SHOCKの“GRAVITYMASTER”シリーズから、3つの時刻取得システムを採用したBluetooth搭載GPSハイブリッド電波ソーラーウォッチ装備の“GPW-2000 ”が5月19日に発売される。

カシオは2014年に他社に先駆けて標準電波とGPS衛星電波を受信して時刻を表示するハイブリッド・ウォッチを発表した。また“エディフィス”のコレクションではBluetoothを搭載し、スマートフォンとリンクして時刻表示を行う機能をもつ時計をラインアップする。

GPW-2000は、これらの機能をすべて備え、標準電波とGPS衛星電波、スマートフォンを介したタイムサーバー接続の3つの方法で時刻表示を行う新開発のモジュール“Connected エンジン 3-way”を搭載した初めてのモデルだ。

特徴はスマートフォンを経由することでサマータイムやタイムゾーンの情報が自

GPSアンテナの小型化や薄型化が図られ、時計のサイズは直径66.0㎜、厚さは18.2㎜だ。他のG-SHOCKと比べて、直径は大きいが、厚さは抑えられた。GPSハイブリッド電波ソーラーモジュールと比較して厚さは0.76㎜薄型化された、という。

もちろんG-SHOCKの“タフさ”は変わらず、衝撃、遠心重力、振動の重力加速度に耐える“TRIPLE G RESISIT”のほか、JIS1種の耐磁性(4800A/m)や引張耐久力などの耐久性をもつ。

GRAVITYMASTERは航空がコンセプトだ。そこで時計の右下のボタンを押すと、その時点での地点と時刻情報をスマートフォンの画面上の地図に表示できるフライトログ機能を搭載する。また11時位置のボタンを押すと、パイロットの基準となるUTC時刻を表示する。

カシオでは今後、このモジュールを搭載した機種を「G-SHOCK」や「オシアナス」などのコレクションで増やしていく予定だ。

専用のアプリケーション“G-SHOCK Connected”をスマートフォンにインストールする必要があるが、現在、iOS 10以上、アンドロイド6.0以上のスマートフォンに対応する。

[#067]25周年を迎えたフランク ミュラー・ブランド

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


/「フランク ミュラーブランド創設25周年アニバーサリーティーセット」。6人揃(コーヒー紅茶兼用カップ&ソーサー6客、デザートプレート6枚、ポット、シュガーポット、クリーマーミルクジャー各1個)。価格(税込)324万円。限定25セット。問フランク ミュラー ウォッチランド東京 TEL03-3549-1949/


時計師のフランク ミュラー氏が共同経営者のヴァルタン シルマケス氏と共に自身の名前を冠したブランドを創業して今年は25周年を迎えた。

今日、日本ではフランク ミュラーは長い歴史を誇るスイスの時計ブランドと肩を並べるほど知名度は高く、若い女性の間でも人気を誇る。しかし“フランク ミュラー”という名前が実在する時計師であることを知る人は、今日では多くはないかもしれない。それだけ短期間にブランドとして成功を納めた。

そのコレクションは実に幅広い。クォーツや汎用ムーブメントを搭載したベーシックなモデルから、“エテルニタス”コレクションに見られる超複雑時計までがラインアップされる。トノウ型の“トノウカーベックス”はブランドのアイコンだが、同じくトノウ型の“カサブランカ”や“ヴァンガード”、レクタンギュラーの“ロングアイランド”、スクエアの“マスター スクエア”など、ケースのフォルムも多彩だ。

しかしなにより文字盤のカラフルさや、“ビザン数字”と呼ばれる、デフォルメしたアラビア数字のインデックスは、フランク ミュラー・ウォッチの個性に他ならない。

一見するとインデックスが不規則に並んでいるように見え、毎時、時針が150度ジャンプして時を示す“クレージーアワーズ”のような、遊び心があるアイデアも、フランク ミュラーらしさだろう。 誰もが見てわかる動きの楽しさは複雑さを競うよりも、はるかに親しみやすい。

