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#328 眠れない国で春眠なんとやら。

文/本田賢一朗(モノ・マガジン編集部)

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6LED・GPSランニングウォッチ「Polar M430」。今回ブルー、ネオングリーンの2色が新たに登場。価格2万7864円 https://www.polar.com/ja/M430


ランニングを中心に個人的にポラールM430を使用していますが、ポラールA370とM430に搭載されたPolar Sleep Plus(TM)機能を使い2017年の6カ月間かけて世界中のユーザーから約600万の睡眠データを収集したという興味深いデータが発表されました。

これまでも日本人が寝ないとは、よく言われてきましたが、今回確実にそれが「見える化」。結果によると日本人の男女別平均睡眠時間は男性6時間30分、女性6時間40分で、データを分析した主要28カ国中最短だといいます。

ちなみに28カ国中、平均睡眠時間最長は男性がフィンランドの7時間24分、女性はフィンランドとベルギーの7時間45分。日本と比べ、男性は54分、女性は1時間5分長く寝ています。また興味深いのは日本人の入眠時間は香港、スペインについで遅いにも関わらず、起床時間は世界平均と大きく変わらないという結果も。

昨今の活動量計にも常備される「睡眠の質」分析機能では、日本人は平均3.0(最高5.0、最低1.0)との結果が。これは世界28カ国中25位と結構下位。世界平均が3.2で、最高はフィンランドの3.4、最低は中国の2.7だといいます。かく言う私も、睡眠の質判定は大抵低い結果になり、深酒をしたり、夏の暑い日などには1点台なんてのもありましたっけ……。そんな数字を突きつけられるとストレスになるので、正直、今はこの機能は避けてます、はい。

ポラールは40年ほど心拍計測から身体への影響を調べてきただけに、説得力があるのでこれらの結果も直視しなければいけないわけですが、そうなるとまた眠れませんかね?

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資料提供/ポラール・エレクトロ・ジャパン

#324 祝! アカデミー賞作品賞受賞のファンタジー 「シェイプ・オブ・ウォーター」

文/大谷 暁(モノ・マガジン編集部)

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日本時間の3月5日(月)、記念すべき第90回アカデミー賞授賞式にて、作品賞、監督賞(ギレルモ・デル・トロ)、作曲賞(アレクサンドル・デスプラ)、美術賞(ポール・デナム・オースタベリー、ジェフリー・A・メリヴィン、シェーン・ヴィア)の最多4部門を受賞した。

ここ数年のアカデミー賞最優秀作品賞受賞作品の傾向をみると、エンタメ色の強い作品はゴールデングローブ賞は受賞するが、アカデミー賞の方は敬遠され気味なのかと思っていた。昨年の「ラ・ラ・ランド」も見事なオチでズッコケさせてもらいました。業界的にはいろいろと事情もあるのでしょうが、個人的には何年経っても色褪せない時代を超越した作品が受賞すべきだと思っている。

今回紹介する「シェイプ・オブ・ウォーター」はまさにその考えに該当する傑作。5年後、いや10年後でも映画を見終わったら「あー面白かった」と思うはず。それで良いんです。何回見ても楽しめるのがリアルな傑作。先日、深夜番組で舞台俳優の市村正親さんが、「傑作だったら同じ舞台でも何百回演じても飽きない。でも駄作は飽きるけどね」と言っていた(笑)。

過去を振り返ると前述の「ラ・ラ・ランド」(16)をはじめ、「ゼロ・グラビティ」(13)、「アバター」(09)、「E.T.」(82)、「2001年宇宙の旅」(68)などの傑作がアカデミー賞最優秀作品賞受賞を逃しているというから驚きだ。

そもそもファンタジー作品の受賞は難しいとも言われてきた。ちなみにそのジンクスを破ったのは「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」(03)であった。本作は「パンズ・ラビリンス」(06)のギレルモ・デル・トロがメガホンをとるので当然ながら、ただのファンタジーでは終わらないので御用心。

舞台は1962年、米ソ冷戦の時代のアメリカ。政府の極秘研究所で働くイライザは、秘かに運び込まれた不思議な生きものを目撃してしまう。アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”(この時点で「大アマゾンの半魚人」(54)へのオマージュということが判明する)の奇妙だがどこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる。子どもの頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”との間に言葉は必要なかった。やがてふたりの心が通い始めたとき、“彼”が間もなく実験の犠牲になると知る。そして彼女は“彼”を救うため、国を相手に毅然と立ち上がるのだが……。

