#412 癒しの桃

写真・文/小川太市(モノ・マガジン編集部)

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412 癒しの桃

 「いつもビールやウイスキーのセミナーしか来ないから、偶にはリキュールのセミナーも如何?」というキリンビール広報さんからお誘い。思い返せばリキュールに関してはノーマークだったな……と思いつつ、やってきたのは六本木のバー・TUSK。六本木ヒルズの麓、ウエストオーク1Fに鎮座するお洒落なバーだ。

今回のセミナーの主役となるお酒は”ピーチツリー”。文字通り桃をベースとした甘い果実系のリキュール。まずは、ピーチツリー担当者のマーケティング部洋酒担当から歴史を含めた解説をひとしきり。……ふむふむ……。セミナーを受ける前まではかなり軟派なリキュール(失礼)……と思っていたが、実は意外と硬派なリキュールである事を知る。

製造を手掛けているのは1695年にオランダで創業したリキュールメーカーの”デカイパー”。M&Aで看板以外はガラリと変わることが多い酒業界にあって300年超も独立を維持し、オランダ王室からロイヤルの称号を冠することを許されている伝統と格式あるメーカーらしい。

創業初期はジン作りを得意としていたが、1970年ころからリキュールに注力、現在ではリキュールメーカーとして世界№1の売り上げを誇っているとか。「1秒に1本売れている!」という資料のキャッチがその凄さを端的に示している。各種リキュールを発売しているが、その看板のひとつがピーチツリーらしい。

ボトル上部に描かれたイラストのように黄桃をベースにしており、現在でも自前の蒸溜所で製造しているとか。まずは、ソーダ使ったカクテルをひとくち。甘い香りと仄かな酸味が喉を潤してくれる。これまで果実系や甘いのは手を出してこなかった記者も思わず飲み干してしまうほど爽やかな味わい。

甘味と香味はあるのだけど想像以上に重くない。そう感想を述べるとしっかり熟成させた黄桃を使い、人工香料は一切わってないからと担当者。今回は柑橘を使ったピーチツリーサワーだったが、ウーロン茶と合わせたピーチウーロンも人気らしい。

甘めで食前酒かと思いきや食中酒としてもいけるらしく、「来年からスパイス料理と合わせたピーチツリーのマリアージュを広めたい」と担当者。……という訳で眼前に供されたのは、ルーローハン(台湾の角煮飯で八角・シナモンなどを使用)、フムス(伝統的なアラブ料理でひよこ豆のペースト。クミンやカイエンなどを使用)が並ぶ。

そのままでももちろん美味だが、これがルーローハンやフムス、つまりスパイスと良く合う。基本的には甘い味わいなので、スパイシーな料理を引き立てるし、スパイスの香りに桃の香りが合わさって重層的な香りとなり、味わいがより一層高まる。

マリアージュというと組み合わせを探すのが大変だが、これはスパイス料理の中からと絞り込みができるので、初心者でもマリアージュ料理探しが手軽にしやすいのが良い。

これからの年末年始は自宅で家族や友人、彼氏彼女と過ごす人も多い事だろう。スパイス料理手作りして、桃のカクテルと併せてみるのもありかも。もちろん、やはりプロの技でという人はTUSKにて1月末までピーチツリー推しメニューが展開されるというので、是非この機会に試してみて欲しい。色々と慌ただしい年末年始の中、桃の風味に癒されることだろう。

なお、カクテルの作り方に関しては以下のサイトにて。
https://www.kirin.co.jp/products/spirits_liqueur/peachtree/

また、やっぱりプロの技でという人には六本木タスクがオススメ。
http://tuskbar.jp/jp/

ルーローハン(台湾の角煮飯で八角・シナモンなどを使用)、フムス(伝統的なアラブ料理でひよこ豆のペースト。クミンやカイエンなどを使用)ルーローハン(台湾の角煮飯で八角・シナモンなどを使用)、フムス(伝統的なアラブ料理でひよこ豆のペースト。クミンやカイエンなどを使用)

ピーチツリー

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