[#021]いま、なんどき?意外な仕掛けが楽しい フォルティス限定アートモデル“FRISSON”

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

アートモデル“FRISSON”


ロシアの宇宙飛行士の公式腕時計で知られるスイスの時計メーカー、フォルティスは今年、創業100周年を迎える。そのフォルティスが昨年、デザイナーのロルフ・ザックスとのコラボレーションでユニークな時計を発表した。

フランス語で“ひんやりとする冷たさ”、“身震い”、“興奮”を意味する「FRISSON」(フリッソン)と名付けられたこの時計、時刻を読み取ろうとして文字盤を見ても、なにやらぼやっとしてよく見えない。これはミネラルガラスの風防に特殊加工が施されているためで、冷凍庫から出したばかりの氷結したグラスを想像するといいかもしれない。しかし息を吹きかけると、あるいは濡れた手で時計を覆うと、ガラスは透過状態になり、時刻がわかる。20気圧防水なので、思い切って水に浸けてみたら、曇りガラスはきれいにクリアになり、インデックスも針もすっきり。

こうしてクリアになった風防を通して見えるインデックスやFORTISのロゴはロルフ・ザックス自らが手で書いたもので、なんとも愛らしい。特に日付窓を囲む赤い丸には、子どものいたずら書きのような愛嬌がある。

ロルフ・ザックスは「私は今度の時計は今までとは異なる好奇心をそそるようなものにしたかったのです」と語っている。自分から働きかけないと時刻を教えてくれない時計は、時計との距離が今まで以上に近くなるはず。

デザイン・ウオッチとはいえ、100年の歴史を誇る時計メーカーが手がける時計であり、高い信頼性を誇る。時刻は携帯電話でもわかるが、こんな対話を楽しむ時計が腕にあれば、時計が格段に面白くなる。

曇っているミネラルガラス息を吹きかけるとクリアになる
曇っているミネラルガラス息を吹きかけるとクリアになる
息を吹きかけると曇っていたミネラルガラスがクリアになり、右の時計のように数字やブルーの針がくっきりと見えるようになる。自動巻き。ステンレススチール・ケース。シリコンストラップ。20気圧防水。世界限定999個で裏蓋にシリアル番号が入る。ケース直径40mm、厚さ11.5mm。価格12万6000円。

文字盤
手書きの数字やロゴ、そして日付表示を囲む丸が、“ひやりとする冷たさ”を意味するネーミングの時計にあたたかみを加えている。グラフィカルで、人の五感に訴えるデザインを得意とするロルフ・ザックスらしい。
ブルーに光るスーパールミノバ
針と数字の横にあるバーインデックスにはブルーのスーパールミノバが施され、暗い場所ではブルーに光る。
ロルフ・ザックス
ロルフ・ザックスはスイス・ローザンヌ生まれのデザイナー。ロンドン大学で数学を学び、アメリカのメンロー経営大学で経営管理の理学士号を取得したという異色の背景をもつ。家具や照明、オブジェの製作で国際的に知られる。フォルティスとは2008年に黒板を文字盤にデザインしたアートモデル“IQウォッチ”でもコラボレーションし、そのユニークさで大人気を博した。

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