ヒロインのイライザを演じるのはサリー・ホーキンス。そしてイライザと“彼”を追い込んでいく残酷なエリート軍人ストリックランドを「マン・オブ・スティール」(13)のマイケル・シャノンが演じている。脇役陣も盟友揃い。すべて監督自らがオファーしたという絶妙のキャスティングが実現している。イライザの同僚ゼルダ役にオクタヴィア・スペンサー。また心優しき隣人ジャイルズ役にはリチャード・ジェンキンスが扮している。

そして“彼”に扮するのはデル・トロ監督の「ヘルボーイ」でエイブ・サピエンを演じて絶賛されたダグ・ジョーンズ。ワイルドな身のこなしに宿るピュアな心を演じきり魅力的かつ官能的なキャラクターを生み出した!

アンデルセンの「人魚姫」をモチーフに、古くは「キングコング」から「シザーハンズ」や「美女と野獣」まで、種族を超えた誰も見たことがない究極のラブストーリーが誕生した。但し見方を変えればサスペンスフルホラーファンタジーでもあるけどね! お後がよろしいようで。 

2017年アメリカ映画/2時間4分 全国ロードショー公開中! 

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配給:20世紀フォックス映画
©2017 Twentieth Century Fox

#323 美味しいご飯が食べたい、ただそれだけ

写真/油科康司(WPP) 文/松崎薫子(モノ・マガジン編集部)

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先月末、三重県伊賀市の伊賀焼窯元の長谷園と家電メーカーsirocaから、新発表された「かまどさん電気」の窯元プレスツアーに参加しました。

長谷園といえば土鍋でご飯を炊く「かまどさん」を2000年に発表し累計80万台以上を売り上げる大ヒット商品で知られている。

私の実家でも発売後まもなく使い始め、美味しさに家族全員が息を飲んだ。家を出たあとも即購入。かれこれ「かまどさん」を使って15年以上になる。3合炊きは水600ml。週に3日は炊いているので炊き方はお手のもの。新米は少し水を少なくしたり、お焦げを作るのも上手くなった。炊飯器も持ってはいるが、ほぼ出番はない。

さらに今は、ハーマンのコンロを使っているので、ごはんモードがあり、自動的に良きとこで火が止まるのでとにかく炊くのが楽チン。炊飯器よりも手軽なくらいなのだ。しかも土鍋には調湿機能があるので、おひつに入れ替えなくても、水分が多いときは土鍋が吸ってくれ、水分が足りないときはおぎなってくれる。とにかく放っておいても美味しいごはんに仕上げてくれる。なので我が家の曲げわっぱのおひつは、手巻き寿司のときしか食卓に出なくなったほど。

もうひとつ忘れてはいけないのが冷めてからも美味しいところ。お米の甘みが存分に引き出されるからだ。また、炊いてからすぐに冷凍すれば解凍して食べてもかなりの満足度に。

そんななか、電気で炊ける「かまどさん電気」が誕生したと聞いて耳を疑った。また土鍋風なのかなと思いきやそうではないという。土鍋そのもの、いや「かまどさん」そのものを使用しているといっても過言ではない。ようやく話は最初に戻るがその商品の背景と工程を見せてもらいに行ったのだ。

4年をかけて作り上げた、「かまどさん電気」の製作秘話や商品についてはモノ・マガジン本誌でしっかり紹介したいので、ここでは私の感想を。

とても美味しい。
「かまどさん」となんら変わらない味。

両親が伊勢出身で、いとこも三重県に住んでおり、新米の時期には伊賀米を毎年送ってもらっているので、かまどさんで炊いた伊賀米を毎日食べている私が言うのだからまちがいない。

粒が立っている。

さらに気がついたのは電気ならではの魅力。
ひとつは、夜寝ている間にタイマーをセットすれば朝には炊き上がっている楽さ。そしてもうひとつ、土鍋は炊いたあとに底を完全に乾かす必要があるため、いつも鍋を裏にし乾燥させるのだが、電気のこちらは乾燥機能付き。家事を楽にしてくれる機能が盛りだくさんというわけ。

高額な炊飯器が売れている昨今。土鍋そのものを使ったこの「かまどさん電気」は本物志向の人にこそぜひ使って欲しい。
伊賀焼の土鍋って本当にすごいから。
自然の力は本当にすごいから。
それを家電にしたsirocaさんも本当にすごいから。

この日は伊賀料理の最高のおもてなしを茅葺屋根の素晴らしい建物のなかで存分に味わわせていただきました。お酒好きで上手いもの好きな、まるで伊賀忍者のような仙人のような(笑)長谷園の長谷優磁会長はこんなことを言っていた。「作り手は真の使い手であれ」。会長のそして伊賀焼のさらにファンになりました。

余談ですが、このとき陶芸体験をさせてもらいこれから焼き上がりが届くことに。ルーシー・リーの雰囲気に少しでも近づけるよう頑張りましたが、ひとりどでかい器になってしまい、みんなの笑いをかっさらうことに。笑。

美味しいご飯は毎日の基本。
この「かまどさん電気」は裏切らないですよー!

