#413 イタリアを感じる理想空間

写真・文/モノ・マガジン編集部(片岡静香)

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413 イタリアの理想の住空間に触れる

優れた絵画や彫刻、建築物などを生み出してきた芸術の国イタリア。 世界有数の家具の見本市「ミラノ サローネ」が毎年開催されるなど、イタリアの家具は世界的に有名だ。家具ブランド「アルフレックス」は、1951年にイタリアで生まれ、その後1969年に海をわたり「イタリア生まれ、日本育ち」のブランドとして、上質な家具を生み出している。

長く住むなら居心地が良い空間で過ごしたいからこそ、質の高い家具をインテリアに取り入れたい。そんなインテリアのお手本になるような「アルフレックス」のモデルハウスを見学してきたので、その様子をリポートしよう!

「アルフレックス」は、設立当初から家具単体ではなく、照明やその他のインテリアエレメントを含めた住空間のトータル的な提案を続けてきた。今から30年以上前に、アルフレックスの生活提案ができる、理想の住空間を作りたいという願いから、1987年に総合プレゼンテーション施設「カーサ ミア河口湖」を、山梨県河口湖に開設。「カーサミア」とは、イタリア語で「私の家」という意味だ。

発想の原点は、「アルフレックス ジャパン」創業者の保科正氏が、イタリア滞在中にイタリアの住まいが持つ、本質的に豊かな暮らしぶりや、その温かさに触れ人生観が変わったことがきっかけだったそう。

緑豊かな自然に囲まれた「カーサ ミア河口湖」の敷地内には、独創的なモデルハウスA棟やヨーロッパ型住宅を再現したB棟、ウィークエンドハウスを想定したC棟などが集結する。いずれも過度なデザインではなく、普遍的であり、サッシやドア、タイルまでをも当時イタリア現地から調達して、建材や仕上げに真にいいものを選りすぐることで、快適性を追求した。理想的な住空間だ。

A棟は、張替、塗り直しなどメンテンスしながら暮らすスタイルの家。空間構成も個性的で、1階の玄関、リビング、ダイニングにはドアがなく、45度の平面上の角度や段差によって空間が仕切られているので、開放感を感じることができる。

開口部が大きいことで、どこにいても光をふんだんに感じられ、限られた照明でも効率的に明るさを実感できる作りだ。また、パブリックとプライベートが意識され、生活導線が明確。住空間としての機能性に優れている。ダイニングからつながるテラスにはアウトドア家具が設置されるなど、室内と屋外ともに自由に寛ぎの時間を楽しむことができるのも魅力。

B棟は典型的なヨーロッパ型住宅に見られる平面構成。中央の階段室を軸に、玄関、リビング、ダイニング、キッチンなどのユーティリティが回遊できる合理的なプランだ。

特長はなんといっても、イタリアならではの自然素材を多様していること。経年変化を楽しむことができ、メンテナンスしながら使い、豊かな風合いを感じることができる作りだ。1階エントランスの床は大理石の寄せ張り、リビングダイニングのフローリングは、チーク材のヘリンボーン張り、壁はフレスコ画の修復材に用いられる顔料で仕上げる、ベネチアンスタッコを採用。ドアや窓枠も室内側は濃茶色というシックな仕上げだ。

ウィークエンドを想定したC棟は、外観のスタイル、内装にテラコッタなどの自然素材を用いながら、週末を豊かに暮らすために、どの部屋からも視界に自然が感じられるように配置されている。縦方向の軸線が意識づけられていて、コンパクトながら開放感を感じる室内が特長。玄関周り、階段周辺など機能を限定しないスペースにゆとりがあり、クオリティの高い時間を過ごすことができる設えだ。

各所に「アルフレックス」を代表する、スタイリッシュなソファやベッドなどの家具が、配置されているのも魅力。社会環境や家電、テクノロジーなどの進化とともに、変化する時代や生活スタイルに合った家具を自社で開発している「アルフレックス」。近年は従来のレイアウトに加えて、新しいコミュニケーションとして、サイドテーブルやチェアを活用し、家族が同じ空間にいながらも、個人個人が寛げる、ゆとりあるリビングスタイルが好まれているそう。照明は間接照明が主流で、トップライトで部屋全体を明るくすることはせず、フロアランプで光をバウンスさせ、壁と天井を柔らかく照らすことを基本に、ダイニングにはペンダントライトを、ソファには手元を明るくするテーブルランプを配置するなど、必要な箇所を照らすこだわり空間だ。

さらに社員のための研究・研修施設「ライフ デザイン インスティトゥート」では、「アルフレックス」の名作ソファである「レインボー」などの歴代モデルも見学できた。現在この施設は「アルフレックス」の製品や空間づくりを体験できる場として、ビジネスクライアントを中心に見学やイベントが行なわれている。

流行や時代が変化しても、色あせないイタリアの豊かな暮らし。日々の暮らしをより良質に楽しむのなら、現在も「アルフレックス」の目指す空間の礎となっている、モデルハウス「カーサ ミア河口湖」を、是非一度は訪れてほしい。

■お問い合わせ
アルフレックスジャパン カーサミア河口湖
TEL:0555-85-3411
※完全予約制 見学可能な時期などは要問合せ

A棟の1階のリビング。A棟の1階のリビング。

2階の踊り場は、ソファやテーブルが置かれ寛ぐことが出来る。2階の踊り場は、ソファやテーブルが置かれ寛ぐことが出来る。

2階の寝室。落ち着いた雰囲気が魅力だ。2階の寝室。落ち着いた雰囲気が魅力だ。

B棟の1階のリビング。窓が小ぶりでヒートロスが抑えられている。B棟の1階のリビング。窓が小ぶりでヒートロスが抑えられている。

B棟の玄関が吹き抜けになっており、落ち着いた佇まいを感じることができる。B棟の玄関が吹き抜けになっており、落ち着いた佇まいを感じることができる。

2階の寝室。シックな雰囲気の中、本物志向の家具が並ぶ。2階の寝室。シックな雰囲気の中、本物志向の家具が並ぶ。

「アルフレックス」の名作ソファである「レインボー」。「アルフレックス」の名作ソファである「レインボー」。

ウィークエンドを想定したC棟。ウィークエンドを想定したC棟。

コンパクト空間ながら、開放感を感じられる作り。コンパクト空間ながら、開放感を感じられる作り。

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