#371「レジェンド談義から生まれた野生酵母仕込みのウイスキー」

文・写真(人物)/小川太市

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レジェンド談義から生まれた野生酵母仕込みのウイスキー

グレンモーレンジィ。「完璧すぎるウイスキー」とも形容されるブランドで、ウイスキーの聖地としても名高いハイランドで1843年から製造を続けている名門シングルモルトのひとつだ。ドーノック湾に面した蒸留所では、自社所有の泉水を使い、スコットランドの大麦麦芽を使ってウイスキーを仕込んでおり、同ブランドのフラッグシップボトルである”オリジナル”は香り高く優しい味わいで、幅広くウイスキーファンから愛されている。

伝統と格式ある蒸留所ながらも、オリジナル以外にも幅広くウイスキーを手掛けており、ウイスキー通にはレアボトルとして知られる”グレンモーレンジィ18年”、深煎りのチョコレートモルトを使った革新的な”グレンモーレンジィ シグネット”など豊富なバリエーションでもウイスキーファンを魅了している。

その開発を担っているのが同蒸留所の最高蒸留・製造責任者であるビル・ラムズデン博士。これまでに国際ウイスキー賞を連続受賞するなど業界のレジェンドとしても知られており、これまでに数量限定となるプライベートエディションも度々送り出し、話題となっている。そして、来月から第10弾が発売を迎えるとあってウイスキーファンの熱い視線を集めている。それがここに紹介する”グレンモーレンジィ アルタ”だ。特筆すべきは野生酵母を使ったウイスキーで、グレンモーレンシィ社が所有する大麦畑で発見された酵母”Saccharomyces diaemath”を使用してるのが特長だ。

実はこのウイスキーの誕生にはエピソードがある。”King of Hop”との異名も持つ、同じくレジェンド級のビール・ウイスキー評論家”マイケル・ジャクソン”氏とビル・ラムズデン博士がウイスキー談義をしていた際、「グレンモーレンジィには野生酵母を使ったウイスキーがあったよね!?」というジャクソン氏の質問だったとか。「はて?」と思いつつ調査した結果、実際には存在しなかったのであるが……「ならば作り出そう!」と行動したのがビル・ラムズデン博士の偉大なる所。そして、ついに日の目を見ることになったのだ。

ちなみに、ビール好きならばマイケル・ジャクソンと野生酵母というキーワードで”ランビックビール(マイケル・ジャクソン氏が世界に広めた野生酵母を使ったベルギービール)”を思い浮かべそうだが、こちらは古代からの製法を守ってきたもの。一方で”アルタ”はラムズデン博士が生み出したもので、伝統と格式だけでなく、革新さを併せ持つグレンモーレンジィならではの1本とも言えるだろう。

気になる味わいだが、同社シングルモルトアンバサダーのロバート・ストックウェル氏によれば「全体的に円やかな味わい。パンのような香ばしさと、レーズンのような甘さ、仄かな柑橘系の香りを感じるのが特長」とのこと。個人的には蜂蜜のような花香がする甘味、ミルクバニラのような芳醇な深みも感じ、シングルモルトとしてはかなり複雑な味わいを持っていると感じたが、これも野生酵母ならではの力だろうか。

飲み方はやはり、「まずはストレートがおススメで風味を楽しんで頂きたいですね」とのこと。非常に完成度が高いウイスキーなのでそのままが一番楽しめそうだが、ロバート氏によれば「コニサーグラスに水を少し垂らして飲んでもアリ」だそうだ。これにより、より甘い風味が際立ち、アルタの特性が引き出されるらしい。もちろん、オリジナルと飲み比べても一興だ。

グレンモーレンジィのプライベートエディションの第10弾は、日本では3/6から発売予定で百貨店や専門店にて発売予定。もちろん、数量限定となる。ウイスキーファンなら、レジェンド対談をきっかけに、ビル・ラムズデン博士が生み出したこの鮮烈にして優雅なる味わいを是非とも体感して欲しい。


グレモーレンジィのシングルモルトアンバサダーのロバート・ストックウェル氏歴代プライベートエディションについて、そしてアルタの特性について詳細に解説してくれたグレモーレンジィのシングルモルトアンバサダーのロバート・ストックウェル氏。

グレンモーレンジィ アルタ グレンモーレンジィ アルタ
価格1万1880円
容量700ml
アルコール度数51.2度

■お問い合わせ
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
03-5217-9731

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