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価格8万6184円
サイズ:約幅30×奥行30×高さ26.1cm
質量:約7.6㎏
付属品:取扱説明書、レシピブック、しゃもじ、しゃもじ置き、米カップ、水カップ、手ぬぐい、鍋敷き
【問】シロカ
℡ 0570-001-469

#322 これぞ男料理!? “ナイスバーべ”体験!

文/片岡静香(モノ・マガジン編集部)

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3月2日発売の次号『モノ・マガジン3月16日号』は、通巻800号の記念号! 特集内では、BBQ芸人である、たけだバーベキューさんの愛用品について話を聞いた。ここでは、本誌で紹介しきれなかった、たけだバーベキューさんならではのエピソードをお届けしよう。

たけだバーベキューさんのBBQはとても豪快! 分厚い塊肉やソーセージ、豚バラ肉、玉ねぎやナスといった野菜を、丸ごとBBQグリルで焼く。「野菜を焼く時は、オリーブオイルを塗ると水分を逃さず、ジューシーに焼くことができる。小さめのフライパンにニンニク、オリーブオイル、海老などの魚介を入れてアヒージョを作ったり、バーニャカウダやパンをつけて食べるのもおすすめ。」「味付け用の塩と胡椒は、普通の容器ではなくミルタイプで大容量のものを持っていくのがポイント! 量を気にせずどんどん使えるし、ミルでまわし入れることでワイルドさも演出できる!(笑)」

レシピについては、「スペインのバルセロナで『カルソターダ』というコース料理の『カルソッツ』という美味しい長ネギの丸焼きを食べました。ロメスコソースで食べると、本当に美味しかった。」そんな美味しいBBQを食べる度、新たなレシピや発想が浮かぶという。「これからも色々な国の肉料理を知ることで、新しいBBQを生み出していきたい。」取材後は、素材の味が引き立つジューシーなBBQ料理を試食。美味しい!!

BBQ成功の秘訣を聞くと、「BBQに“完璧”はありません。失敗も笑いのネタになるから面白い。どんどん挑戦してコツを掴んでいく、それがアウトドア料理の醍醐味です!」そう、BBQはみんなで楽しみながら極めていく男料理なのだ! 気になるたけださん愛用のBBQギアは、是非本誌の特集【ザ・傑作品】をご覧あれ!


■たけだバーベキュー 
1986年、兵庫県生まれ。バーベキュー芸人として日本全国でバーベキューを行なう。レシピ本も多数出版しており、“普段のバーベキューに一工夫”をテーマに、手軽で美味しいBBQを提案している。


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「野菜を焼く時は、オリーブオイルがポイント!」

火加減を調整しながら材料を焼くたけだバーベキューさん。

たけだ流BBQについて色々話してくれた。

ナイスバーべ!!

#321 絶景。十和田の夜更けに現れる

写真/門山隆 文/本田賢一朗(モノ・マガジン編集部)

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馬門岩/ずばりテーマは「氷」、透明から乳白、アイスブルーへと刻々と変化する氷の色を演出し、岩や氷柱の存在感を際立たせる。


日本の冬の風物詩に新たな項目が書き加えられる。青森県十和田市と星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル等の地方観光事業者、そしてパナソニック エコソリューションズ社が連携して取り組む『氷瀑ライトアップツアー』だ。「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」は十和田八幡平国立公園内に位置し、奥入瀬渓流沿いの宿泊施設。そもそも国内に冬季入園できる国立公園は限られているので、ここを拠点に14の滝がある奥入瀬渓流にアクセスできる点で非常に貴重だ。

最近では、北海道の層雲峡など氷瀑をライトアップしお祭りにするようなところも増えているが、この奥入瀬渓流は国立公園特別保護地区であるため電源供給工事を行なうことができず、照明を常設することはできない。生態系保護の観点からしてもライトアップする時間も必要最低限に抑える必要がある。そこで解決策として出されたのが、ツアーバスと伴走しスポット毎に演出パターンを変えてライトアップする照明車の導入だ。