多くの人に受け入れられ、人気を得たのは、デザインや機構の楽しさや明るさが大きな理由のひとつにちがいない。今日では時計のインデックスをアレンジしたリングやネックレス、カフリンクスなどのジュエリー・コレクションも展開する。

さて25周年を記念して日本の洋食器メーカーの老舗、大倉陶園の協力を得て、ティーセットが作られた。「豊かな時間の創造」がテーマだという。上質な食器でゆったりと楽しむティータイムは、心に豊かさをもたらす贅沢な時間に違いない。大倉陶園が得意とする磁器の白をベースに、エンボス技法とサンドブラスト技法でビザン数字が浮き上がる。またカップの内側には手描きのブルーローズが施された、気品あるセットだ。

フランク ミュラーは時計ブランドというよりも、“時をテーマに人々に楽しさと豊かさを提供する創作者”と表現する方がふさわしいかもしれない。


左から「カラードリーム リング」。価格54万円。「カラードリーム ペンダントハート」。価格54万円。「カラードリーム イヤリング」。価格37万8000円。「カラードリーム リング」。価格62万6400円。


ビザン数字をアレンジしたカフリンクス。左から18KPG、価格64万8000円。18KPG X ダイヤモンド、価格108万円。18KPG X ダイヤモンド、価格108万円。


「フランク ミュラー メモリアルナンバー クロスペンダント」。左から18KWGあるいは18KPG、価格42万1200円。18KWGあるいは18KPGでセンターにダイヤモンド、価格77万2200円~(ダイヤモンドのグレードによって価格が異なります)。18KWGあるいは18KPGでセンターにオニキス。価格48万600円。すべてチェーンは別売り、価格12万9600円。数字の組み合わせは好みに合わせてオーダーができ、製作期間は約2か月。

[#066]H.モーザーがスイス・メイドの規定を批判し、100%スイス製の時計を発表。 「スイス マッド ウォッチ」

文/香山知子/『世界の腕時計』編集長


「スイス マッド ウォッチ」。直径41.0㎜、厚さ9.4㎜のケースに手巻きのCal.HMC327(29石、毎時1万8000振動、パワーリザーブ約72時間)を搭載する。サファイアクリスタル・バック。ケース素材の50%はチーズだが、チーズ臭さはない。


1月16日からスイス・ジュネーブで開催された第27回国際高級時計サロン(SIHH)には今までで最多の30ブランドが新作を発表した。リシュモン グループを中心とする17ブランドに加えて、昨年からは独立系の小規模ブランドが出展し、個性あふれる製品を披露している。その独立系のひとつ、H.モーザーがウィットに富んだユニークピースを発表した。名付けて“スイス マッド ウォッチ”。

日本語に訳すと「スイスの怒れる時計」といったところだろうか。スイスでは2017年1月1日からスイス時計の「スイス・メイド」の規定が改定され、部品の60%がスイス製の時計には「スイス・メイド」と表示できることになった。従来は50%と規定されていたため、実際には厳しくなったのだが、H.モーザーは「60%なんて甘い、うちは95%だ」、とこの規定を批判し、まさに100%スイス製のパーツを使ったスイス マッド ウォッチを発表したのだった。

ところで95%がスイス製なら残りの5%は何か。これはストラップに使われるアリゲーターと、ケース素材のゴールドやステンレススチールで、これらは原産地がスイスではないためだ。しかしスイス・メイドの規定では原産地までは問われず、スイスで製造されていればスイス製となる。

さてスイス マッド ウォッチではケースはスイスのチーズ“ヴァシュラン モンドール”と、カーボンナノチューブを使った複合素材の製造にも使われるitr2をそれぞれ約半々の割合で混ぜたものを採用。またストラップはヴァシュランモンドールの原材料である牛乳を生産する農家の牛の革が使われた。

文字盤はスイス国旗をイメーシし、H.モーザーの時計の特徴となっているグラデーションのフュメ文字盤の赤を背景に白で12、3,6,9時にダブルのバーインデックスが描かれる。

