#448 アキュトロンから世界初の静電誘導腕時計

文/小野正章(モノ・マガジン編集部)

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448 アキュトロンから世界初の静電誘導腕時計

時計といえば機械式時計しか存在しなかった1960年台初頭に一世を風靡した腕時計があったのをご存じでしょうか。ブローバの「アキュトロン スペースビュー」がそれです。

この時計は機械式のテンプやゼンマイの代わりに音叉や電磁コイル、トランジスタ回路、水銀電池を搭載した世界初の音叉時計。機械式しかなかった当時としては、驚異的な月差±1分という高精度を達成しました。

ちなみにクオーツウオッチが発表されたのは1969年だから、遡ること9年前にこのような近未来的な時計が誕生していたことに驚かされます。

さて、機構も画期的でしたが、外観もまた衝撃的でした。機械式時計との違いをアピールするため、敢えて文字盤をスケルトナイズドしたのです。風防一枚を隔ててコイルや基盤が剥き出しの近未来的なデザインも相まって世界中で大ヒットし、NASAによる宇宙計画にも採用されるなど、1976年まで製造が続けらました。

そして今年は、ブローバ アキュトロンが誕生してちょうど60年。これを機に新ブランドとしてスタートする「アキュトロン」から、その後継機ともいえる腕時計が誕生しました。
かつてのアキュトロンが世界初の音叉式電子時計として時計史を塗り替えたのに対し、そのDNAを受け継ぐ今回のモデルは、独自の静電誘導「発電」と「モーター」を使用した新ムーブメントを搭載する静電誘導腕時計です。

文字盤5時と7時位置に見える2基の静電誘導タービンの電極間で、腕の動きに連動してツインタービンが高速回転することにより電力が発生。蓄電池に蓄えられた電力によって時分針が動き、10時位置の静電誘導モーターによって秒針をスイープ運針させるという仕組みになっています。

通常なら約2年で電池交換が必要ですが、使用頻度に応じてより多くの電力を蓄電し、長く電池が使えるパワーセーブモードを搭載。精度は月差±5秒を達成しました。

ラインナップは、かつての「スペースビュー」のデザインを受け継ぐ「アキュトロン スペースビュー 2020」と現代風にアップデートした「アキュトロン DNA」のふたつ。さて、今回のモデルも時計史に名を刻むことができるでしょうか?

発売は11月下旬より。

■お問合せ
ブローバ相談室
TEL:0570-03-1390

ムーブメントの展開図
上はムーブメントの展開図。45秒動画での紹介もYouTubeにてされている。

ラブローバが1960年に発表した世界初の音叉式電子時計アキュトロン スペースビューブローバが1960年に発表した世界初の音叉式電子時計アキュトロン スペースビュー。当時としては驚異的な月差1分という精度を誇った。ちなみにモデル名は、Accuracy(精密)とElectron(電子)を組み合わせた造語。

アキュトロン スペースビュー 2020アキュトロン スペースビュー 2020
クオーツ(静電誘導発電)、ステンレススチール・ケース、カーフストラップ、5気圧防水、ケース径43.5mm 価格39万6000円

アキュトロン DNAアキュトロン DNA
クオーツ(静電誘導発電)、ステンレススチール・ケース、ラバーストラップ、5気圧防水・ケース径45.1mm 価格38万5000円

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