この専用照明車に搭載されているシステムがパナソニック エコソリューションズ社の『ダイナペインター』。昨今「ダイナミック演出」として全国各地の自然景観、街並みや建造物などの照明デザインで実績を上げているLEDカラー投光器だ。独自の光学設計により狙った箇所にムラなく、鮮やかで美しいカラーライトを当てることができるため、雪の状況によってクルマの停車位置を変更せざるを得ない雪国の厳しい自然条件の中でも安定したライトアップができる。また瞬時点灯が可能なため、ストップ&ゴーをしながら短時間照射を繰り返すことができる点も特長だ。

ツアーで回る全4箇所のスポット毎に奥入瀬の自然を育んだ「氷」や「浮世絵」「カルデラ湖」といったテーマを設け、照明演出を変えている。同社・ライティング事業部の籠谷葵さんによると「氷や雪は反射率が高く、光の色が映えやすい。テーマに沿ったトーン、また氷瀑だけでなくその周辺の樹々の陰影などの見え方まで計算し、景色として面白くできるように照射角度も試行錯誤を重ねました」。とはいえ、月明かりがあったり気温によって凍結度が違うなど、気候条件次第で異なる表情を見せる。

十和田市観光商工部の小泉和也さんは「十和田市住民も、昔から薄々はこの氷瀑はすごいんじゃないかとは思っていたのですが、冬には路線バスも全部止まってしまいますし、道路灯もないので、夜は地元の人間でもほとんど来ることはありません。奥入瀬は夏や紅葉シーズンには観光客たちで賑わいますが、<馬門岩>はよくある断崖としか思わず、特に気に留めず通り過ぎているかもしれません。ただ、岩から滲み出る水分が冬になると氷柱になり、普段気づかない奥入瀬の光景が現れます。ましてや夜の氷瀑は知られることはありませんでした」と言う。

この冬始まったばかりのツアーながら訪日外国人観光客の参加も多く、直近の約1ヶ月間で参加者は約2,000人を超える。

普段気づかない光景に文字通り光を当て、奥入瀬の絶景は夜も更けた頃に現れる。


氷瀑ライトアップツアー (星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル)
~3月18日まで。18時~19時/19時30分~20時30分
宿泊者限定/無料/定員20名(最小催行人数1名)
申し込みはチェックイン後、各開催時間30分前までアクティビティデスクで予約受付
天候により、中止や時間、場所が変更になる場合があります。
※十和田市主催ツアー「冬の奥入瀬ナイトツアーバス」でもライトアップが見ることができる。
 詳しくは https://oirase-winter.com


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千筋の滝/水量の豊かな奥入瀬渓流には大小14の滝があり、最下流にあるのが千筋の滝。水量は多くないものの趣のある風景が楽しめる。水量が少ないからこそ早い時期に氷瀑ができる。演出テーマは「カルデラ湖」。夜明け前の薄水色から陽が昇り始める薔薇色に変化する十和田湖をイメージしている。
雲井の滝/高さ20mの迫力ある滝の全景を演出。テーマは「浮世絵」。荘厳さと浮遊感が実に幻想的。赤系の色でライトアップ。
三乱の流れ/奥入瀬らしい美しさが味わえるツアーの最後に訪れるスポット。テーマは「牡丹雪」。渓流の奥の森の広がり、樹影、岩に積もった綿帽子など光の当たらないところにツアーのエピローグが見える。
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
TEL0570-073-022(星野リゾート予約センター)
JR八戸駅、青森駅から無料送迎バスあり(要予約)

写真は露天風呂とテラスがついた「渓流和室 露天風呂テラス付」。3室のみとあって予約は真っ先に埋まる。価格3万1500円~(1泊2食付き2名1室利用。1名あたり。税・サービス料込み)八甲田の温泉を引いた眼下に渓流が広がる渓流露天風呂。冬季限定として壁に氷瀑を作り上げた「氷瀑の湯」が登場。生のりんご約1800個が並ぶ「ウェルカムりんごセラー」が迎え入れるビュッフェレストラン「青森りんごキッチン」は、食材はもちろん、青森の工芸「津軽びいどろ」で製作されたインテリアまで文字通り青森のりんご尽くし。ここでだけ飲める限定シードルもある。リチウムイオン蓄電システムを装備した専用車両。1200ルーメン以上のパワフルな光に、重耐塩、耐風速60m/秒など屋外照明としての耐久性も高水準。

#317 キミは生賴範義を知っているか 上野の森美術館 生賴範義展レポート

写真・文/島田雄右(モノ・マガジン編集部)