1点製作で価格は108万1291スイス・フラン。この数字はスイス建国の日の1291年8月1日にちなんでいる。販売収入は部品製造がアジア諸国に移行し、経済的に苦境に立たされている独立系の時計部品製造サプライヤーを支援する基金創設のために全額、使われる予定だ。

またスイス マッドウォッチと同じコンセプトで限定50個の“ベンチャー スイス マッド ウォッチ”も登場した。これはケースが18Kホワイトゴールド製で、「スイスには金鉱がないので、ケース素材はスイス産ではありません。しかしケースそのものはスイスで製造されています」とH.モーザーは語っている。

スイス マッドウォッチとベンチャー スイス マッドはH.モーザー製の手巻きムーブメント、Cal.HMC327を搭載する。

なおH.モーザーでは今後、文字盤に「スイス・メイド」の文字を入れないことを決定した。これは「95%以上の部品がスイス製なのに、60%を満たしただけで“スイス・メイド”と表示する他社と一緒にされたくない」という自負の表れでもある。

HモーザーのホームページではCEOのエドゥアルド・メイラン氏をはじめ社員たちが出演しているスイス マッドウォッチの動画を公開中。
www.h-moser.com/jp/


「ベンチャー スイス マッド」。直径39.0㎜、厚さ11.9㎜の18KホワイトゴールドのケースにCal.HMC327(29石、毎時1万8000振動、パワーリザーブ約72時間)を搭載する。サファイアクリスタル・バック。手縫いのスイス製牛革ストラップ。価格243万円。限定50個。3月発売予定。

[#065]時計・宝飾ヒラノ(名古屋)で9月20日までフェア開催中。大衆派のグラスヒュッテ製時計、“ブルーノ・ゾンレー”

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

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右●「メカニック エディション 5」。直径43㎜のSSケースに自社製の手巻き、Cal.2000(17石、毎時1万8000振動、パワーリザーブ約40時間)を搭載。10気圧防水。37万2600円。中●「ステリナ」。直径33.8㎜のユニセックス・モデル。自動巻きのCal.B200(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約40時間)を搭載。SS。10気圧防水。価格21万1680円。左●「ロンドグラフ」。ムーブメントに美しく仕上げを施したクォーツ・クロノグラフ。直径41㎜のSSケース。5気圧防水。価格10万4760円。3モデル共にサファイアクリスタル・バック。


1991年の東西ドイツの壁の崩壊がドイツに高級時計製造を復活させた、という事実がもうすでに昔話のようにも思える。その高級時計製造の中心が旧東ドイツに属するグラスヒュッテだが、「昔話」と表現したくなるほど、今日、この地の時計産業は活況を呈している。そして時計愛好家たちは、グラスヒュッテ製と聞けば、ドイツの高級時計をすぐに想像することだろう。もちろん機能性が高く、質実剛健、高品質というドイツ製品らしさを備えているのはいうまでもない。

グラスヒュッテはドイツ・ザクセン州の中心、ドレスデンから車で1時間半ほどの山間にあり、人口は4500人ほどにすぎない。18世紀には鉱山資源で潤っていたグラスヒュッテだが、それが枯渇し、貧困にあえぐ村と化した19世紀半ば、いわば「村おこし」として時計産業がスタートした。

それは1853年にA.ランゲ&ゾーネを創業したアドルフ・ランゲや、モリッツ・グロスマンなど4人の時計技術者がザクセン公から資金協力を得て、グラスヒュッテに時計産業を興す団体を結成することで始まった。彼らはベンチャー・ビジネスを立ち上げたアントレプレナーだ。

このとき、ザクセン公は「ムーブメント、時計本体の製造工程の55%をグラスヒュッテで行い、また一定の品質基準を満たしたものだけをグラスヒュッテ製と認める」という法律を制定した。この原産地と品質の証明が時計製造では新興の地であるグラスヒュッテに特別な意味を与えた。今日でもグラスヒュッテで製造される時計は、この法律に従っている。

