[#005]新機構“アモータイザー”を搭載した ボール ウォッチの新作

#005タイトル

文・小野正章/『世界の腕時計』副編集長

エンジニア ハイドロカーボン スペースマスター クロノ GMT


ボール ウォッチからユニークな機構を搭載した新作がリリースされている。自動巻きの回転錘が外れたり、それによるムーブメントの損傷を防ぐ“アモータイザー耐衝撃システム”を採用した「エンジニア ハイドロカーボン スペースマスター クロノ GMT」である。

このモデルを開発したのは長くロレックスの技術責任者を勤めた後、ボール ウォッチに加入したフィリップ・アンティル氏だ。彼は民間企業による初の有人宇宙飛行を成功させたスペースシップワンのパイロット、ブライアン・ビニー氏からの「宇宙にいくときでも着けていられる時計がほしい」という要望に応えてこのシステムを開発した。

“アモータイザー”の構造自体は実にシンプル。もっとも腕時計に負荷のかかる宇宙船の打ち上げ時に回転錘が空転することを防ぐため、スライド式の裏蓋を考案して回転錘を任意に固定/解除できる仕組みを実現した。これによってムーブメント内部の損傷が防止できるのである。さらにムーブメント外周を耐磁性のあるプロテクション・リングで保護したため、外部からの衝撃や磁気の影響にも絶大な効果を発揮する。

プロトタイプの実験では5.2mの高さからコンクリート上に落下させても、ムーブメントはまったく損傷を受けなかったというからハードなアウトドア・ユースやスポーツ・シーンには最適だ。

実用性を重視して自動巻き時計を選ぶなら、この新作を候補のひとつに加えて間違いない。

【問】ボール ウォッチ・ジャパン ℡03-32217807

エンジニア ハイドロカーボン スペースマスター クロノ GMT
自動巻きムーブメントの損傷を防ぐ“アモータイザー耐衝撃システム”(写真左)を搭載した「エンジニア ハイドロカーボン スペースマスター クロノ GMT」。自動巻き。ステンレススチール・ケース&ブレスレット。100m防水。ケース径45mm。価格44万5200円(世界限定999個)
耐磁性や耐衝撃性を高めるプロテクション・リングが採用された
裏蓋のプロペラ部分をスライドさせることによって自動巻きの回転錘を固定/解除する“アモータイザー耐衝撃システム”。ハード・ユース時に固定しておけばムーブメント内部が損傷することはない。また、リュウズを衝撃から守る“セーフティロック・クラウンシステム”や耐磁性や耐衝撃性を高めるプロテクション・リングが採用された。
フィリップ・アンティル氏
フィリップ・アンティル氏。ロレックスの技術責任者として数々の開発に携わった後、2008年9月にボール ウォッチの最高技術責任者として招かれる。スイス生まれの47歳。