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生賴範義は、1962年より書籍の装画や挿絵、新聞広告の仕事を始め、SF映画史上最大のエポックメイキングな作品「スターウォーズ 帝国の逆襲」の国際版のポスター(1980年)を手がけたことでその名を知られるようになる。「ゴジラ」シリーズのポスターやコーエー(現コーエーテクモゲームス)の歴史シュミレーションゲーム「信長の野望」のジャケットといえばピンとくるという方も多いのではないだろうか。筆者は、父親の本棚の中から小松左京の『復活の日』の表紙を見て、その“オトナ”な世界にクラクラしたことを思い出す。生賴範義の描いた歴史、SF小説の表紙をみて思わず手に取り、ジャケ買いした諸兄も多いのではないか。

展覧会の入り口には、装画を手がけた書籍がタワー状に展示され、いきなり圧倒される。描いた書籍は生涯で1500冊以上! 多い時には年間130冊以上の装画を手がけていたというから、2日から3日に1枚描きあげていた計算になる。小説の中身を読まなければ描けないので、通読して表紙を描いていたというから驚きだ。

確かな写実力と、観るものを納得させる構成力。意外だったのは作品が厚塗りではないこと、必要最小限のタッチで的確に描きあげられた作品は、遠くで見てよし、また近くで見ても息を飲む。修正の跡がほぼ無いことも特筆すべき点だろう。構図さえ決まれば、あとは色を置いてゆくだけの作業というから、度肝を抜かれる。迷いや無駄のない線やタッチで描かれた作品はオーダーによってさまざまな技法で描かれ、映画、小説作品の世界観をイメージとして具現化した。生賴範義が手がけた多くのSF作品は現実ではなくフィクションの世界。漆黒の闇として描かれることが多い宇宙空間を、生命感あふれるグリーン系で表現した「生賴グリーン」と呼ばれる宇宙空間。発光する光や大海原をかき分けて進む船の水しぶきのエフェクト効果。後世に与えた影響は計り知れない。それが毎月のように出版、発売されていた80年、90年代は何と濃厚な時代だったことか。

残念ながら2015年に永眠した生賴範義。アシスタントもつけず、宮崎県のアトリエで黙々と創作に没頭し、数多くの作品を残した。イラストレーターという分野を切り開いたパイオニアでもあると同時に、その枠の中だけではくくれない繊細でいてダイナミックなアーティストでもある。

展覧会を企画した石田さん曰く「生涯作品3,000点以上、今回展示されているのは248点。この規模の展覧会なら、あと10回は開催できます」とは恐れ入りました。質と量の両立を完全に満たした生賴ワールドを体験していない者は上野に急げ! 会期は2月4日(日)まで。

■展覧会詳細情報コチラ
 上野の森美術館
 http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=227

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会場に到着。興奮を抑えられません。
会場に到着。興奮を抑えられません。


展覧会の入り口に登場する生賴タワー。圧巻!

展覧会図録は、糸かがり綴じという懲りよう。
展覧会図録は、糸かがり綴じという懲りよう。なるべく細部まで見て欲しいという展覧会を企画した方たちの情熱が伝わってくる。

グッズコーナーも充実しているので軍資金は余裕をもってお出かけ下さい。
ずっと欲しかった「ゴジラ対キングギドラ」のポスターを購入。グッズコーナーも充実しているので軍資金は余裕をもってお出かけ下さい。
TM & © TOHO CO.,LTD.

今回、案内して頂いた企画者の石田達也さんと。
今回、案内して頂いた企画者の石田達也さんと。生賴範義さんとは? の問いに「職人として芸術家として一流! まさに現代の北斎でした」

#314 大迫と走れるNRCって!

文/本田賢一朗(モノ・マガジン編集部)

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800m、400m×2本、200m×8本、400m×2本、800mを、それぞれペースを替えて取り組むインターバル走。


 私も、プライベートで最近よく参加しているNike+Running Club(NRC)。先週日曜日、12月17日にはランナーにとっては贅沢なセッションが開催された。2週間前の福岡国際マラソンで3位になった大迫傑選手を招いての「OSAKO STYLE RUN NRC Breaking3.5」だ。フルマラソン3時間半切りを目指している参加者たちがインターバルトレーニングを大迫選手と一緒に行うというもの。1月16日発売『モノ・マガジン2-2号』でのランニング企画の取材と称して、ただ見たかっただけです。