第2次世界大戦後の共産圏時代には国営工場で安価な時計を大量に生産していたグラスヒュッテだが、ドイツ統合で再び手作業に重点が置かれる高級時計作りが始まった。

ところでグラスヒュッテの時計というとA.ランゲ&ゾーネのような一般には手が届きにくい100万円以上の高価な時計を思い浮かべがちだが、グラスヒュッテ独自の時計製法の伝統を守りながらも、買いやすい価格帯の機械式時計を作っているメーカーも存在する。2000年にブルーノ・ゾンレー氏が創業したブルーノ・ゾンレーもそのひとつだ。

ブルーノ・ゾンレーの工房では、グラスヒュッテの伝統に則り3/4プレートやスワンネック緩急針、シャトンなどを採用した、安定性が高い手巻きムーブメント、Cal.2000を製造。このムーブメントではヒゲゼンマイや主ゼンマイ、ルビーなどを除くほとんどの部品を自社工房で製造している。また自動巻きムーブメントのCal.B200はスイスのセリタ製をベースに、地板やブリッジなどを自社で製造し、仕上げを施し、調整を行っている。今日では部品の75%は自社製だ。このほかクォーツ・ムーブメントを製造している点もブルーノ・ゾンレーの特色のひとつだ。

男性用、女性用ともにデイリーユースにふさわしいベーシックなデザインで、複数のシリーズを揃えている。男性用の直径40~44㎜のモデルではCal.2000を搭載した手巻きの“メカニック”シリーズと、自動巻きのCal.B200を積んだ“ラゴマット”や“アクアリウム”などのコレクションが揃う。また直径34~36㎜で自動巻き(Cal.B200)を搭載する“ステリナ”と”フェリナ”のシリーズには男性用と女性用がラインアップされる。どのモデルも5気圧あるいは10気圧防水を保証する。

ケースはステンレススチール製で、価格は機械式で20万円から30万円台だ。また今秋に発売となる“シュトゥットガルト”シリーズは自動巻きモデルが16万1320円(税込)という非常に良心的な価格が魅力だ。

昨年10月にはドイツ連邦のヨアヒム・ガウク大統領からアメリカのバラク・オバマ大統領にドイツ東西統合25周年を記念して、ドイツ連邦政府公認時計メーカーとして認められたブルーノ・ゾンレーの“メカニック エディション4”が贈られた。これはブルーノ・ゾンレーがドイツを代表するメーカーであると認められた証でもある。

さて8月20日(土)から9月20日(火)まで名古屋の“時計・宝飾ヒラノ”(名古屋市東区徳川2-3-11 TEL052-935-5278 10:00~19:00 定休日:日祝日)でブルーノ・ゾンレー・フェアが開催されている。この機会にオバマ大統領に贈られた“メカニック エディション 4”をはじめ、ブルーノ・ゾンレーが作る、庶民に身近なグラスヒュッテの時計に触れてみよう。

ブルーノ・ゾンレーについての詳細はwww.brunosohnlejapan.com/を参照されたい。

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「シュトゥットガルト」。グラスヒュッテにある部品製造工房を買収することで、製造コストを大幅に抑え、今まで以上に買いやすい価格を実現した。上は直径36 ㎜のSSケースに自動巻きのCal.B200を搭載した『シュトゥットガルト スモール」。サファイアクリスタル・バック。5気圧防水。価格15万9840円。ほかに直径42㎜のモデル(価格17万640円)もある。

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「シュトゥットガルトⅡ」。直径42㎜のSSケースに大型日付表示とスモールセコンドを備えたクォーツ・ムーブメントを搭載。メタルメッシュベルト付き。サファイアクリスタル・バック。10気圧防水。価格11万3400円。

