[#019]エメラルド色の海を舞台に繰り広げられた パネライ クラシック ヨット チャレンジ

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文/香山知子/『世界の腕時計』編集長

パネライ クラシック ヨット チャレンジ
ポルトロトンドの海は海底が見えるほど澄み、エメラルド色に輝いていた。上の写真の右側のヨットはヴィンテージ・クラスで優勝した1916年建造の「ロウディ」号。


9月9日から11日にかけてイタリア・サルディニア島のポルトロトンドで「パネライ クラシック ヨット チャレンジ」の地中海ラウンドの第4ステージが開催された。パネライといえば第二次世界大戦のイタリア海軍特殊潜水部隊の時計をオリジナルとし、海との関わりは強い。そして2005年からクラシック・ヨットのシリーズ戦「パネライ クラシック ヨット チャレンジ」を主催し、毎年、これにあわせて特別限定モデルも発表している。

ヨットは日本では一般に馴染みが薄く、ましてやクラシック ヨットとなると知る人は少ない。クラシック ヨットとはわかりやすく表現すれば年月を経た古いヨットだが、老朽化し、時には朽ち果ててしまった往年のヨットを職人の手と現代の先端技術を使って完全にレストアした往年の名艇を指す。1946年以前に進水したヨットはヴィンテージ ヨット、1975年以前に進水したヨットはクラシック ヨットと分類されている。

「パネライ クラシック ヨット チャレンジ」では地中海で5レース、北アメリカで3レース、そしてイギリス、カリブ海でそれぞれ1レースという10のレースが、ヴィンテージ ヨット、クラシック ヨットなどの部門別に行われる。

晩夏のポルトロトンドは好天に恵まれ、パネライが巨額の資金と3年近くの時間を投じて修復させた、1936年建造の「アイリーン」に運良く乗ることができ海上で観戦。1936年はパネライの腕時計が誕生した年でもあり、パネライとアイリーンの出合いは運命的なものだった。

さて観戦とはいえ、ヨット・レースの展開は素人には正直、わからない。しかし風にのって進むアイリーンの船上で聞こえるのは波の音と帆のはためきだけ。風向きにあわせて帆を張り、あるいは帆をおろし、きびきびと動きまわるクルーたちの姿を横目に、ほどよい風を受け、日光を浴び、美しいヨットを眺めて過ごした時間は至福のひとときとなった。モーター音のざわめきがないことが、どれほど平安をもたらすことか。

現役として競いあうクラシック ヨットには、愛情を注ぎ、大切に使えば世代を超えて受け継ぐことができる機械式時計に通じるところがある。そして共に美しい。

12月8日発売の『世界の腕時計』No.110では、ヨット・ジャーナリストの矢部洋一氏に「パネライ クラシック ヨット チャレンジ」とクラシック ヨットの魅力を綴っていただきます。お楽しみに。また既刊のNo.105ではアイリーン修復についての記事を掲載しています。


パネライが修復し、所有する「アイリーン」
パネライが修復し、所有する「アイリーン」。今年はレースには参加せず、重病からの回復期にある15人の若者を迎えて“1日キャプテン”に任命するチャリティ企画を行った。


「ナイーフ」号
クラシック・クラスで優勝した1973年建造の「ナイーフ」号。 「ボナ・フィデ」号
参加艇のなかで最も古い1899年に建造された「ボナ・フィデ」号。ヴィンテージ・ガフ・クラスで1位を獲得。1900年のパリ・オリンピックでの優勝をはじめ、多くの受賞歴をもつ。
パネライ クラシック ヨット チャレンジ2011の特別限定モデル
パネライ クラシック ヨット チャレンジ2011の特別限定モデル
パネライ クラシック ヨット チャレンジ2011の特別限定モデル「ルミノール サブマーシブル 1950 レガッタ スリーデイズGMT オートマティック チタニオ -47MM」。パネライの自社ムーブメント、自動巻きCal.P.9001を搭載した、300m防水のダイバーズ・ウオッチ。パワーリザーブは約3日間。直径47mmのチタニウム・ケース。交換用ストラップと工具を付属。世界限定500個。価格107万1000円