 数十倍の抽選で当選した20名ほどの参加者たちも、現役日本人マラソンランナー最速選手だけに、大迫選手が登場したときにはなんだか息を飲んでる感じ。正直、トップアスリートが来るといってもトラック1~2周をジョグして、あとはトラック脇で「ナイスラン~」とかけ声かけるくらいなものなのだろうとナナメに構えてましたが、もうガチ。キロ3分20秒から設定ペース毎に4グループにわかれ、200~800mのインターバル走をこなしていく。このメニュー全てに、各グループを順番に大迫選手が混じって入り走ってくれる。市民ランナーとして十分アッパークラスの参加者の皆さんだけに、実に多くを肌で感じ取ったことでしょう。

 約1時間半程度のセッションを終えてからは、ナイキ原宿に移動してトークセッション。福岡国際の感想に始まり、トレーニング方法や生活面で心がけていること、スピードを出すコツなどに話が及ぶ。例えば大迫選手が福岡国際の前日、レース前には我慢しようと思ってたラーメンを「やっぱり博多はラーメンが有名だし……」とつい食べちゃったなんて話も。ただ、普通「トップランナーもラーメン食べるんですね、意外!」そして笑い、チャンチャンで終わるのだけど、それを受けてNRCコーチ陣が食事とメンタルの関係などコメントを添える。こんな具合に大迫選手が明かすトップランナーの技術やノウハウを、市民ランナーがどう活かせるのかをNRCコーチが噛み砕いて補助線を引いてくれる。シューズの話に及べば、参加者全員が試走に使った『ナイキ ズーム フライ』などズームシリーズの開発経緯からシューズの構造までの説明をするなど、エンタメのようできっちりと走りの勉強会。走力だけで終わらず、メンタルそしてシューズに強くなれる内容。

 最後に大迫選手と参加者ひとりひとりと記念撮影をするのも至れり尽くせりだなぁ、なんて眺めているうちに、大迫選手が退出。これで終わりだろうと思いきや、その後はセッションで分かれたグループごとに座談会。参加者同士、練習法の疑問点や悩みを共有し意見交換。それにNRCコーチ、ペーサーが解決の糸口を示してくれ、各グループとも結構深いテーマへと掘り下げていた。

 トップランナーと市民ランナーの「ヒト」、フルマラソンに限らず走る「コト」そして、それぞれの目標に到達するためのシューズである「モノ」をつなげるNRC。
 単に有名アスリートとの記念撮影じゃない、ランナーみんなの青写真を描く、ホントのコミュニティがある。マラソンで3時間半切りを目指すNRCのBreaking3.5。プログラムはまだまだ続いているのでチェックしてみては。NIKE.COM/NRC

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直近の陸上競技専門誌でも「大迫時代が来た」なんて見出しが並ぶけど、NRCにその大迫選手が来た。このクラスの選手が来る練習会は、そうはない。

長く厳しいマラソンの練習をやり抜くコツを参加者から質問され、「モチベーションは日常のあちこちに転がっていて、その中から拾い上げて、できることを続けていく」と言う。

福岡国際マラソンでは1位から4位までが<ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4%>を着用していた。このモデルを頂点としたズームシリーズの説明がナイキ担当者から行われた。このスーパーシューズ<ナイキ ズーム ヴェイパーフライ4% >をはじめとするズーム シリーズには、1月16日発売『モノ・マガジン2-2号』のランニング企画でも触れる。

トークセッションが終わると、参加者ひとりひとりと記念撮影。各参加者にはメールで送られた。

#313 傑作モノを見よう!

文/新野敦子(モノ・マガジン編集部)

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©2017 Twentieth Century Fox Film Corporation/配給:20世紀フォックス映画


今月12/16に発売されるモノマガジンは35周年というアニバーサリーイヤーにちなんだ傑作品特集になっている。そこで、今回このモウェブでも傑作といえるものを紹介したいと思う。

2015年に公開され、世界中を熱狂させた『キングスマン』をご存知だろうか。その続編となる『キングスマン:ゴールデンサークル』が2018年1月5日より公開される。

キックアスを手掛けたマシュー・ヴォーン監督が持ち前のド派手なアクションとテンポの良さで、従来のスパイ映画らしさと、今っぽさをミックス。音楽やセリフ、カメラワークに至るまでセンスが光る。表の顔はロンドンの高級テイラー、しかしその実態はどの国にも属さない世界最強のスパイ機関という新たな設定と現代っ子感のギャップがおもしろい。