[#064]カール F.ブヘラのレディース・コレクション“パトス”が日本でデビュー

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

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(写真・右)1950年代にブヘラ・ブランドで製作されたレディース・ウォッチのアンティーク・ピース。当時からゴールドや宝飾の細工はブヘラの工房で行われている。(写真・中)カール F.ブヘラの販売担当副社長兼ブヘラジャパンCEOのローラン・レカン氏(中央)から神田さおりさん(右)と新倉瞳さん(左)に“パトス・ウーマン・アワード”の賞品としてパトスが贈られた。(写真・左)新倉さんの演奏に合わせて神田さんがパフォーマンスを披露。


スイスの主要都市では必ずその名前を見かける時計専門店がある。「BUCHERER」、ブヘラと発音するこのショップは1888年にカール・フリードリッヒ・ブヘラによってスイス・ルツェルンで創業された。1930年代頃、当時はまだ無名の小さなブランドだったロレックスと深い関係を築き、今日でもロレックスとの絆は強い。

ところでブヘラでは有名ブランドの時計を扱うとともに、自社で1919年から“BUCHERER”の名前で時計を製造していたが、2001年には新たに創業者の名前を冠した時計ブランド“カール F.ブヘラ”を創設。さらに2007年には時計開発・製造工房のTHAを吸収合併し、その翌年には初の自社製自動巻きムーブメントを発表した。
また2007年にブヘラジャパンも設立され、日本市場での本格的な展開がスタートした。

さて5月終わり、ブヘラジャパンはレディース・コレクション“パトス”の日本デビューを記念して、“パトス・ウーマン・アワード”を設けた。そして「パトスに表現された上品で優美な雰囲気と深い個性と多面性というイメージに相応しく、かつ今後の可能性を秘めた女性」として、アーティストの神田さおりさんとチェリストの新倉瞳さんが選ばれた。

神田さおりさんは音楽に合わせて身体全体を動かしながら絵を描く、“ライフ・ペインティング”で知られるアーティストだ。一方、新倉瞳さんはスイスのバーゼル音楽院に留学し、カメラータ・チューリヒのソロ首席チェリストを務めるという、スイスとも関わりが深い若手チェリストだ。

発表会では新倉瞳さんの演奏に合わせて神田さおりさんがパフォーマンスを披露した。

“パトス”はフランジやケースのサイドに施したカットワークが個性的なラウンド・ウォッチだ。またケース・サイドからブレスレットにかけてのアーチや、針をモチーフにした模様で飾った文字盤も特徴となっている。これらがアワードを獲得した彼女たちの「優美な雰囲気と深い個性」に通じる点だろう。

日本では直径25㎜のクォーツと26.5㎜の自動巻きモデルを展開し、ケースの素材はステンレススチール、ステンレススチールと18Kローズゴールドのコンビネーション、18Kローズゴールドが揃う。ベゼルにダイアモンドをセットしたモデルもある。

商品についてのお問い合わせはブヘラジャパン 03-6226-4650

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「パトス クイーン」。直径26.50㎜、厚さ9.41㎜の18Kローズゴールドのケース&ブレスレットに自動巻きのCal.CFB1969(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載する。ベゼルに38個のダイアモンドをセット。3気圧防水。価格345万6000円。

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「パトス プリンセス」。直径25.00㎜、厚さ6.96㎜のステンレススチールと18Kローズゴールドのケース&ブレスエットにクォーツ・ムーブメントを搭載する。
3気圧防水。価格81万円。

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「パトス プリンセス」。直径25.00㎜、厚さ6.96㎜のステンレススチールのケース&ブレスエットにクォーツ・ムーブメントを搭載する。ベゼルに38個のダイアモンドをセット。
3気圧防水。価格91万8000円。

[#063]モントレソルマーレが 世界でたったひとつのテッラ・チエロ・マーレの購入者、募集中

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

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「アルティグリオ・アビッソ」。アビッソはイタリア語で深海を意味するが、それを思わせる深いブルーの文字盤がレギュラー・コレクションとは異なる、世界でたったひとつの“アルティグリオ”。裏蓋には1点製作を意味する「1/1」と刻まれる(写真・右)。ケース素材はグレード2のチタニウムとステンレススチールのコンビネーションで、直径は52㎜。ムーブメントは自動巻きのCal.ETA2824(25石、毎時2万8800振動、パワーリザーブ約38時間)を搭載する。ラバー・ストラップ。価格32万1840円(税込)。


