[#022]毎時720万振動!  5/10000秒単位の計測を実現した驚嘆のクロノグラフ

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文・小野正章/『世界の腕時計』副編集長

マイクロガーダー
今年1月16日にジュネーブで発表されたばかりのタグ・ホイヤー「マイクロガーダー」。


駆動機構とクロノグラフ輪列を一体化しながら、1/100分の1秒までの計測を可能とした2010年の「ホイヤー カレラ マイクログラフ 1/100TH クロノグラフ」、その機構をさらにステップアップさせ1/1000秒単位の計測を実現した2011年の「マイクロタイマー フライング1000 クロノグラフ」。このように近年のタグ・ホイヤーはクロノグラフの開発において他社の追随を許さない存在となっている。そして今年のSHII期間中にも、またまた驚異的なコンセプト・ウオッチが発表された。それが毎時720万振動、つまり5/10000秒単位という驚異的な計測を可能とした「マイクロガーダー」というモデルである。

この夢のようなシステムを実現させたのはスイス、ラ・ショー・ド・フォンにある同社の研究開発部門。前2モデルと同様、古典的な脱進機は採用せず、新開発の制御機構(カップリング ビーム/ガーター、エキサイタトリー ビーム/ガーター・システム)を内蔵する。ここには線形の振動子が用いられ、毎秒2000(5/10000秒)もの超高速振動を極めて安定した状態で生み出すのである。

文字盤の意匠は「マイクロタイマー フライング1000」によく似ているが(※デザインはともにイギリスのプロダクト・デザイナー、クリストフ・ベーリング氏によるもの)、「マイクロタイマー」はセンターに150秒計と1/1000秒計、スモール文字盤に1/10秒計を備えているのに対して、「マイクロガーター」は100本の目盛りが刻まれた文字盤上をセンター針が毎秒20回転。さらに12時位置に90秒積算計、3時位置に1/20秒計というふたつのスモール文字盤を備え、5/10000秒単位の数値を読み取ることができるようになっている。

現在のところは自動巻きであること以外、ムーブメントの詳細は不明だ。また、あくまでコンセプト・ウオッチの段階であり、実用化されるまでにかなりの時間が必要と思われる。だが、過去に「モナコV4」や「マイクロタイマー」の実用化に成功してきた同社のこと。近い将来、きっと市販モデルとして実用化されるに違いない。

マイクロガーダー
マイクロガーダー
新開発の制御機構の一部を見ることができる文字盤側とシースルーの裏蓋側。