そして、今回の『キングスマン:ゴールデンサークル』では、アメリカを中心にストーリーが展開され、一流のエージェントに成長したエグジーとメカ担当のマーリンがキングスマン存続の危機により、アメリカの同盟機関『ステイツマン』に助けを求める。彼らは表向きはウイスキーの蒸留所を経営するコテコテのアメリカンチームで、衣装はウエスタンハットに鞭をもつカーボーイスタイルときている。

そして、敵役にはオスカー女優のジュリアン・ムーアがサイコパスな麻薬密売の女王として登場。レトロなオールドアメリカの雰囲気をポップに作りあげ、ぶっ飛んだTHEアメリカがここに! 世界中に危険な麻薬をばらまかれ、キングスマンは世界を救えるのか?! 個人的には真っ赤なミンチ肉でハンバーガーを作るところは衝撃的(笑)。かなりの見所だ。あとエルトンジョン(笑)。

そして、この映画の素晴らしい点はストーリーだけではない。スーツ姿もそのひとつ。それもそのはず、設定は英国の歴史あるサヴィルロウのテイラーをモチーフにし、実際にあるHUNTSMAN(ハンツマン)というお店がモディファイされて登場。

キングスマンが着る衣装はスーツの生地から縫製に至るまで100%英国製でつくられている。ターンブル&アッサー、ドレイクスなども使われている。

当初、主人公エグジーはアディダスやフレッドペリーを身にまとっているが、エージェントとして成長するとともに、仕立ての良い高級スーツに変わっていく姿も見どころのひとつ。スーツの他にも、キングスマンには欠かせないスパイツールに注目して欲しい。

腕時計は2015年の映画では『BREMONT』を使用していたが、今作では水中撮影や格闘シーン、スタントなど、あらゆる状況に対応できる時計を求め、よりふさわしい時計として、『TAG HEURE』を採用している。キングスマンのエージェントは『タグ・ホイヤー コネクテッド』、ステイツマン伝説の『モナコ キャリバー11』を着用。

前作でもよく出てきたエージェント同士で会議をするときに使われる眼鏡のフレームは、英国の高級眼鏡の老舗ブランドカトラー&グロス社のもの、遠隔操作で活性化できる毒の万年筆は英国の名門コンウェイ・スチュワート製品だ。

今回のミュージックもブリットポップから、カントリーまで気の利いた音楽に加え、アメリカらしいデザインのファッショナブルな衣装、大胆なアクションも大いに楽しめる作品になっている。
映画と作中の傑作品をお見逃しなく!

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世界的麻薬組織のゴールデン・サークルのボス役、ジュリアン・ムーア
高級スーツを身にまとう主人公エグジー役のタロン・エガートン

タグ・ホイヤーにインスパイされた時計がスパイツールとして使われている。

劇中でも活躍する眼鏡のフレームはカトラー&グロス社のもの。
万年筆は英国名門コンウェイ・スチュワート製品。

#312 見渡す限り、美尻、美尻、美尻……いや~、癒されますw

文/関谷和久(モノ・マガジン編集部)

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『ハイサワー美尻カレンダー2018』の「プレミアム版13枚綴り」は創業90周年を記念し、表紙がゴージャスなポスター仕様になっている。白いビキニが清楚な雰囲気を醸し出しているぞ。


♪わ・る・な・らハイサワーの博水社から年末恒例・美尻満載の『ハイサワー美尻カレンダー2018』が絶賛発売中なのだ。

2018年度版のカレンダーは月めくりでお尻が入れ替わる「プレミアム版13枚綴り」(12枚+表紙付き)と隔月でお尻が替わる「スタンダード版7枚綴り」(6枚+最終ページおまけ付き)の2種で、ともに大迫力のA2(420×594mm)サイズ。

今回のお尻選びのテーマは、博水社創業90周年にちなんで「キュッ(9)と引き締まった丸(0)い美尻」。ヒップモデルの写真25万1950枚から博水社の女性社員6名からなる「美尻グッズ部」が、約10カ月かけて厳選。レイアウトから色合いまでこだわった美尻中の美尻が勢ぞろいしている。

「美尻グッズ部」は2009年から9年間、美尻選びをしてきたいわばお尻のオーソリティ。今回はさらなる高みを目指し、カレンダーを見る人々が「このお尻の女性は今、何を想っているんだろう」「もし声をかけたら何て答えるかな」など、思わず妄想が膨らむような“ストーリー美尻”をイメージして選んだそうだ。