イタリア語で「大地・空・海」を意味する“テッラ・チエロ・マーレ”と名づけられたこのブランドは、ミラノで長く時計ビジネスに携わってきたジョルジオ・ラトゥアーダ氏とエミリオ・フォンタナ氏のふたりが1999年にイタリアで創業し、2001年に最初の時計を発表した。彼らのコンセプトは「イタリアの明確な個性をもつデザインとスイス製ムーブメントの時計を作ること」にあり、具体的にはイタリアの歴史に刻まれる人物や出来事へのオマージュがデザインのテーマとなっている。

2011年には4代続くイタリアの時計ケース・メーカー、GTF社がブランドを買収したが、創業当初のコンセプトは変わらない。

さてマーレ(海)のコレクションに含まれる“アルティグリオ”は1920年代から1930年代に沈没船回収で活躍した船の名を冠したダイバーズ・ウォッチだ。2時位置にはヘリウムガスエスケープバルブを備え、1000m防水を保証する飽和潜水用で、“ブルズアイ・グラス”と呼ばれるドーム型のサファイアクリスタルが付く。

ここに掲載した深いブルーの文字盤の“アルティグリオ・アビッソ”はテッラ・チエロ・マーレが企画した“カスタム”の第一弾として発表されたもので、1点のみが製作されたユニークピースだ。

このモデルが同ブランドの日本の正規輸入代理店であるモントレソルマーレから発売されることになり、現在、購入者を募集している。

購入希望者はモントレソルマーレにWEBまたは電話で応募を!

http://www.montre-solmare.jp/ (特設ページのリンクを参照のこと)。

電話での応募は03-3833-4211(モントレソルマーレ 企画部・営業部)まで。

なお購入者の名前は本国サイトに掲載されることになっている。

応募締め切りは2016年6月26日(日)で、30日(木)に抽選で購入者が決定され、7月初めには納品される予定だ。

[#062]東京・銀座に独立時計師の時計を集めた “ステラ・タイムピースギャラリー”オープン

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

ステラ・タイムピースギャラリー
“ステラ・タイムピースギャラリー”。営業時間は11:00~18:00。完全予約制で、予約は03-6264-5808へ。またwww.stella-polare.co.jpからも予約が可能。


今年1月半ば、東京・銀座に独立時計師たちの作品を集めたギャラリー“ステラ・タイムピースギャラリー”がオープンした。

時計師たちの顔ぶれはスイスの独立時計師協会(通称アカデミー)の大御所、アントワーヌ・プレジウソとスヴェン・アンデルセン、同じくアカデミーの正会員で、天文時計で知られるクリスチャン・ヴァン・ダー・クラウと、センタートゥールビヨンのベアト・ハルディマン、そしてキネティック・アートともいえるユニークなクロックを製作するミキ・エレタ。さらに現在、アカデミーの準会員(キャンディデート)で、ハリー・ウィンストンの“オーパス13”を開発したルドヴィック・バルアーという、総勢6名だ。彼らはメーカーの大きな波にのみ込まれることなく、独自の考えを貫いた独創的な機構を備えた複雑時計を、年間にごく限られた数だけ世に送り出している。

独立時計師たちの名前や時計は時計専門誌などで紹介されることはあっても、日本で実際にその時計に触れることができる機会は極めて稀で、時計愛好家たちにとっては幻の時計でもあった。しかしステラ・タイムピースギャラリーのオーナー自らが彼らの工房を訪れて、選んだ時計が並び、バーゼルワールドの独立時計師協会のブースを思わせる。

現在、6人の作品、約20点が展示され、購入することも可能だ。

壁には印象派等の絵画が飾られた落ち着いた雰囲気の隠れ家的なギャラリーで、ゆっくりと希少な時計に触れる時間は時計愛好家にとっては至福の時となることだろう。