女性が憧れる美しさと男性好みのセクシーさを併せ持った絶妙な美尻セレクトは、営業などの男性社員の願望(笑)も聞きつつ、女性目線でお尻をチェックしているからだとか。

実は博水社は2010年からカレンダー、グラス、トランプなど美尻グッズを販売しているのだが、そのきっかけとなったのは、お尻のオープニングで有名なテレビ番組『タモリ俱楽部』だった。

2009年にハイサワーの特集(ハイサワー各商品で様々なお酒を割って試し飲みする「倉庫飲み企画」)があり、タモリさんが「泡盛のハイサワーレモン割り」を絶賛したところ、放送後に沖縄県の居酒屋や酒問屋から問い合わせがあったそうだ。

これを機に博水社が沖縄県に進出。現在、各所で泡盛のハイサワー割りが「島ハイサワー」として販売され、人気商品になっている。そんなご縁をつないでくれた『タモリ俱楽部』に敬意を表して、美尻グッズが誕生したのだという。さすが『タモリ倶楽部』。

さて、今年もあと1カ月を切りました。早いもんですね~。来年のカレンダーを何にするか決めかねているのであれば、ズバリこの『ハイサワー美尻カレンダー2018』をオススメするぞ! お正月から美尻を眺めつつ、冷えたハイサワーで一杯。眼福です。

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『ハイサワー美尻カレンダー2018』は「プレミアム版13枚綴り」価格2268円、「スタンダード版7枚綴り」価格1296円の2種類あり。写真は「プレミアム版13枚綴り」【問】博水社 http://www.8138.jp/

2018年版のお尻を選ぶ「美尻会議」の様子。「美尻グッズ部」の女性社員はお尻の形はもちろん、セクシーなくびれ、水着、背景まで細かくチェックしていく。

歴代の美尻カレンダー。2011年のテーマは「ボン・キュッ・ボン!」、2012年は「小悪魔系美尻」、2014年は「お尻も景気も上向き」と世相を反映しているのがおもしろい。

ハイサワーの発売は1980年。先代の二代目社長が「我輩が作ったサワー」で「輩(ハイ)サワー」と命名された。焼酎などお酒を割る割材で、愛飲されて今年で誕生37年のロングセラー商品。諸説あるが、「○○サワー」(関東)や「○○ハイ」(関西)の語源とされている。

#311 ホットなコーヒーニュース!

文/片岡静香(モノ・マガジン編集部)

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NEC・やなか珈琲/NEC・やなか珈琲/「飲める文庫」6作品飲み比べドリップバックセット 価格2340円(※なくなり次第終了)


次号12月1日発売のモノ・マガジンの三大特集のひとつ「コーヒー特集」より、本誌でも紹介したコーヒーニュースをお届け!

夏目漱石の「吾輩は猫である」や森鴎外の「舞姫」など、“小説の読後感”を再現したという、なんとも面白いコーヒー「飲める文庫」がリリース。

「飲める文庫」は、NECのAI(人工知能)技術とやなか珈琲のコラボレーションにより生まれたもの。文学作品に関する1万件以上のレビューデータをもとに、コーヒーの味覚指標に変換した学習データを作成。NECの最先端AI技術群にその学習データを投入し、分析モデルを構築する。その後文学作品を分析し、味覚指標のレーダーチャートを作成。そのチャートをレシピにして、作られたのがこのブレンドだ。

小説のイメージと一致するコーヒーの味わいとは、どんなものなのだろうか。試しに、夏目漱石の「こころ」と太宰治の「人間失格」を選び、飲んでみた。

「こころブレンド」→苦くずっしりとした味。奥深い味わいで飲みごたえがある。

「人間失格ブレンド」→苦いけれど爽やか。さっぱりとしていて飲みやすい。

ブレンドごとに物語を特長付けているかのような、味わいの違いを感じたが、なんでも人の味覚だけで6種類の味の差を表現することは容易ではないので、それぞれのコーヒーの味から文学の世界がイメージできることを目指したそうだ。まさに、一人で文学の世界を堪能して良し、友人や家族とワイワイ飲んで盛り上がって良し!のコーヒだ。

その他、大人が読んで楽しめるコーヒーにまつわる絵本や、少し変わったコーヒー、世界のコーヒーニュースなど、最新ニュース満載。読めばきっとコーヒーが飲みたくなる!? コーヒー好き満足の「コーヒー特集」。是非ご覧あれ!

※本ページ掲載の写真は、クリックすると拡大してご覧いただけます。

「こころブレンド」(ビーンパッケージ価格950円)

「人間失格ブレンド」(ビーンパッケージ価格950円)

「シアトル発 ちょっとブラックなコーヒーの教科書」岩田リョウコ著(ガイドワークス)